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乳がん体験記、乗り越えて今がある

 若年性乳がんを乗り越えて


 

乳がん患者サロン・スイートピー  副代表:中井 薫

『この子たちが20歳になるまで生きられないかもしれない』
乳がんの告知を受けたときに、真っ先に思い浮かんだ気持だった。
長女は小学校に入学、次女は幼稚園に入園した4月のことで、33歳での発病だった。
入浴時に、いつもの乳腺の痛みと、押さえてもなくならない「しこり」があった。

近くの総合病院の外科を受診し、生検でがん細胞が検出された。
5月の連休明けに左乳房全摘手術、リンパ郭清術をうけた。
腫瘍の大きさは2p以下だったが、リンパ節に転移があり、ステージはU期a、ホルモン受容体は(+)、種類は硬癌と診断された。
しこり自体は小さかったのに、リンパ節に転移があったことがとてもショックだった。
その後、放射線治療と抗がん剤の服用(5Fu)、ホルモン剤の内服(ノルバデックス)注射(リューブリン)を3年程おこなった。
もう少し治療を続けたかったが、薬物性の肝炎をおこし、仕方なく内服を中止した。

その後は、娘たちの学校の行事や雑用に追われていたせいか、ホルモン治療の副作用である顔面紅潮など更年期障害のような症状もなんとかごまかしながら、乗り越えてきた。
ただ、自分がなぜがんになったのか、いろいろな本を読み講演を聴き、考えた。
それからは、生活面では無理をしないこと、食事面では、できるだけ野菜を摂取することを心がけるようにした。
あっという間に18年が過ぎた。
娘たちは大学生になり、成人式も無事に祝うことができた