一畑電車に乗って出雲大社へ 2017年8月3日()

出雲市駅―(一畑電鉄)―出雲大社前・見学―(一畑電鉄)―松江しんじ湖温泉



出雲市駅から一畑電車に乗り、出雲大社前駅へ行きました。



一畑電車は、北松江線・大社線の2路線を運営しています。社名は、出雲市にある一畑寺(一畑薬師)への参詣者輸送を目的に鉄道を建設したことに由来します。



出雲市駅を出発してから、川跡駅で大社線出雲大社前行きに乗り換えました。



川跡駅は、北松江線と大社線との接続駅です。殆どの列車が川跡駅で相互接続を行うようにダイヤが組まれています。



出雲市行き、松江しんじ湖温泉行き、出雲大社前行きの各列車が接続する時には、島式ホーム2面4線の地上駅の3つのホームを、構内踏切を通って乗り換えられます。出雲大社前方には側線があります。



大社線は、川跡駅と出雲大社前駅を結ぶ路線です。1990年にJR大社線が廃止され、出雲大社に行く唯一の鉄道路線となりました。



ワンマン化後はワンマン化改造されたデハ1形3・6が大社線専用として運用していました。



1994年以降一畑電車の近代化が進むと、これらの車両は定期運用に就く最後の旧型車両となっていたが、それも1998年に終わりました。



私たちは、出雲大社前駅で一休みしました。出雲大社前駅は、1930年に開業した出雲大社の最寄駅です。



頭端式ホーム1面2線がある地上駅です。駅舎は西洋建築で、ステンドグラス風の窓がはめこまれています。



1996年に国の登録有形文化財建造物として登録されました。また2009年には経済産業省より「近代化産業遺産群」の一つとして近代化産業遺産に認定されています。かつては駅舎の中央上部に塔がありました。



私たちは、出雲大社駅に保存されているデハ二50を撮影しました。



デハニ50は、1928年にクハ4として製造されましたが、翌年には電装化を行いデハニ52に変更されました。2009年のさよなら運転以降、営業用として本線を走ることは無くなりましたが、現在でも車籍が残されています。



この電車は、映画「RAILWAYS」のロケに使用されました。客室と荷物室、運転室の仕切りも残されています。運転台も見学出来ます。



出雲大社駅を見学した後、一畑電車に乗り、松江しんじ湖温泉駅へ向かいました。



途中、川跡駅の乗り換えで、京王5000系のリバイバル塗色車を撮影し、雲州平田駅で車庫、一畑口駅ではスイッチバック方式の駅を撮影しました。湖遊館新駅から終点の松江しんじ湖温泉駅までの間、車窓の左手に宍道湖の雄大な景色が続きました。



北松江線は、電鉄出雲市駅と松江しんじ湖温泉駅を結ぶ鉄道路線です。路線名は、松江しんじ湖温泉駅がかつて北松江駅と称していたことにちなみます。



一畑薬師への参拝客の輸送を目的として建設された路線で、それまで陸路を辿るか、船で小境灘(現在の一畑口駅付近の地名)へ渡るしかなかった一畑薬師への参拝を便利にしました。



戦前には一畑口駅から薬師のふもとにあった一畑駅まで線路があり、一畑薬師への参拝路線となっていました。一畑口駅―一畑駅間は太平洋戦争末期に不要不急路線として休止になり、この区間のレールが名古屋鉄道に供出されました。この区間が戦後に復活しなかったので、一畑駅は平地にもかかわらずスイッチバック式という配線となりました。



現在、一畑口駅でバスに連絡して一畑薬師へ参拝に行けます。



北松江線は、松江方面への延伸を機に全線が電化されましたが、電化に前後して導入されたデハ1形やデハニ50形はその後も使用され、これに他社線から譲渡された車両が加わって多数の旧型車両が走りました。



1993年の欠損補助制度が実質的に打ち切られるにあたり、一畑電気鉄道(現在の一畑電車)は近代化補助制度を活用して存続を図ることとなり、その結果として南海や京王の払い下げ車両が大量に入線し、旧型車が廃止となり始めました。



