夏期合宿 名古屋市交通局 日進工場 2018年8月10日()

堀田駅−(名市交名城線)−八事駅−(名市交鶴舞線)−赤池駅…レトロでんしゃ館・見学…名古屋市交通局日進工場・取材…赤池駅−(名市交鶴舞線)−伏見駅−(名市交東山線)−名古屋駅



レトロ・電車館で名古屋の市電や地下鉄について学んだ後、レトロ・市電保存館に隣接してある日進工場を取材しました。日清工場は、名古屋市営地下鉄鶴舞線・桜通線の全般検査・重要部検査・月検査・列車検査・臨時検査・改造工事を行っています。



最初にレトロ・電車館に展示されている圧力車輪と弾性車輪について解説されました。車輪の一部にゴムを使用し、車内をより静かにするための工夫です。



次に、日進工場に入り、修車工場を見学しました。電車の検査は2128日工程で行われます。台車や電気制御器などの整備が行われます。台車や車輪は、高圧洗浄機で洗浄されます。4年に1度は手洗いも行われます。



磁粉探傷機では発見できない台車、車輪や車軸、各部品の傷を、目視と打音で確認します。名古屋市営地下鉄は、名鉄犬山線、豊田線と相互乗り入れをしています。名鉄車両が地下鉄線内でトラブルを起こした時も、故障対応をしています。



圧力プレスを用いて車軸を車輪にはめます。タイヤは1枚
16万円です。ブレーキシューを用いた踏面ブレーキも行いますが、今は電気ブレーキが主力です。東山線や名城線では、ディスクブレーキが採用されています。台車の空気バネの中の気圧は、自動制御されています。



桜通線の徳重駅に地下点検ピットがあり、大幸に名城線の車両基地があります。丸の内駅に東山線と鶴舞線を結ぶ連絡路があり、各車両を日進工場へ運べるようにしてあります。黄電、名古屋市営地下鉄開業時に導入された100形は、75馬力の直流モータを採用しています。現在の地下鉄車両は交流モータを使用しています。



本日、車体検査場にある車両は、
61536253635367536853号車です。将来、3両増結して8両編成にすることに備えての編成です。



床下には
ATC(Automatic Train Control 自動列車制御装置)の受電器が備えられています。かつてATO(Automatic Train Operation 自動列車運転装置)を導入した時、スムーズな運転が出来る様になるまで、不具合の対応に追われました。自宅で寝ている時も会社からの呼び出しに備えて、携帯電話を肌身離しませんでしたとのこと。



車体検査場には、
30tの車体を吊り上げられる天井走行クレーンがあります。車体の床下に受けがあり、吊り上げられ検査台に乗せられます。安全のため、天井走行クレーンを運転しない日に限り、一般の人が工場を見学する様にしています。ただし、いづれ行われる名古屋市交通局開業100周年記念イベントでは、天井走行クレーンの運転を見学が出来るかもしれない。



車体の側面には赤ランプが付いています。扉が
15mm以上開くとランプが点灯します。扉が10mm以上空いていると発車出来な仕組みになっています。ベビーカーのパイプの太さも規格が決められていて、これに対応しています。



東山線や桜通線では、ホームゲートを備え付け、自動運転を始めたので、ホームゲートが閉まっていても、お客さんが何線か分かる様に車体に施されたカラーのラインを上側に増やしました。車内と乗務員室が通話できるようになっていますが、乗務員からの応答が10秒ないと、自動に指令室に連絡がいきます。



電車には蓄電池が備わっています。蓄電池は、パンタグラフの上げ下げをはじめ、インバータの始動など電車を運転し始める際に必要です。



パンタグラフはバネの力で架線を保護するためにゆっくり上がります。



架線は過密ダイヤに備え、2本の鋼体架線からなります。パンタグラフを下げるスイッチは重く設定されています。



電車には密着連結器が備えられ、架線のない工場にディーゼルカーで牽引されます。




検査が終わると40km/hで走行しデータを取ります。鶴舞線・桜通線で試運転をし、営業運転に入ります。各車両、故障の無い様に点検をし、1編成の予備車で対応しています。新型車両の形式、N1000形、N3000形のNは、名古屋・新しい・次世代を表しています。



