田殿丹生神社 由緒
和歌山県 有田郡
有田川町（旧吉備町 旧田殿村）
御祭神
にゅうつひめのみこと
丹生都比売命（丹生大明神）天照大神の御妹神
おおなぐさひこのみこと
大名草彦命（高野大明神）丹生大明神の御子神
由緒
大神は、この神地、夏瀬の森へ御神幸になり、ここを中心として水銀の開発にお力を尽くされまた、農業を創始なされました。神功皇后や応神天皇は深く大神を御尊崇なされ、この時代に（今から約千六百年前）当神社の社殿が立派に建立せられました。その頃の夏瀬の森は、今よりはるか南の方にも拡がった大きな森で、有田川もずっと南の方を流れており、社殿はこの森の中にありました。
ところが、千年ほど前の平安朝の頃、大洪水のために現在の森はその北部の一角のみとなり、社殿もこの頃初めて白山の麓にうつされました。現在境内に奉安している御神木は、その頃の大洪水で土中深く埋もれた楠で、河川工事の際現われた
由緒深いものです。また、夏瀬神社の裏にそびえている楠の喬木は、足利義満公が金閣寺を建立する際に、天井の一枚板に使うために切り倒した切り株から生えた、ひこばえだとも言われております。
今から約九百年前、真言の僧玄蔵上人が神社の東の神谷に七堂伽藍、二十一坊を建て、神谷山最勝寺と名づけ両部神道によって奉仕されました。その後一時衰えかけたのを明恵上人によって再興せられましたが、豊臣氏の頃（今から約四百年前）遂に最勝寺は破却せられ、それ以後は再び唯一神道によって奉仕されています。以前、高野大明神が井口にてお祀りされていた時代があったため、丹生社を上の宮、高野社を下の宮と申しますが、現在では高野大明神は本殿（丹生社）にお祀り申しています。秋の例大祭には上の宮と下の宮（御旅所）との間の御渡りの祭祀が行なわれます。
田殿の里の氏神様は産業発展（農業、工業、商業）の神、開運の神、縁結の神として、人々に広く、深く信仰されています。
昭和３年、夏瀬の森は、本県史蹟名勝保存顕彰規定により史蹟として指定せられました。また平成17年、秋祭りの渡御、三面神楽、だんじり祭り囃子が、また、夏瀬の森のクスノキおよびカンザブロウノキ群落が吉備町（現有田川町）の文化財に指定されました。
境内社
夏瀬神社 （天照大神） ー有田川の畔ー
弁財天神社 （弁財天尊） ー有田川の畔ー
春日神社 ー瑞垣内の東側ー
田口 東山神社（國常立命）
水神社（罔象女神・日根藤六命）
大谷 豊玉神社（豊玉姫命） 水神社（罔象女神）
大賀畑 里神社（猿田彦命）
船坂 妙見神社（國常立命・大物主命）
長谷 八幡神社（大鷦鷯尊）
田角 天神社（菅原道真朝臣・姥明神）
常立神社（國常立命）八王子神社（八柱御子神）
井口 春日神社（天児屋根命）
吉備神社 ー瑞垣内の西側ー
井口 吉備神社（吉備大神）
許刀比羅神社（大穴牟遅命）
出 妙見神社（國常立命）
上中島 王子神社（不詳）許刀比羅神社（大穴牟遅命）
長田 國主神社（大國主命）水神社（罔象女神）
吉備名方濱神社（天照大神）
尾中 常立神社（國常立命）八幡神社（譽田別命）
楠森神社（不詳）
角 稲荷神社（倉稲魂命）
白山神社（菊理姫命） ー白山山頂ー
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