大井川鐵道大井川本線 新金谷車両基地    2014年1月6日(月)

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川根両国車両基地を見学した後、私たちは井川線に乗って、千頭駅へ行きました。千頭駅で、421系、312系、1100形を撮影しました。



大井川鐵道421系は、1953年に近鉄名古屋線の特急用車両6421系として登場しました。その後養老線に転属されたのち、1984年に420系に形式を変更し、1994年までに全車が廃車となりましたが、大井川鐵道に1編成が譲渡されました。近鉄時代に前照灯の増設や3扉化、一部ロングシート化などの改造がされました。大井川鐵道では唯一の3扉車です。非冷房車のため、最近では動くことは無く、千頭駅に留置されています。年昭和30年代の近鉄特急で、塗装は近鉄旧特急色だが、車体は一般車に改造されたままです。



大井川鐵道312系は、1954年に西武鉄道351系(形式としては2代目。登場時は501系)として導入された電車です。1977年に大井川鐵道に2編成4両が譲渡されました。2扉化やクロスシート化改造などがされ長く使用されたが、現在は引退しています。モハ312・クハ512の編成が千頭駅構内に留置されています。



大井川鐵道11001105号は、19235月に梅鉢車両で製造された武蔵野鉄道(後の西武鉄道)サハ106を、1949年に岳南鉄道に譲渡され、さらに1960年に汽車会社でセミステンレス車体にしたものです。1981年に大井川鐵道に譲渡された後は単行型の電車として利用されました。様々な用途に使用されたが、老朽化により引退しました。現在は千頭駅構内に留置され、倉庫として使用されている。



千頭駅の隣にある道の駅「音戯の郷」にて保存されているスハフ7です。



千頭駅を散策した後、元京阪3000系の普通電車に乗って、新金谷車両区へ行きました。新金谷車両区では、蒸気機関車の仕組みについて学びました。



近鉄16000系、京阪3000系、南海21000系の譲渡について、これらの車両を導入した当時、大井川鐵道ではSL列車のみならず、観光を目的とする利用者が多く、その需要に対応するためクロスシート車両の導入を図りました。中古車両の導入については、その車両の使用を終わろうとする鉄道会社と、導入しようとする鉄道会社との間の人脈や時期に大きく左右されます。



中古車両は、その走っていた地域で親しまれていたものが多く、大井川鐵道に訪れた観光客が昔を懐かしく感じていただくためにオリジナル色のまま使用しています。関西方面からの観光客からは、「懐かしい、子どもの頃この電車で通学していた」などのお話を聞きますとのこと。



大井川本線の電車 中2Bダイキ
元近鉄16000系、元京阪3000系、元南海21000系をオリジナル車体色にしているのは、関西方面のお客様に「懐かしい、子供の頃この電車で通学した」など多くの喜びの声がありオリジナル色にしています。 なぜ、関西の車両が多いいのは、他の鉄道会社さんとの出会いとかもあり、関西の車両が多くあります。



1976年に蒸気機関車の動態保存を始めたきっかけは、かつて大井川鐵道は沿線住民の通勤や通学、荷物輸送などの役割を果たしてきたが、沿線の道路が整備されマイカーが通勤が普及、トラックによる荷物の輸送が盛んになり、列車需要が年々減少しました。この様な時代背景の中、鉄道の存続や鉄道を中心とした地域の活性化を目的として蒸気機関車の動態保存が検討されました。この頃は、日本国有鉄道の蒸気機関車の定期運行が終了する時期と重なりました。



当時の大井川鐵道の千頭駅には、転車台がありませんでした。蒸気機関車については、比較的牽引力が強く後進運転に適しているC11型が選ばれました。当時の旧国鉄の協力により、日本中で一番状態の良いC11を探していただいたところ、北海道の標津線で使用されていた227号機が選ばれました。機関士、機関助士、整備士についても旧国鉄のOBの方々に協力してもらいました。設備については、給水タンクや石炭の載積場所が必要ですが、大井川鐵道では1949年以前の電化前に蒸気機関車が走っていたので、それほど苦労しなかったようです。



C10形は、宮古市のラサ工場から導入されました。C10形は、23両しか製造されなかった貴重な蒸気機関車でした。当時の大井川鐵道技術担当者の強い要望により、大井川鐵道に導入されました。



C11形は、大井川鐵道には一番多い時で3両走っていました。蒸気機関車の利用客が増えたので、列車を増便しました。C11-312号機は、三重県のレストランの駐車場にあったものを、譲り受けました。C11-190号機は、熊本県八代市で個人所有していたものを譲り受けました。所有者本人より、動態保存をという希望がありましたので、大井川鐵道の一大プロジェクトとして整備に取り組みました。



