遠信寺の返還
宗務広報 430号 昭和61年11月19日
遠信寺(袋井市)、宗門へ返還される
去る11月17日、これまでいわゆる正信会の者に占拠されていた静岡県袋井市の新池山遠信寺が4年ぶりに宗門側に返還されました。
これは、同寺元住職原田篤道の申し出によるもので、同人は、昭和57年9月16日付の擯斥処分が有効であること、したがって同寺の占有権限のないことを認め、
宗務院秋元渉外部長の立ち会いのもと、同寺兼務住職高野千道師に対し同寺を明け渡したものです。
これに伴い、原田篤道は、御法主上人猊下に対する代表役員等地位不存在確認請求訴訟(現在最高裁に係属中)及び遠信寺に対する地位確認請求訴訟(静岡地裁)を取り下げ、
遠信寺側も建物明け渡しの目的を達したため、原田篤道に対する建物明渡請求訴訟(静岡地裁)を取り下げました。
なお、同寺は兼務住職高野千道師が占有管理をして行きますが、当面同寺における宗教活動は行ないませんので御了承下さい。
以上
その後の経過
@ 遠信寺は袋井市から掛川市に昭和63年(1988年)1月11日に移転し、宗教活動が再開された。
A 元住職原田篤道御尊師は平成2年(1990年)12月17日に特赦により日蓮正宗の僧籍を回復した。
知恵ノート:日蓮正宗に帰伏した元正信会僧侶の現状
正信会側は原田篤道師が「出奔」し、遠信寺がバリケードで封鎖されたと継命昭和61年12月1日号で報道しています。
その後、遠信寺は袋井市から掛川市に昭和63年(1988年)1月11日に移転し、宗教活動が再開されました。旧遠信寺は遠信寺の墓地になっています。
その後平成2年(1990年)12月17日に原田篤道御尊師は特赦により僧籍を回復し、平成6年(1994年)4月に花巻市法王寺住職に就任され現在に至っています。
参考資料:平成3年(1991年)1月6日教師指導会
また、正信会の僧侶が許されたのか、今後も許されるのか、という質問があります。この件について申し上げます。
元正信会に属していた岩切寿英と原田篤道の二人が、三年から四年くらい前に、自らの非を認め、心から反省懺悔して、不法占拠していた寺院を明け渡し、在家として陰ながら寺院の仕事を手伝い、謹慎生活を続けて今日まで勤めてまいりました。この様子を御法主上人猊下がお聞きになり、開創700年という慶祝の年に当たって、本人が心から前非を悔い、反省し、また、許されるなら是非、僧侶に復帰を願っている、という心を御覧あそばされて、大慈大悲を賜り、必要な手続きを経て、12月17日、特赦の措置をとられたのであります。二人とも、来る1月11日から、白衣小僧として当分の間、大坊に在勤修行の上、末寺へ所化として数年間在勤し、しかるのち、元の僧階に復帰を許されるという予定になっておりますので、皆様方にはよろしく御理解の上、もし本人にお会いの節は、暖かく励ましていただきたいことをお願いいたします。