内耳の病気


メニエール病 メニエール病は、内リンパ嚢(のう)でのリンパ液の調節がうまくいかず、内耳にリンパ液が過剰にたまった(内リンパ水腫)結果、引き起こされる内耳全体の病気です。しかし、その原因はまだ分かっていません。めまいがすると、すぐメニエール病と診断をする人がいますが、メニエール病は内耳全体の病気です。

1)症状は?
 典型的なメニエール病では、天井がぐるぐるまわる回転性のめまいが誘因なく起こり、難聴や耳閉感、耳鳴りなどの聴覚症状を伴います。このような症状が反復するのが特徴です。しかし、めまいのないメニエール病(蝸牛型メニエール)や、耳の症状の起こらないメニエール病(前庭型メニエール)などの非典型的なタイプもあり、診断しにくいこともあります。

2)メニエール病発症の引き金は?
 メニエール病の原因は、最初に書いたように「内リンパ水腫」ですが、発作が起きるのは、寝不足や過労、そしてストレスが引き金になることが多いと言われています。
気をつけましょう。
3)治療は?
 ・心身の安静
 ・急性期の治療
   症状(めまい・吐き気・嘔吐)の改善につとめます。
     抗めまい剤・はきけ止め・精神安定剤・浸透圧利尿剤・点滴・ときにステロイド剤
 ・慢性期の治療
   内服療法
   食事療法・・・減塩食
 ・手術療法(症状がひどいとき)・・・内リンパ嚢解放術、内耳(迷路)破壊術、前庭神経切断  術
4)予防、日常生活は?
 メニエール病にかかる人は、どちらかというと、色白の、やや神経質な人が多く、物ごとにこだわる性格の人が多いようです。
毎朝ラジオ体操をしたり、週1回はスポーツで汗を流すなど、ストレスをうまく解消して気分転換をはかる、心身両面の健康管理が必要です。
メニエール病の場合、めまいを繰り返しても生命にかかわることはないですから、めまいと上手に付き合っていくことも必要ですが、進行性の形態を取ることもあり、めまい発作を繰り返すたびに症状が悪化することもありますので、放っておかずに根気よく治療してください。

突発性難聴 内耳が原因で起こる難聴で突然発症するものの代表選手です。
<診断基準>としては、
T.難聴
  1.ある日、ある時突然に起こる
  2.原因不明
  3.聞こえの神経が悪くなる
  4.聴力が良くなったり悪くなったりのくり返しがない
U.耳鳴りを伴うことが多い
V.めまいが起こることもある
W.他の脳神経症状は起こらない

簡単に言えば、「急に聴力が悪くなり、時に耳鳴り、めまいを伴い、多くは片側性で、高度な場合は殆ど聞こえなくなる。」という病気です。
原因は不明で、推定では、1.ウイルス感染説と 2.内耳循環障害説 などがあります。

治療はステロイドやビタミン投与、星状神経節ブロックなどがありますが、充分な安静休息が必要。
ごくまれに聴神経腫瘍が原因のことがあるので、MRI診断も重要。
一日も早い治療開始が必要です。

音響外傷