C56形は、日本製ですが戦時中にタイに渡った蒸気機関車です。それまで大井川鐵道にはタンク機関車しかなく、テンダー機関車の保存を目的に導入されました。



現在の機関車のコンディションですと、C11の方がC56よりも馬力があるそうです。大井川本線では、蒸気機関車牽引列車の最高速度を50km/hと定めています。蒸気機関車のみで牽引できる客車の総数は、C10形、C11形が客車5輌(約180t)、C12形、C56形が3輌(約100t)です。



牽引できる車両数は、線区の勾配や蒸気機関車のボイラで作られる1時間当たりの蒸気発生量、軸重の値によって異なります。紅葉時期の落葉のレール面への付着により、空転しやすい時期には牽引車両数を減らしたり、列車の最後尾に補助電気機関車を連結します。



部品の調達は、蒸気機関車を保存していく上で最も重要なことです。以前は公園に展示されている静態保存の蒸気機関車の中で、状態の良い部品と大井川鐵道で所有していた状態の良くない部品を交換していただいたり、個人的に部品を収集していた方々から譲っていただいたりしていました。



近年では、日本各地で蒸気機関車の動態保存が行われています。年に一度各社の蒸気機関車整備担当者が集まるSLサミットという会議が行われます。この会議の中で、部品の貸し借りや、新造するための検討が行われます。



蒸気機関車と電車の大きな違いは、動力発生装置です。蒸気機関車の出庫準備中、その日の運転を担当する機関士は、出庫点検を行います。出庫点検には、整備士が行う検査とは別の内容が含まれており、運転中に不具合が発生する可能性がないか、石炭の燃え具合や蒸気の通り具合、コンプレッサーなどブレーキ装置の動作を念入りに確認します。



石炭は海外からの輸入品を国内で加工したピッチ炭を購入しています。現在使用中のピッチ炭は、ロシア炭、ベトナム炭、オーストラリア炭の混合炭です。沿線住民に配慮をし、殆ど黒煙を出さない石炭を開発しましたが、鉄道ファンからの要望により、ある程度の煙が出るように調合されています。



水は井戸水を利用し、ボイラへ給水する前に硬水機を利用して水質をボイラに適したものに換えて使用しています。



大井川本線の蒸気機関車 中1Bタクヤ
蒸気機関車が発車までの手順を説明します。
1
.ボイラ煙室内清掃(シンダー除去)
2
.ボイラ火室内整備(石炭燃えがらの除去)
3
.火室内へ二種類の薪を投入
4
.水タンク給水
5
.点火
6
.走行装置等各部給油作業(軸箱、コンプレッサー等約五十箇所)
7
.ボイラ付属装置の動作確認(蒸気圧力上昇中)
8
.機関士による出庫点検
9
.整備士による列車検査
10
.出庫(点検、整備を完了し車庫から出ること。)
11
.駅構内の客車と連結
12
.ブレーキテスト(ブレーキ装置の動作確認)
13
.ついに、客を乗せて発車
 次に、蒸気機関車の整備(主な各部名称)を説明します。
除煙板:運転室への侵入を緩和します。デフレクターとも呼ばれます。
シリンダー:蒸気の力で内部のピストンが動きます。この動きがSLの動力となり大きな動輪を回転させます。
油ポンプ:主にシリンダーピストンにオイルを給油します。シリンダーは、300以上の高温高圧になるため粘り気の強いシリンダーオイルを使用しています。
主連棒:ピストンの動きを動輪に伝えます。
砂だめ・砂まき管:上り坂などで動輪の空転を防ぐためにレールに砂をまく装置です。
蒸気だめ:ボイラーで作られた蒸気はいったん蒸気だめに集められ、シリンダーやタービン発電機などに分配されます。大変な圧力がかかるためドーム状の形をしており、厚い鋼鉄でできています。
安全弁:ボイラー内の圧力が高くなりすぎた場合、ボイラーの破損を防ぐためボイラーから蒸気を噴出します。
タービン発電機:蒸気タービンを回して発電します。作られた電気は、前照灯や室内灯に使われます。



蒸気機関車の運転 中2Aコーチ
機関車の運転について、運転の方法を簡単に説明すると、
@機関車の進行方向を前進または後進にハンドルを切り替える
Aブレーキを緩める
Bボイラー内で発生した蒸気をシリンダーへ送る
この3つです。
 一見簡単そうに見えますが実際はすごく難しいそうです。昔は機関車にスピードメーターが付いてないのに運転士は定刻どうり走っていたそうです。昔の人はすごいと思いました。



