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テキスト ボックス: 改 正 情 報NO.1テキスト ボックス: 平成19年4月1日施行

荒 社会保険労務士 行政書士事務所 社労士 荒 千鶴   所在地 札幌市 北区

厚生年金(共済年金)の離婚分割のしくみ

妻に厚生年金加入期間がなく65歳支給開始の場合                          夫の報酬比例部分の婚姻期間相当分の最大で1/2まで
年金が分割されるのは請求するとすぐ分割されるのではなく、妻自身の支給開始年齢から加算される。                              

丘珠獅子舞

平成19年4月にスタートする離婚時の年金の分割は、近年の中高齢者等の離婚件数の増加により、離婚後の年金受給額の格差を解消しようとする目的により導入されたものである。

1.制度の概要

 平成19年4月1日以後に離婚する方が対象であり、分割してもらう側は離婚の申し立て等をして調停証書、公正証書等の書類にもとづきはじめて分割されるのであり、婚姻している人は分割請求できません。

 分割される側の全部の厚生年金加入期間の分割ではなく、婚姻期間中相当分の分割である。

  厚生年金又は共済年金の(報酬比例部分)分割で、国民年金(分割される方)にのみ加入したかたは対象外である。

 19年4月にスタートする合意分割も、20年4月にスタートする3号分割も、本人(分割してもらう方)に受給資格がないと分割請求はできない

 合意分割及び3号分割は、分割後は元の配偶者の死亡、意思等に影響されることはなく、本人が死亡するまで又は再婚しても本人の権利として受給できる画期的な制度である。(離婚による財産分与は元の配偶者の死亡、意思に左右される。)

2.分割のイメージ

「離婚したら半分の年金が受給できる」は大きな間違いです。上記にあるように夫婦の婚姻期間中の報酬比例部分の合算額の1/2まで分割が可能ということであり、協議・調停・判決によっても分割の割合は変わってきます。


  
                         


3.手続き

分割の請求手続を行うときは、離婚成立後2年内(例外規定あり)社会保険事務所に分割請求を行います。添付書類として分割割合について協議離婚による場合は当事者間の合意内容が記載された公正証書又は公証人の認証を受けた私署証書、家事審判の場合は審判書と審判が確定したことを証する書類、家事調停の場合は調停証書、人事訴訟の場合は判決書と判決が確定したことを証する書類、按分割合について訴訟上の和解が成立したときは和解調書を各々添付する。

(1)添付書類

 

@ 当事者の年金手帳など

A 離婚又は婚姻の取り消しについてその婚姻期間を明らかにすることができる書類

B 事実婚の解消による請求の場合は、その事実婚を明らかにすることができる書類

C 婚姻関係の前から事実婚にある当事者の場合は、それを明らかにすることができる書類

D 当事者の生存を明らかにすることができる書類(1月以内に作成されたもの)

E 当事者の一方が死亡した後に分割改定の請求をする場合は、その死亡日を明らかにすることができる書類

F 按分割合を定めた書類(公正証書・私署証書、確定審判・調停証書・確定判決・和解調書の謄本又は抄本)

4.情報提供

平成18年10月より、当事者は按分割合を定めるために社会保険庁に対して年金の情報提供の請求を行うことができる。

1)情報提供の内容

 

@ 分割の対象期間

A 対象期間標準報酬総額(再評価後の標準報酬総額の合計)

B 第1号改定者(分割される方)と第2号改定者(分割してもらう方)の氏名

C 按分割合の範囲

D その他必要な情報

2)請求者

 

@ 離婚する当事者双方又は一方から請求できる。(離婚前、離婚後どちらでも請求
可能。
)

A 離婚前の請求であって、婚姻関係にある一方からの単独請求の場合は、請求していないもう一方に対しては通知しない。

B 離婚後の請求であって当事者一方からの単独請求の場合は、請求していないもう
一方に対しても通知する。

3情報提供の請求に必要な書類

 

@ 請求者自身の年金手帳

A 戸籍謄本又は抄本(事実婚の場合は、これを明らかにする書類)

4)情報提供の再請求

 

@ 標準報酬の分割後、離婚後2年を経過したときには情報提供の請求を行うことができない。

A 一度情報提供を請求した場合は、それから3ヶ月を経過しないと再請求をすることはできない。(但し、種別変更したとき・養育特例の申請をしたとき・3号未届けの届出をしたとき等の例外がある。)

.みなし被保険者期間(分割によって得た期間)

19年4月からの離婚時みなし被保険者期間、20年4月からの被扶養配偶者みなし被保険者期間は本人の資格期間にはカウントされない

 

@ 老齢基礎年金の受給資格期間や老齢厚生年金の加給年金の要件に含めない。

A 被用者年金制度への加入期間2024年という受給資格要件に含めない。

B 中高齢の特例による1516年という受給資格要件に含めない。

C 特別支給の老齢厚生年金の要件である1年以上の厚生年金の被保険者期間に含めない。

D 報酬比例の年金額の計算にのみ反映する。(定額部分、経過的加算、基礎年金額の計算の基礎としない。)

E 在職老齢厚生年金の計算での標準賞与額は、離婚前の一方の高い標準賞与額支給停止額が高くなることを防ぐため、分割前の標準賞与額とする。

F 障害厚生年金の要件である、初診日に厚生年金の被保険者である、ということに該当しない。

G 障害や遺族における保険料納付要件のための期間に含めない。

H 60歳代前半の老齢厚生年金の満額支給の長期要件である44年以上には含めない。

I 外国人の脱退一時金の要件である6ヶ月以上の被保険者期間に含めない。

J 長期要件の遺族厚生年金には算入する。

 : 老齢厚生年金の受給資格がある女性が、離婚分割によって10年のみなし被保険者期間があって死亡したときで、子がいる場合、その子は遺族基礎年金と
10年分の遺族厚生年金が受給可能となる。

K 夫が障害厚生年金の受給権者である場合で、かつ分割対象期間がその年金額の基礎となっている場合でも合意分割はできるが、3号分割はできない。

L 分割を受ける妻が障害厚生年金の受給権者である場合は、合意分割、3号分割ともできる。ただし、みなし被保険者期間は、300月みなしの障害厚生年金の基礎としない。

6.3号分割について

 平成20年4月1日以降に離婚した人、配偶者の所在が長期にわたって不明な人が対象となる。期間についても平成20年4月1日以降の第3号被保険者期間に対応する期間で分割割合は1/2である。合意分割と違う点は、合意は必要なく社会保険事務所への請求手続きのみである。(2年という離婚後の請求期限もない。)