矯正治療中に起こりうる危険性について

   矯正治療中には以下のようなことが起こりうる危険性があります。
  矯正治療を希望される方は参考にしてください。

  危険性は大きく分けて、二つのグループに分けることができます。
  ひとつは、患者さんの努力で防ぐことができること。
  もうひとつが、患者さんには不可抗力のこと、です。


 患者さんの努力で防ぐことのできる危険性

  1 歯ブラシをきちんとせず、口の中の衛生状態が悪いと、
    虫歯や脱灰(歯の表面からカルシウムが抜けて白く濁った状態。
    軽度の虫歯とも言えます)になります。
    また、歯茎が腫れる歯肉炎や、さらに重篤な歯周病になる
    危険性も高くなります。

  2 患者さんが、食べてはいけないお菓子を食べたり、
    矯正装置を指でいじるなど、禁止事項を守らないと、
    矯正装置が壊れて口の中に大けがをする原因になります。

  3 患者さんや保護者の方が、ドクターに非協力的で、
    自分勝手な判断や行動をとられると、治療期間が長引いたり、
    思わしくない治療結果を招く原因になります。

  4 喫煙者は非喫煙者に比べて歯の移動スピードが遅いため、
    治療期間が長くなる傾向があります。
    したがって、それだけ虫歯や歯周疾患になるリスクは高くなります。

  5 矯正治療が終了した後、保定装置をきちんと使用し続けないと、
    後戻りや、歯列に乱れが生じます。


 患者さんには不可抗力な危険性
  (発症する確率は低く、しばしば起きるものではありません。)

  1 歯根吸収が起きることがあります。
      歯根吸収とは、歯に加わった矯正力に負けて歯根が吸収され
      短くなる症状を言います。
      短くなった歯根は、残念ながら元には戻りません。
      同じ力を加えても、人によって吸収を起こす人と起こさない人が
      います。(感受性、閾値の違い)
      したがって、あらかじめ危険を予測することは困難です。
      歯根吸収が起きても、ほんの少し(数mm)でしたらほとんど問題は
      ありません。
      大幅な吸収が起きた場合でもすぐにその歯が抜けてしまう訳では
      ありません。
      ただし、将来もしその部分が歯周病になってしまうと歯根の長さが
      短い分、歯の寿命は短くなります。

                                   トップページへ戻る