新金谷車両区 中1Bノリ
今回僕たちは、冬合宿に行って来ました。僕が紹介するものは、新金谷駅にある車両基地を紹介します。新金谷駅の車両基地は、蒸気機関車にとって、どのような役割を持っているかというと、蒸気機関車の検査や修理などをするのには、かかせない建物なのです。検査は、4つあり一つ目の検査は列車検査というものです。列車検査はブレーキの機能試験や蒸気漏れの有無確認などを2日に一回実施します。2つ目の検査は、40日検査です。有火、無火を各1日やります。他にもボイラー内清掃等を行います。3つ目は、重要部検査です。この検査は、ボイラー、走行装置、ブレーキ装置等車両全体に関しての検査を四年に一回実施します。最後に4つ目の検査を紹介します。4つ目の検査は全般検査という検査をしています。この検査も、ボイラー、走行装置、ブレーキ装置等車両全体に関しての検査を四年に一回実施します。



大井川鐵道の概要 中3Bヒロ
旅行する人々の為にくつろぐ為に関西の特急中古車を導入することになった。
新金谷車両基地の役割 線路の整備、車内整備、電車の屋根を整備する人達がいる。
蒸気機関車の仕組みと特徴 大井川鐵道のSLは熊本、岩手、北海道、タイの蒸気機関車を担当者の強い願いによって導入した。
蒸気機関車の検査 全般検査では機関車内全体を検査する。列車検査では蒸気の漏れの有無確認などを検査する。重要部検査ではボイラ、走行装置など全体を検査する。
蒸気機関車の部品の準備 石炭(蒸気機関車)がなかった時代は「煙が出ないのは蒸気機関車ではない。」と言われ、頼まれて作って用意した。1tで5万円する。
蒸気機関車の運転 石炭を入れる人、左側の窓を見て運転する人、右側の窓を見て運転する人3人が行う。滑り止めする為にレバーを引くと下から砂をばらまいている。普通の列車とは違って蒸気機関車の運転は難しい。
電車の仕組みと特徴 特急中古車でお客様に昔を感じて頂く為にオリジナル色のまま走行している。
その他 C11形蒸気機関車は金谷〜千頭までの往復に必要な水、燃料では石炭約1t、水約10tが必要。
大井川鐵道井川線の概要 ディーゼル車の最大牽引トン数は約25tある。形式Cワフ0の荷重は4.5t  自重は5.0tである。現在DD205型は6両走っている。昭和28年には帝国車が走っていた。
川根両国車両基地の役割 落ち葉で空転しないように砂をばらまいている。
ディーゼル機関車の仕組みと特徴 ディーゼル機関車は電気を通して走っている。
検査 全数検査、貨車やディーゼル車などの全般検査 線路の検査では一つ一つレールをつなげていき、年中はかかる。
客車の仕組み 車両によって塗装する色や場所は違う
台車、車体の仕組み 暖房では「寒いので暖房を付けて下さい。」と頼まれて2両目と5両目に後から付けた。車輪は取り付けた後に10年間保てる。



大井川鐵道大井川本線 高1Bシバ
大井川本線は、金谷〜千頭を結んでいます。名前の通り、路線は大井川に沿って走っています。車両は、元近鉄16000系、元京阪3000系、元南海21000系を使用。どの車両もオリジナル色で運転されています。以前は、南海や西武の車両も走っていました。元京阪3000系の車内には、防犯カメラと飲み物の自動販売機が設置されていて、千頭側の先頭車には近鉄時代に使われていた特急のマークが復活しています。新金谷〜千頭間ではSL列車がほぼ毎日運行されています。機関車は、C10 、C11 190、C11 227、C56 44の4機のうちの一編成が使われます。また、SLの方向転換をするために、新金谷駅と千頭駅には転車台が設置されています。千頭駅構内には、大井川鐵道で使われた車両や電気機関車などが留置されています。最高速度は50`に制限されています。SLを除いて全列車ワンマン運転を行っています。



ロコプラザでは、大井川鐵道の保存車両を見学しました。大井川鐵道お方々に親切に対応していただき、ディーゼル機関車や蒸気機関車について詳しく学ぶことができました。



冬期合宿の感想 中1Bアツキ
今回の合宿は初めてでした。僕は鐵道研究部に入ってすぐだったので、お金はいくら持っていけばいいのか、どの電車でどのように行くのかなどがイマイチ分かりませんでした。特に今回は朝起きるのもとても早かったのでちゃんと目的地まで付けるのかが不安でしたが、電車に乗ってみると案外すぐに行けました。そして色々な所を見学、めぐり、あっという間に合宿が終わろうとしてます。僕が特に印象に残ったのはSLの点検のところです。僕はSLも普通の電車と同じく点検、操縦していると思いましたが、電車とはまた違う、仕組みや操縦そして点検もぜんぜん違うものでした。点検も今回見学した工場では一台ずつ、少しずつ点検や修理しているということが分かりました。この合宿を踏まえて鐵道研究部員として部活に励もうと思います。これからもよろしくお願いします。