つくばエクスプレスまつり2016  2016年11月3日()

北千住駅―(つくばエクスプレス)―守谷駅…つくばエクスプレス総合基地・見学―(送迎バス)―水海道車両基地



本日は、つくばエクスプレス総合基地で開催された「つくばエクスプレスまつり2016」を見学しました。



車両工場で、超音波探傷装置、台車塗装装置、車輪抜き・圧入プレス、台車加重装置、駆動装置回転試験装置、軸バネ測定装置などの仕組みについて解説されていました。



空調装置 全ての車両の屋根上に付いています。家庭でいうエアコンと同じ役割をしており、冷房・送風と2つの機能が使い分けられます。



NC輪芯旋盤 軸と車輪がくっ付く所(輪座部)とブレークがくっ付く面(ディスクブレーキ)を削って綺麗にする。ブレーキがかかると、表面が凸凹になってしまうので、約5〜8年に1回削ります。



密封コロ軸受圧入装置 点検の終わったベアリング(軸を回転させる物)を軸に付ける機械。



主電動機検修ライン 電車から外したモーター(手電動機)を掃除→分解→点検→組立→テストをした後、電車に戻します。モーターは、1個575kgと重たいので、安全で簡単に運べるようになっています。



主電動機 電車が走行するために必要な動力を車輪に伝える装置です。1000系には1編成12個、2000系には1編成16個搭載されています。



超音波探傷装置 軸に人間の耳には聞こえない音を当て、跳ね返ってきた音で傷の場所や大きさを調べています。この点検によって、軸が折れてしまう様な事故を防いでいます。



台車塗装装置 点検が終わった台車に、電車と合体する前に色を塗ります。この部屋の中で、ロボットが台車全体の色を塗っています。乾燥ブースでは、約80℃の熱風を30分吹きかけて乾かします。



密封コロ軸受抜取装置 ベアリング(軸を回転させる物)を点検するために軸から抜き取る機械です。



車輪抜き・圧入プレス 新しい車輪にはめ替えを行う装置です。抜き・圧入ともに油圧で行います。圧入の際の圧力は、697kN(71)1074kN(110)アフリカゾウで例えると約1218頭分の重さが必要です。



台車荷重装置 点検の終わった台車に重さをかけて、空気の漏れ、重量バランス(均等に重さが掛かっているか)、台車が知人でいないか寸法を測定します。



駆動装置回転試験装置 点検した車輪の付いた軸がちゃんと動くか点検するものです。いつもより揺れが大きくないのか、温度が高くならないか、おかしな音が鳴っていないかを点検しています。



輪軸(T車用) TXの電車には1号車、6号車についており、ブレーキ力を上げるために踏面ブレーキとディスクブレーキが付いています。ディスクブレーキの周りの穴は放熱させる効果があります。



輪軸(M車用) TXの車両には2・3・3・4・5号車についており踏面ブレーキとギアケースがあります。ギアケースの中には大歯車とモーターに繋がる小歯車が収められています。モーターは輪軸と平行に取り付いています。



制輪子 空気の圧力で車輪に制輪子を押し付けてブレーキをかけます。M車は青色、T車は橙色の制輪子を使用しています。



軸バネ測定装置 台車から外した軸のバネに人が乗っていない時、人が定員数乗っている時、人がいっぱい乗っている時と同じくらいの重さをかけて、どのくらいバネが縮むかを測定する機械。



ユニットブレーキ ブレーキシリンダ、テコ機構、シューヘッドが一つのユニットになっていて、制輪子を車輪に押し付ける役割を持っています。



台車中継弁箱 各台車の近くに1つずつ付いており、ブレーキ作用装置から送られてきた空気を素早くブレーキシリンダーに供給します。また、電車の車輪をロックしないようにしています。
ブレーキ作用装置箱 運転台から来た電気信号を空気に換えて、ブレーキの力にしています。



半永久連結器 TXでは先頭車両の先頭部以外には半永久連結器を使用しています。



蓄電池(バッテリー) 室内灯、ブレーキ装置、TIS装置、非常換気装置、主変換装置等の電源を補っており、パンたアグラフから電気を貰わなくても動作することが出来ます。守谷―みらい平間にある交流と直流が切り換る区間で室内灯が消えないのは、バッテリーから電気を供給しているからです。



軸ダンパ 走行時の上下の揺れを抑えます。車軸の両側にレールと垂直についていて1両に8本付いています。
左右動ダンパ 走行時の台車と車体の左右の揺れを抑えます。台車と車体の間に車軸と平行につています。1両に1本付いています。



電動空気圧縮機 ブレーキやドアの開閉を行う時に使う圧縮空気を取り出す装置です。1・6号車に搭載されています。



次に、検査ピットでTX2600車両の各装置を見学しました。列車無線アンテナ、元空気
溜め圧力スイッチ、ATO送受信装置、SIV装置、主変換装置、高圧補助整流装置などの仕組みについて解説されていました。



列車無線アンテナ 送信・受信を共用した広帯域アンテナで行います。



ATO送受信装置 ATO車上子にて受信した信号をATC/ATO装置、TIS装置へ送るものです。
MRPS(元空気溜め圧力スイッチ) 車両分離などの故障で元空気タンクの圧力が500ka以下になった場合に作用して、非常ブレーキをかけて事故を防止するものです。



列車無線装置 高周波部、無線機部、制御部、電源部から構成され、各部はそれぞれ二重化(万が一、片方が故障した場合でも、もう片方で通信出来るように)されています。
ATC/ATO装置 ATC(自動列車制御/細かい速度制限)・ATO(自動列車運転)の制御をする装置です。



戸閉制御切換装置 ホームドア、車両ドアの開閉に関する情報を送受信する装置です。



配電箱 客室スペースの拡大や床下機器の集約化・車体配線の合理化を行うために接触器やアーススイッチなどを同一箱内に収めたものです。
TIS中央装置 TIS(車両制御情報管理装置) 各装置に指令を出す装置で、故障・運行情報など列車の全ての情報が入っています。



SIV装置 直流1500Vを、三相交流440(室内蛍光灯・冷暖房装置・コンプレッサーなど)、交流100V(車内のマップ式案内表示器など)、直流100V(スクロール式案内表示器など)に変換し各回路に供給する装置です。



主変換装置 コンバータ、インバータ接触器などの主回路機器と制御電源などの制御回路や冷却装置を一体箱構造としたものです。



高圧補助整流装置 交流区間でもSIV装置が使える様に主変圧器から交流1444Vをもらい、直流1250Vに変換してSIVに送る装置です。



最後に、保守用車両の実演を見学してから、送迎バスに乗って関東鉄道の水海道基地へ行きました。