鹿島臨海鉄道 大洗車両区 2014年3月4日(火)
上野駅―(常磐線)―水戸駅―(鹿島臨海鉄道)―大洗駅・大洗車両区・取材―(鹿島臨海鉄道)―水戸駅―(常磐線)―北千住駅・解散
本日、鉄道研究部は、学園待つ試験と答案返却の合間の日を利用して、鹿島臨海鉄道大洗車両区を取材しました。列車検査は、72時間(3日)に1回、大洗車両区で行われます。重要部検査や全般検査は、神栖で行われます。エンジンなどは、外注で検査します。神栖には、3両の気動車と3名の運転手が常駐しています。
大洗車両区では、6000形気動車の車内で、鹿島臨海鉄道の概要について解説していただき、運転室を見学しました。1969年、鹿島臨海鉄道は、鹿島臨海工業地帯への原料や生産品を輸送するための貨物専業鉄道として、日本国有鉄道、茨城県や進出企業の出資により設立されました。1970年には、北鹿島―奥野谷浜間19.2kmが開通し、貨物輸送が始まりました。1978~1983年には、新東京国際空港(現在の成田国際空港)へ航空機燃料を暫定輸送しました。1985年には、大洗鹿島線(水戸駅―北鹿島駅53.0km)が開通しました。1994年、サッカースタジアムの開設に伴い、北鹿島駅を鹿島サッカースタジアム駅に改名しました。2002年の日韓ワールドカップ開催時には、6月2・5・8日に7600人を輸送したそうです。
次に6000形の床下機器を見学しながら、それぞれの役割について学びました。6000形は、1985年から日本車輌製造と新潟鐵工所のライセンス生産で製造された鋼製車体、両運転台式の大洗鹿島線用気動車です。開業時に6両製造され、1993年までに、6001~6019までの19両が製造されました。
全長は20.5mで、トイレや冷房装置を装備されています。室内はセミクロスシートで、クロスシート部は転換クロスシートで、定員は120名、うち座席56名です。
ディーゼルエンジンなど走行装置は、日本国有鉄道キハ37形に準じたものとなっています。縦形(直立シリンダー)直噴エンジンを搭載する形式です。
排気量は13ℓ230馬力です。
連結器、ジャンパー線、ATS装置の車上子、ばね台車、エンジン、ラジエーター、軽油タンクなどを撮影しました。
接触器箱は、最大50aです。ATS-SN車上子は、上り用、下り用の2つが平行に並んでいます。
冷房用のエンジンがあり、冷房装置が作動します。暖房は、エンジンの冷却水を利用して、温水暖房を行います。
コンプレッサーで作られた7~8kg/㎡のエアーを溜めておくタンク。ここから各空気ダメに供給される。略して元ダメ(げんだめ)ともいいます。圧力空気を利用してドアの開閉などを行います。
おおよそ軽油1ℓで2km走行出来るそうです。軽油タンクには、400ℓの軽油が入ります。タンクにゲージが付いていて、タンクの外側から、タンクに入っている軽油の量が分かります。軽油は大洗駅と神栖駅で補給できます。非常時に備えて、各車両の運用計画が600km以内の距離でダイヤが組まれています。
6000形の総重量は35tですが、台車1つの自重がおおよそ10tです。車体の台車近くに受けがあります。重要部検査や全般検査の時には、ジャッキアップで車体を持ち上げ、台車を引き抜きます。
台車は、コイルばね式、全溶接構造、揺れ枕方式、心皿・側受方式で、各台車にはフランジ塗油器を取り付けています。台車は、直線では人手で押して動かすことが出来ますが、少しでもカーブになるとびくともしません。
制輪子は、鋳鉄製です。各車両に2つずつ台車が付いています。エンジンとつながっている動台車は、1つです。制輪子は2カ月程で交換されます。車輪は、10年で3回くらい削成されます。制輪子や車輪の減りは、動台車の方が早いです。
車体の洗浄は、大洗車両区に洗浄機があり、車体の自動洗浄が行われます。神栖には洗浄台があり、手洗いで車体の全面の洗浄が行われます。沿岸部を走るため、塩害によるさびが、車体の下部から現れます。鉄板を張替えて対応しています。海側のボディーの方が塩害の影響を受けます。
連結器は、小型密着式連結器です。他のディーゼル機関車や貨物車とは、中間連結器スペンサーを介して連結します。貨車車と同じ形の連結器ですが、貨物車の連結器の方が大きいです。貨物車にはエンジンが付いていないため、より大きな連結器が必要です。
高3B モッティー
鹿島臨海鉄道6000形は、1985(昭和60)年から1993(平成5)年までに19両が、日本車輌製造•新潟鐵工所で生産された。全長は20.5mで、定員は120人、自重は35トンである。ディーゼルエンジンは6L13ASで、出力は230馬力です。現在、日本で唯一直噴エンジンを搭載している。燃料は軽油で、燃料タンクの容量は400ℓで、燃費は1リッターで2kmです。台車は前位が日本車輌製造のND217(DT22相当)で駆動台車、後位はND217T(TR51)で付随台車である。運転台は両運転台であるため、単行運転が可能である。ドアは片側2箇所の片開き式。車内は中央が転換式クロスシート、両端がロングシートである。トイレは、循環式汚物処理装置を備えたものである。ワンマン運転を行うため、運賃箱、整理券発行器などが備えてある。保安装置はATS-SNである。
中2A コーチ 鹿島臨海鉄道について
鹿島臨海鉄道は昭和44年4月1日設立しました、この鉄道には鹿島臨港線と大洗鹿島線の2路線があります。鹿島臨港線は貨物運輸が目的で飛行機のジェット燃料などを運んでいました、今は基本的にコンテナ貨物のみです。大洗鹿島線は旅客運輸が目的で水戸駅~鹿島神宮間を走っています。2005年5月4日からはカシマサッカースタジアム観客輸送を開始しました、2014年には7600人輸送しました。鹿島臨海鉄道は貨物と旅客の両方をやる鉄道ですごいなと思いました。カシマシサッカースタジアムへ行く方はぜひ使ってみてください。
気動車や駅には、大洗の町が舞台の「ガールズ&パンツァー」の絵が沢山ありました。本日は、鹿島臨海鉄道の方々が親切に解説して下さり、気動車の仕組みについて詳しく学ぶことができました。ありがとうございます。