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我家の地下(自宅では 飼っていません)で、(あるじ)として君臨していた捨て猫のミーコが

死んでしまった。

ところで、私は 大の猫恐怖症。


ミーコも心得たもので、私が地下にいくと、私の身体すれすれを上手にすり抜けていく。

私もすっかりミーコになれて、声はかけるが触れることなく13年が過ぎた。

そんなミーコも1年に1度か2度、うっかり私の身体にしっぽがふれる事がある。

その時は、さあ大変。    私の悲鳴が そこら中に鳴り響く。 「ぎゃーーー」

                       結局、ミー子は 私に一度も なでてもらえず、
            
                        ()されてしまった。

                 ところが、我家の(あるじ)(私の主人)は、
          
                               もう、次の猫を飼う事を考えている。

自分は、猫のお陰で毎日癒されていたのだと言う。

「ミー子が死んで 生きがいが なくなった。」と 泣き落とし作戦である。

ある日、お風呂の壁にペタンコシールで猫の絵を書き、タマコと命名されている。

「次の猫より、冥福を祈るのが先じゃないの。」と言う私に、 

「猫は思い続けると その人間にとりついてしまう。

     古来から犬化けはないが 猫化けはある。」と言う。

なんと薄情な。   で、「タマコ 」「タマコ 」と、日々のたまう主人。

とうとう根負けした私は、「49日までパパがおとなしくしてたら 考える。」と、言ったとたんに、

猫を飼う許可が出たとばかり、私にお土産を買ってきて機嫌をとる。

「ほれ、車で食べるチューインガムや。」

翌日も、「ほれ もうひとつやるわ。 猫を飼うのを許してくれたから買ってきてやったで。

35日で忌やけにしようやないか。」

あーあ。まだ見ぬタマコに 「タマコ。タマコ。」そう言って ほくそ笑むパパにあきらめ顔の私。

それでも、「49日まで待て」と、言うと、 「猫は人間と違う。お寺に行って猫の49日があるか聞いてみい。」

だって。あほらし。