冬期合宿 大井川鐵道  2014年1月5日(日)

小田原駅―(東海道本線)―熱海駅―(東海道本線)―島田駅―(東海道本線)―金谷駅―(大井川鐵道大井川本線)―新金谷駅―(大井川鐵道SL急行かわねじ1号)―千頭駅―(大井川鐵道井川線)―井川駅―(大井川鐵道井川線)―千頭駅…民宿茶ところ・宿泊



冬休みに大井川鐵道を見学しました。小田原駅に集合し、東海道本線普通電車を乗り継いで、金谷駅に行きました。



大井川鐵道は、大井川に沿う鉄道会社です。1927年に開業した大井川本線と、元は中部電力がダム建設のために敷設された井川線の2路線からなります。



大井川本線は冬期の一部の期間を除いて毎日SL列車を運行しています。首都圏から近いこと、茶畑の広がる沿線風景やSL列車に旧型客車を使用することなどから人気があります。また、電車も関西・中京のかつての特急用車両をオリジナル塗装のままに使用しています。



大井川鐵道に乗り、新金谷駅でC11−190が牽引するSL急行かわねじ1号に乗り換えました。大井川の景色を眺めながら、ゆっくり千頭駅へ行きました。C11は、現在、大井川鐵道で2両が活躍しています。190号機は2003年に復活しました。大井川鐵道では、最も新しい蒸気機関車です。



私たちは、スハフ42 304に乗りました。1954年に日本車輌により製造された客車です。1983年に盛岡で廃車になった後、1992年に大井川鐵道に導入されました



千頭駅で、同じ編成に連結されていたオハ35 149も見学しました。1940年に鉄道省(国鉄の前身)の小倉工場で製造された客車です。



千頭駅で、井川線に乗り換えました。井川線はかつて沿線住民にとっての唯一の交通手段でした。平行道路の整備により現在は主に観光路線として営業しています。



井川線のアプトいちしろ駅−長島ダム駅間には、日本の鉄道で最急の勾配となる90‰の区間が存在し、アプト式鉄道となっています。長島ダムが建設された時に敷かれた路線です。ここでは専用の電気機関車を連結し登り降りしています。



アプト式鉄道とは、ラックレールという歯型のレールを使って急な坂を登り降りする様に考案されたものです。90‰という日本一の急勾配を運行するために、ディビダーグ式橋梁や、世界で初めてのアプト式PC式枕木を採用しました。



長島ダムは、一級河川大井川水系大井川の上流、静岡県榛原郡川根本町地先に建設された多目的ダムで、洪水調節、流水の機能の維持、かんがい、水道用水・工業用水の供給を目的としています。また、「地域に開かれたダム」として、ダム堤体部の一般開放や貯水池周辺の施設設置を許可するなど、地域の活性化の為の環境整備を行っています。1972年の調査開始から29年余りの歳月をかけて2002年に完成しました。高さ109m、長さ308m、総貯水容量7800m3の重力式コンクリートダムです。



車窓からは、アプト線に置き換えられる前に使用されていた線路も見えました。



奥大井湖上駅で、一休みしました。奥大井湖上駅は、長島ダムのダム湖である接岨湖にかかる奥大井レインボーブリッジに挟まれた湖の上にある駅です。ホームには幸せを呼ぶ鐘、Happy Happy Bell 風の忘れもの、恋人たちの愛を誓う「愛の鍵箱」がありました。



尾盛駅です。民家も道路もない本当の無人駅です。 かつては上流にある、奥泉ダムより下流アプトいちしろ駅から見える奥泉発電所までをつなぐ導水トンネルの建設、井川線の工事で栄えた駅でした。今ではほとんど乗降客がない秘境駅です。



関の沢鉄橋を通りました。関の沢鉄橋は、川底からの高さが70.8mあります。私鉄の中では、日本一高い橋梁です。




終点の井川駅より井川ダムを眺めました。井川ダムは、1957年に完成した日本で最初の中空重力式コンクリ−トダムです。当時イタリアでは中空重力ダムが盛んに建設されており、中部電力は社員をイタリアに派遣し、図面などを入手して建設の参考としたそうです。堤高103m余で、このタイプとしては国内では同じ大井川上流にある畑薙第1ダムに次ぐ高さです。




井川駅から、再び千頭駅へ戻りました。辺りがすっかり暗くなりました。



茶どころという民宿で豪華な夕食を食べ、暖かい一夜を過ごしました。