日時 平成8年7月27日〜7月30日
コース 広河原〜肩の小屋〜熊ノ平〜塩見岳〜三伏峠〜塩川
第1日(7月27日) 晴れ 肩の小屋愛で
私が膝を痛め山行を休んでいたので2年ぶりの
ロンウコースである。ちょっと心配ではあるが、
北岳までは登った事があるので、無理をせず
行くことにする。久しぶりTさんと合流するよう計画立てたが
会えなくとも気にしないよう伝えてある。
甲府からタクシーで広河原に着く。
つり橋を渡り山荘前に着くと
すでに早い人々は出発してしまい観光客が数人いるのみ。
身支度を整えいよいよ9:30登山開始。
樹林帯の中を左に堰堤を見ながら進む。
枝沢を渡ると白根御池と
大樺沢二股への分岐に出る。
左に行き途中大きな崩壊地を2箇所通過する。
付けられた道も狭くかなり緊張するが、無事通過し
暫く行くと沢が広がり北岳バットレスや雪渓が現れ、
格好の休憩地で大勢休んでいる。大休止。
お花畑の中を少し行くと二股の分岐に出る12:00着。
肩の小屋と八本歯と白根御池への道が分かれている。
今回は草すべりを採り肩の小屋に向かう。
あまりの晴天と久しぶりの山行でかなり疲れが出てくる。
ダケカンバの中の急騰が続きかなり参ってくる。
ようやく雪田に着く。遭難が有ったようで、
ヘリコプターが2機飛び交っている。
空を眺めながら大中止。
私の方が高山病の症状が出始める。
水分補給をし横になってうつらうつらしているうちに、
徐々に回復。良かった。
暫く歩くと今度は連れが同じような症状。またまた大休止。
救助活動も無事終わったようで静かになる。
お花畑の急騰もようやく終わり小太郎尾根に出る。
何とか辿りつけそうである。のろのろ歩きで4:15やっと
肩の小屋着。超満員で受付しても
小屋内に入ることすら出来ない。
7:30ようやく食事の順番が来る。
9:30寝場所が決まる。すぐ寝てしまった。
第2日(7月28日) 晴れ 熊の平小屋まで
5:10出発。今日も朝から暑い。
体調が悪ければ北岳から下山することにして
小屋の裏から急登に取り付く。ガスが多い風も強いが
それでも暑い。 6:00北岳山頂着。
ガスがあり展望はあまり利かないが、充分想像は出来る。
山頂から右に間の岳に向かう。ようやくガスが晴れてくる。
改めて北岳の大きさ、間の岳や農鳥の雄大さに
うっとりしてしまう。
急な下りを北岳山荘目指して下る。
山荘からは広い稜線を歩き少し登ると中白峰、
岩稜のアップダウンを繰り返し間の岳に着く。9:30。
眺めは雄大で長い仙塩尾根が続き熊の平、
そして其の奥に大きな塩見岳が続く。
なんとも長い行程があり不安もあるが、
今日は体調も良くなり
何よりも山の感覚が戻ってきた気がする。
先に進むことにして三峰岳へ向かう。11:30着。
長い仙塩尾根をTさんは
「どの辺りを歩いているかしら?」と思い再会に
胸が躍る。
岩礫の歩きにくい道を進み三峰岳の分岐を下ると、
後は熊ノ平目指しお花畑の中を下る。
三国平を過ぎ農鳥への分岐を見送りダケカンバ帯を
過ぎるとお花畑となり水音もして
小屋の近い事が伺えほっとする。
1:40熊の平小屋着。すでにTさんは到着していて
笑顔で迎えてくださる。
2年ぶりの再会に話は尽きない。
Tさんと同じコースを来た同行者も加わり
山の話で盛り上がる。
この小屋のオーナーの奥さんが外国人で可愛い
子供さんがいてアットホームな小屋である。
朝食はパンを注文する。手作りパンは
美味しいので有名である。
第3日(7月29日) 晴れ 三伏小屋まで
5:15出発。今日も暑そうである。
小屋前でオーナー達と写真を撮らせて頂いているうちに、
Tさん初め新たにお知り合いになった人々は
皆出発してしまった。
毎度の事ながら最終の出発。
明るい樹林帯と足元の花々を楽しみながら進む。
アップダウンが激しくかなり参る。
コブを越すごとに塩見岳が大きくなり元気が出る。
砂礫の急登をやっとのこと上ると蝙蝠岳への道が見え、
もうひと頑張りでようやく塩見岳の山頂に着く。
11:40.すでに先発隊は昼食も済んでいた
「お疲れ様」と熱いお茶を下さる。
格段の美味しさである。
Tさんと私達は塩見小屋泊りを予定してきたが、
未だ時間が有るから三伏迄行こうと誘われる。
ここからは荒川三山の山々そして白峰三山、
蝙蝠岳へと
長く雄大な道が続き素晴らしい眺めである。
山頂からはガレた急な下り下緊張する。
北アルプスなら当然鎖がありそうな所だが何もない。
天狗岩を通過しハイマツ帯に下りようや緊張が解ける。
下でTさんが笑顔で待っていてくださる。
危険な場所なので、気遣ってくださり、感謝する。
1:00塩見小屋着。水を買おうと思ったが断られる。
ジュースを買って喉を潤し、やはり三伏迄下ることにする。
Tさんと一緒に出発したのにすぐ差が出来てしまう。
林の中を本谷山を目指す。
さほどのアップダウンではないが
疲れた足はなかなかはかどらず、遅れるばかりである。
塩見新道を左に入りシラビソの林になる。
休んでいた人に本谷山はもうすぐと知らされ
少し元気が出てくる。遠くに雷の音が聞こえ不安になる。
急ぐことにシ歩き始めるがはかどらず2:30
ようやくピークに着く。
すでに皆行ってしまい二人だけである。
雷の音に追かけられるように先お急ぐ。
足元の花を眺める余裕さえない。
樹林に入ると暗く感じる。雨がぱらつく。
気持ちはあせるが足は動かない。何とかカッパを
着るほどにはならず4:30三伏峠小屋に着く。
先着者にお疲れ様と迎えられる。
30分も早く着いたとの事。夜半になり本格的な雨となる。
第4日(7月30日) 晴れ 塩川土場・帰宅
雨はすっかり上がり快晴。
お花畑から塩見岳に別れを告げ5:00出発。
皆にバスは「9:00だよ」と念を押され歩き始めるが、
すぐ置いていかれる。
私が下りを上手に歩けず遅れるばかり。
急な下りをひたすら下る。膝に来ないようなるべく
止まらずゆっくり下る。原生林の中をどんどん下り、
水場を過ぎ、さらに下るとようやく水無川に出る。
休憩している皆に会う。やれやれ一安心。
何日も一緒に行動したので離れがたい。
唐松林を抜け塩川沿いを下る。
そのうち一人が膝を痛め遅れ始める。
私達と丁度良いペース。おしゃべりしながら歩く。
今回の山行もそろそろ終わりである。
又どこかの山で会いましょうなど行っているうちに
バス停に出た。7:50着。
皆につられ思ったより早く歩けた。
8:30の臨時バスで伊奈大島に出る。
町営の温泉施設清流苑で入浴。
ここで今回のグループ解散。
帰路が同じのTさんと温泉に入り食事をし
お土産をかって岡谷に出る
久しぶりの山行の上ロングコースで大変疲れたが、
天候に恵まれTさんにも会え、
その上良い仲間とめぐりあい、
南アルプスの最深部を縦走できたことが何よりだった。
6:30帰宅