1997年には北松江線の車両近代化が完了し、イベント用として最後まで残っていたデハニ5052号・53号も2009年に運転を終了しました。



高2B組 タクヤ 一畑電車
7000
一畑電車として86年ぶりとなる新造車両で JR四国の7000系をベースに、電気機器はJR西日本225系を流用することでコスト削減が図られています。保有車両としては最大長の車体はステンレス鋼体を採用し、一般公募により、白を基調とした車体に「出雲の風景」をデザインテーマとしたフルラッピングが施されました。座席配置は2人掛けボックス席とロングシートをセミクロス配置とすることで、地元客・観光客どちらでも対応でき、扉への点字シール、中間部への車椅子スペースの設置、さらに英語表記対応などを取り入れ利便性を高めています。その他VVVFインバーター制御、回生ブレーキ、LED照明などの採用になり、使用電力の削減を図ることでコスト・環境負荷の軽減を図っています。
1000
元東急電鉄 1000系です。1988年〜2013年まで、東急電鉄・東横線と東京メトロ・日比谷線の直通運転で活躍していましたが、東京メトロの副都心線開通に伴い、日比谷線の直通運転が終了したため、車両が余剰となりました。一畑電車には中間車を改造して運転席を作り、ワンマン化して2014年に入線しました。また、「ステンレス車体」「ワンハンドルマスコン」「シングルアームパンタグラフ」「インバーター制御」など、今までの電車にはなかった初めての性能をたくさん持った電車です。運行開始にあたって、デハ二50形と同じ、オレンジに白帯のカラーにラッピングをしています。 また、同じ種類の電車は、東急電鉄の池上線・多摩川線、長野県の上田電鉄・三重県の伊賀鉄道でも活躍しています。
5000
1998年に入線した、元京王電鉄5000系の車両で座席の一部は転換式クロスシートになっています。5009号・5109号車は2014年に、車内を島根県産材を多用した木質化改造を行ない、木の温もりを感じられる車内になっています。 京王電鉄と一畑電車では線路の幅が異なるため、台車を営団地下鉄(現・東京メトロ)のものに付け替えて使用しています。
2100
京王電鉄に所属した元京王5000系の車両で1963年〜1969年にかけて製造され、通勤電車としては日本で初めて冷房を導入した車両です。「関東の名車」と言われ性能やデザインの良さからデビューの翌年には鉄道友の会から「ローレル賞」を受賞しています。一畑電車へは1994年に入線、ワンマン対応の改造を受け走り始めました。京王電鉄と一畑電車では線路の幅が異なるため台車を営団地下鉄(現・東京メトロ)のものに付け替えて使用しています。一畑電車にとっても初の冷房車導入となりました。富士急行、伊予鉄道、高松琴平電鉄でも出自を同じくする兄弟車が活躍しています。一畑電気鉄道創業100周年を記念して、21012111号車を旧京王電鉄のカラーに、21022112号車を旧一畑電鉄カラーに再塗装を行ないました。21032113号車は、2013年に白を基調としドアをオレンジ色のデザインにし、内装も2103号車をイベント対応車として、宍道湖をはじめとする風光明媚な沿線風景を車窓から楽しめるよう座席配置を従来の通勤型ロングシートから、宍道湖側に向けて固定できる二人掛けソファー型シートに変更しました。内装には本木材や木目調デコラを多用し暖かみのある仕様とし、ビール電車、ブライダルトレイン等の各種イベントや、定期列車としての運用にも対応できることを基本とした設計となっています。21042114号車は2013年に島根県がスポンサーとなり「ご縁電車・しまねっこ号」としてラッピングを行ないました。車両外観、内装ともにピンクを基調にし、島根県観光キャラクター「しまねっこ」をはじめ、「しまね」にちなんだ8つのモチーフしめ縄・銅剣・銅鐸・水引・雲・勾玉・ウサギ・ハートが描かれています。