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乳がん体験記、乗り越えて今がある

  次は誰かの支えに

手術年齢 50歳 


 わたしは今(2017年11月)から3年10ヶ月前に乳がんと分かりました。
 もともと乳房に嚢胞があり、その頃いつもより胸の張りが強く腕を持ち上げると痛みがあったのです。『嚢胞にたまっている水を抜いてもらう』くらいの気持ちで検診に行きました。
 病院ではエコーで何度も丁寧に診てくださり”がん”を疑うものを見つけてもらうことができ、その場で針生検をして頂きました。
 結果は2週間後のクリスマス。恐る恐る病院に結果を聞きに行くと、
”グレーゾーン”…。はっきりとはがんとは言い切れない状態なので、もっと詳しく検査をするとのことでした。
 そして年を越し、お正月を複雑な気持ちを抱えたまま過ごし前回の結果から2週間が経ち病院に行くと、残念ながら乳がんでした。
 グレーゾーンと聞いていたので気持ちは半分半分でしたので、意外と冷静でいて、10日後にある息子のセンター試験の足を引っぱらないか、と気をもんだのを覚えています。

                         
 1ヶ月後、右乳房全摘手術を受けました。
 CTやMRI、マンモグラフィなどの検査ではがんはあまり大きく映っていなかったのに、3.8㎝の大きさでリンパ節への転移もありました。
 乳がんのタイプはホルモン受容体がプラス、HERⅡはマイナスでホルモン治療だけでいいということでしたが、Ki67がやや高めということで抗がん剤TC療法を3週間ごとに4回受けました。
 抗がん剤の副作用は人それぞれだと思いますが、私の場合1回目の投与後に手のひらの皮がめくれたので、2回目からはアイスグローブをはめて抗がん剤を投与してもらったので少しずつ治っていきました。
 また、口内炎ができたり味覚障害になったりして食事の量が減っていたのか毎月1kgずつ痩せていき髪の毛も抜け落ちたので、お風呂に入り鏡に映る自分の姿に随分と落ち込みました。
 それから術後半年程して、今度は腕が上げづらくなったのでどうなるのかと心配になりましたが、ちょうどその頃にリンパマッサージの講習会に参加する機会があり、マサージのやり方を教わりお風呂で体を洗う時に石鹸がついている状態で簡単にですが毎日リンパマッサージを続けることで、徐々に腕が上がるようになりました。今も続けていて、浮腫にならないように気を付けています。
 こんな感じで辛いこともありましたが、支えてくれる家族や友人たち、そして患者会の元気な皆さんのお蔭で今日まで乗り越えられてきたと思います。
 今まで健康でいて何事も当たり前に過ごせると思っていましたが、がんになって生かされている喜び、一日一日が大切だということがわかりました。
 クリスマスやお正月を元気で何も心配することなく迎えられることが、心の底から有難いと思って過ごしています。
 私には3人の息子がいますが、それぞれが結婚してお嫁さんにバトンを渡すまでは何が何でも生きたいと、がんと分かった時は強く思いました。
 術後不安でいっぱいな時、元気にされている患者会の皆さんに会い『私もこんな風に生きられるかも、1年先2年先があるんだ』と励まされたものです。
 今年はがんのピアサポーターの研修を受けたのですが、がん患者になったからこそ分かる悩み苦しみをサポートしていけたらと思っています。
 何かしら誰かの支えになれることが、これからの私の目標です。
 微力ではありますが…。