阪堺電気軌道 我孫子道車両基地 昭和の路面電車を見学 2014年8月8日()

住ノ江検車区…我孫子道駅・我孫子道車両基地・取材―(阪堺軌道)―天王寺駅前駅…天王寺駅―(大阪環状線)―大阪駅…阪急梅田駅―(阪急電鉄)―十三駅…ホテルプラザオーサカ・宿泊



最後に、阪堺電気軌道の我孫子道車両基地を取材しました。



住ノ江検車区の方が、「雨が降り出しそうだし、我孫子道車両基地は、住ノ江検車区から歩いて15分はかかるから。」とわざわざ私たちを我孫子道車両基地まで案内して下さりました。



以前、鉄道研究部で我孫子道車両基地を取材しました。また、あの時と同じ方が車両基地を案内して下さりました。



現在、阪堺電気軌道には38両の電車が所属しているが、かつては60両もあったので、我孫子道車両基地は大変広いです。



現在、1927年製の車両、1955年頃に製造された10両に、軽快型路面電車、堺トラムなど、様々な車両が所属しています。



堺トラムは、長さ16mの3連接、低床車です。現在2編成が運行していますが、間もなくもう1編成導入されます。



阪堺電気軌道の車両の全長は13mあり、他の路面電車より少し大きいです。



阪堺電気軌道の前身、阪堺馬車軌道が1900年に開通されたのだが、3年で運休となり、電化、1435oゲージの標準軌に改軌されました。50km/hの高速運転に備えてのことです。



工場棟で、602形の全般検査を見学しました。車体をジャッキアップし、台車と車体を切り離し、それぞれを詳しく検査しているところでした。




モーター、コンプレッサー、Z型パンタグラフを見学しました。阪堺電気軌道の架線には、600Vの直流が流れています。



阪堺電気軌道には、併用起動と専用軌道の路線があります。道路上では、規則により路面より
5.5mの高さに架線を張らなくてはなりません。橋の下などを潜る区間では、架線の高さが3.3mです。



追従性の高いパンタグラフが必要です。かつてはビューゲルを使用していました。現在、Z型パンタグラフを作れる職人が退職したので、シングルアームに変更していく予定です。



次に、トラバーサーでの電車の移動を見学しました。



手動で動かして、レールをぴったり合わせるそうです。




検査のために電源を切られた電車は、入れ換え用のTR−1,TR−2で移動されます。アメリカ合衆国製の台車が付けられています。



次に、1928(昭和3)年製のモ164車両を見学しました。冷房機が付いていないので、夏場は使わないそうです。



現在、外装はかつての国鉄の電気機関車などで利用されたブドウ色2号を施しています。導入時のオリジナル塗色です。



車内が緑色に塗られていますが、かつて防火塗料の色種が少なかったので、緑色になったそうです。





先ほどトラバーサーで移動していた704号車に乗り、自動車体洗浄装置での車体の洗浄を電車の中から見学しました。車両基地構内では、後進運転が認められています。



次に、1928(昭和3)年製のモ161車両を見学しました。ニス塗りの床に透明の防火塗料を塗った車両もありました。現在、貸切運転専用として使っているが、応援運転を出来る様にしてあります。



1両貸し切るのに、55200円かかります。都電の電車貸切より高いような気がしますが、都電は片道分の料金です。定員25名、片道料金290円2往復で、助役が同行するという条件で、役所より認可された料金です。



部員たちは、ちんちん電車の由来の呼び鈴を鳴らしたり、パンタグラフの操作などを体験しました。



行先幕表示の転換も体験させていただきました。赤字で書かれたものは、我孫子道車庫に入ることを示します。



呼び鈴は、停車は1回、進行は2回鳴らすそうです。




ワンマン運転を開始してから、車内にブザーを設置しましたが、現在はブザーを鳴らさなくても全駅停車しています。





京都市電が廃線になる時、京都市電より7両の路面電車が譲渡されました。デザインが優れているので、今でも1両だけが保存されています。



電車の色合いは、全て塗装です。雲形塗装は手吹きです。



11号車は車籍がないので、我孫子道構内でのクーラー室外機の搬送などに使っています。写真の手前に写っている台車は、フリーゲージトレインです。軍隊が制作した1000〜1600mmまで対応できるフリーゲージトレインです。古いものですが、未だにベアリングもきちんと機能し、レールの輸送などに利用しています。



広告電車は、1両2年間、300万円で請け負っています。



街中を走る広告車両としては、格安だそうです。一般的には、半年で1200〜1500万円もするとか。



阪堺電気軌道の場合、広告電車も塗装で対応しています。併用区間があるので、自動車との接触事故もあります。



ステッカーだと、接触事故で一部が剥がれても、すべて貼り直しなので、塗装にしているとのことです。



複雑なデザインで、塗装に手間がかかる広告車両に限って、すぐに接触事故にあい、塗り直すことがあるそうです。



今日一日、各鉄道会社の方々が親切丁寧に対応してくださり、電車の検査、検車区や車両基地の役割について詳しく学ぶことができました。学園祭に向けて、たくさんの資料をいただきました。ありがとうございます。




中3A コーチ 阪堺電気軌道について。
今回南海グループの阪堺電気軌道に行きました。阪堺電気軌道は大阪の天王寺駅前から住吉公園までの上町線と恵美須町から浜寺駅前の阪堺線を運行する鉄道会社です。所属車両はモ161(8)とモ351(5)とモ501(5)とモ601(7)とモ701(11)1001(2)と車籍の無い保存車です。1001(堺トラム)は天王寺駅前から浜寺駅前間を走る新型車両です。第1編成の名前が茶ちゃ、第2編成の名前は紫おんです。特徴はVVVFインバーターと空中に浮いている中間車です。この車両は3両編成で台車は1号車と3号車にあるので中間車には台車がありません。ちなみに茶ちゃと紫おんは色が違います。今回は見るだけで乗れなかったので今度乗ってみたいです!