上田電鉄別所線 別所温泉駅と丸窓電車 2017年4月2日()

長野駅―(信越本線・しなの鉄道)―上田駅―(上田電鉄)―別所温泉駅



本日の午前は、上田電鉄別所線下之郷車両基地を取材しました。初めに別所温泉駅へ行き、静態保存をされている丸窓電車を撮影しました。



別所温泉は、標高570mの高地にある信州最古の温泉です。日本武尊が7か所に温泉を開き「七苦離の温泉」と名付けたという伝説から「七久里の湯」とも呼ばれます。別所温泉駅は、単式ホーム1面1線の地上駅です。構内には、後付付随車入換用に緩い勾配の側線がありましたが、現在本線のポイントは撤去され線路は切断されており、198610月の架線電圧1500V昇圧まで運用されていたモハ5250形「丸窓電車」が保存されています。



上田丸子電鉄時代からの駅舎が使用されており、当時の社紋が残っています。駅舎には駅事務室・待合室・別所温泉観光協会・旅館組合観光案内所があります。かつては直営駅でしたが、現在は別所温泉観光協会に窓口業務を委託する簡易委託駅です。



駅業務を担当する観光協会の女性職員は「観光駅長」名義で和装制服の袴を着用して勤務しています。




上田温泉電軌デナ200形は、上田交通の前身である上田温泉電軌が1928年に新造した電車です。戦後の一斉改番でモハ5250形と改称・改番され、新造から廃車まで別所線で使用されました。モハ5250は、扉脇の戸袋窓が楕円形になっている外観から、「丸窓電車」という愛称で呼ばれました。



1928年5月に日本車輌製造でデナ200201203の3両が製造されました。15m級3扉両運転台の丸屋根半鋼製車で、日本車輌製造が同時期に製造した類似車両が高松琴平電気鉄道、一畑電気鉄道、京福電気鉄道、福井鉄道にもありました。



楕円形の戸袋窓は、大正時代の木造電車を中心に見られたが、1980年代までこの形態の窓を残していたのは、本形式以外には名鉄モ510形電車ぐらいだそうです。別所温泉駅を見学した後、上田電鉄別所線に乗り、下之郷駅へ行きました。