穂高縦走コース
日時 1992年8月8日〜8月12日
コース 上高地〜涸沢〜北穂岳〜奥穂高岳〜前穂高岳〜岳沢〜上高地
第1日目(8月8日) 曇り後雨 横尾山荘まで
上高地に上がるバスの運転手さんが
「先ほど物凄い雨が降った」と話していた。
乗客のほとんどが登山者だが皆仕方がないといった感じで聞いている。
12:10上高地着。昼食を済ませ出発する。
今日は横尾山荘までなので雨の中でもさほど心配ない。
小梨平まで来ると物凄い雨。慌ててカッパを着る。
その後降ったり止んだり不安定。4:00横尾山荘着。
小屋は超満員。6畳に6人だが混んでいる割にはまづまづである。
第2日目(8月9日) 雨後晴 涸沢小屋まで
台風のため昨夜から風雨収まらず、
小屋からも少し様子を見るように言われる。
玄関も休憩室も登山者で溢れている。
9時を過ぎると風も収まり雨も小降りになってくる。
それそれ出発していく。10時我々も出発。横尾橋を渡るとすぐ樹林の中が
沼のようになっている。
石や倒木の上を歩くようにする。本谷橋まで来る。雨で流れがかなり大きい。
その上水が滝のごとく流れてきたり、かなり苦労する、
ナナカマドや高山植物が目を楽しませてくれるようになり、
天候も回復し足取りも軽くなる。涸沢カールが見えてくる。
素晴らしい眺め!!色とりどりのテントの中を突っ切り、
今日の宿涸沢小屋に1:30着。超満員。
皆びしょびしょになり続々と到着。最終2畳に6人となる。
第3日目(8月10日) 快晴 北穂小屋まで
6:30出発。
ショートコースなのでゆっくり出ようと思ったが、皆につられ早立ち。
下から見るほどでもなく岩につかまりながら、かなり高度を稼ぐ。
時々大岩に腰を下ろし穂高や涸沢カールを眺め、
その雄大さや大自然の真っ只中にいることを実感し、感激する。
南稜の鎖場も無事登り切り分岐に出る。あと一登りで北穂山頂だが、
深い谷へと切れ落ち、登山道にはかなり雪が残っているので、
緊張し慎重に歩く。10:40山頂に着く。
槍がよく見える。憧れの槍だがさすがにどこから見ても美しく崇高である。
槍へ向かう大キレットの険しさもよく見え、
技術を磨き挑戦したいと登高意欲がわく。
いつまで眺めていても見飽きることがない。
意を決して宿泊手続きのため小屋に向かう。
11:30早いチェックイン。荷物の整理を済ませテラスでラーメンの昼食。
山々に囲まれこんな贅沢な事はない。
1時間もすると滝谷に雲が沸いてくる。陽射しもなくなりかなり寒くなる。
今夜も超満員。
廊下・食堂・玄関にも人が寝ている始末である。
夕食は評判通りクラシック音楽を聴きながら、
おいしいポークステーキを頂く。
オーナーは混雑しているのを恐縮し謝っていた。
しかし私たちは文句はない。テントや食料を背負って歩ける体力がなく、
小屋を頼りに登山を楽しんでいるものには、空いているのが良いのは
当たり前だが、この時期しか登れない山に来るのだから。
殺到するのは覚悟の上である。
第4日目(8月11日) ガス 穂高山荘まで
非常にガスが濃い。ショートコースだが危険なコースなので暫く様子を見る。
7:00ガスも大分薄くなったので
出発。昨日通った分岐まで戻る。雪の道なので慎重に歩く。
分岐から涸沢槍を目指す。
いよいよ今回のメインコースに取り付く。
ガスが晴れてきて涸沢側滝谷側と渡るたびにその谷の深さに恐怖を感じる。
今にも崩れそうなざくざくの道を緊張し歩く。
梯子と鎖を何回か超えようやく涸沢槍に着く。
風非常に強くその上又ガスが出てくる。
山頂は立ち上がるのは危険で立てない。
ガスが飛ばされ見える景色は両側切れ落ち怖くなる。
早々に前方に見える穂高山荘目指し下る。11:00着。今日も超満員との事。
早着なので窓側が取れる。
窓から穂高岳に取り付く梯子が見え大勢が上り下りしている。
ジャンダルムの方をみると西穂を超えてきた人が疲れた歩みで
一人二人と小屋を目指してくる。
このコースは私たちには到底無理と思いながら眺めている。
第5日目(8月12日) 曇 上高地に下山
昨日にもましてガスが深い。昨夜大雨だったので雨は心配ないと思う。
6:10出発。
小屋前からすぐ梯子と急な登りだがすぐ奥穂高岳山頂に着く。
まだ時間が早かったので大した渋滞もなくよかった。
360度の展望は申し分なし。
ゆっくり楽しむ。登山道に下りいよいよ吊り尾根に取り付く。
最新の注意をし水平道を通過し最低鞍部に下りる。
雨がポツポツ落ちてくる。まだカッパを着るほどでもないので先を急ぐ。
前穂の登り口に数人休んでいる。
すでに登って来た人これからの人迷っている人とさまざまである。
ガスはますます濃く雨も心配なので前穂は諦め、先を急ぐ。
8:45紀美子平着。そこは一枚岩の下りで転落事故の多い所である。
気を引き締めて鎖を頼りに無事通過する。
重太郎新道の下りは聞きしに勝る厳しさである。
カモシカのお立ち台まで来ると
サーとガスが晴れ撮影チャンス。厳しい道が続き疲れてくるが、
時折眼下に上高地の宿や梓川の流れが見渡せ元気付けられる。
11:45岳沢ヒュッテ着。 雨が降り出したので先を急ぐ。
2:10ようやく上高地着。
すぐタクシーの客引きが寄ってきて相乗り成立。
松本へ出て浅間温泉に泊まる
どの小屋も超満員でお天気もあまり良くなかったが
スリリングで楽しい山行だった。