現在、地下鉄車両1編成9億円、1両
1.5億円ですが、1両12030人乗車でき、1日の走行距離と使用年数を計算すると、利用効率が凄く高い。市営バスは1台1700万円です。名古屋市の人口は270万人です。名古屋市営地下鉄の1日利用客は131万、名古屋市営バスの1日利用客は34万人で1日に名古屋市の総人口の7割が利用しています。1日で市営地下鉄全列車は19km、市バスは全車両あわせて10kmを走っています。



地中の奥深くのトンネルを掘り進む場合、シールドマシーンを使います。クレーンで各パーツを地下に降ろし、地下で組み立てます。カッター部分は重量60tで、25億円します。1m掘り進むのに1000万円かかります。1日5〜6m掘り進みます。



東山線と名城線・名港線は、軌間は広軌、集電方式は第三軌条方式、電圧は直流
600Vです。鶴舞線・桜通線・上飯田線は、軌間は狭軌、集電方式は架空線式、電圧は1500Vです。初期に建設された東山線、名城線はトンネルのコンパクト化のために第三軌条方式、第三軌条方式を採用するために広軌とされました。鶴舞線や上飯田線は名古屋鉄道と相互乗り入れをするために狭軌、架空線式となりました。名城線は世界で8番目に誕生した地下鉄の環状線です。



今日の取材では、名古屋市交通局の方に、名古屋市営地下鉄の概要と日進工場の役割について詳しく案内していただき、大変勉強になりました。部員たちは、名古屋市営地下鉄の概要と日進工場の施設と役割について熱心に取材をしました。後日、取材内容を詳しくまとめ、9月29()30()に開催される日学祭にて展示発表をします。



高2C組 トミー 日進工場
工場では「全般検査」、「重要部検査」、「月検査」、「列車検査」、「臨時検査」、「改造工事」が行われる。修車工場では主に「全般検査」と「重要部検査」を行なっている。
「全般検査」は8年を超えない期間ごとに、車両の主要な部分を取り外して、徹底的にオーバーホールを行なう最高の検査「重要部検査」は4年または走行距離が60kmを超えない期間のいずれか短い期間ごとに、車両の主要部分を解体して行う検査検査の工程は入場→分離→組成→総合検査→試運転→出場となっている
入場 工場に電車が入場する。
分離 電車を一両づつに分け、クレーンを使って台車と車体に分ける。
組成 それぞれの部品や装置の点検整備が終了すると組成です。台車に車体を乗せ、空気配管や電気連結栓などをつなぎ電車として完成させる。
総合検査 組成が終わった電車に電源を入れ、各装置が間違いなく接続されているかなどを総合的に試験する。この試験はコンピュータや人の目、耳、手で確認されている。
試運転 総合検査が終了した電車を実際に走行させて加速度、減速度が定められた値に合っているか、また異常な音や、発熱が、ないかなどを確認する。試運転はATOが導入されている少ない回数で済むそうです。
出場 各種試験に合格すると、営業運転に使用されます。



高2B組 高神の剣凪 名古屋市交通局日進工場
日進工場は,鶴舞線の終点,赤池駅の先に設けられた車両基地です。鶴舞線車両の150両のみならず、桜通線車両の120両のメンテナンスも一手に引き受けます。名古屋市のはずれに位置する、交通局最大規模の工場です。地下鉄鶴舞線の終点の先、地上に出た場所にある日進工場です。住所は名古屋市東部の日進市に位置します。昭和5310月の鶴舞線八事駅〜赤池駅延伸開業に先立ち、4月1日に開設されました。鶴舞線唯一の車両基地であり、鶴舞線車両150両の全ての保守管理を担っています。これに加え、修車設備を持たない桜通線車両120両の重検査も行っています。工場設備や列検設備はもちろん、20m車8両組成に対応する広大な留置線群を持ち、敷地面積では東山線の藤が丘工場を抜いて一番の広さを誇ります。赤池駅を出発した名鉄豊田線列車は、敷地の中央を高架線で横断するため、車内から車両基地が一望出来ます。また同じ敷地内に「レトロでんしゃ館」があります。