千葉都市モノレール  2012年12月26日(水)

錦糸町駅―(総武本線)―千葉駅―(千葉都市モノレール)―動物公園駅…車両基地・取材…動物公園駅



 本日は、千葉都市モノレールの車両基地を取材しました。千葉都市モノレールは、1988年に開業しました。全長が15.3kmの路線で、世界で最も営業距離の長い懸垂式モノレールとして、ギネスに認定されています。



 千葉の道路上に建設するため、軌道桁を工場で製作し、現場でより短期間で組み立てられるメリットを考え、懸垂式を採用しました。



 最初に、車両洗浄機や点検車庫を見学しました。実際に車両の洗浄を見学しました。1日に2編成の車体を洗浄機で洗います。各車両が10日に1回洗浄器で洗われます。点検車庫には、充電中の軌道点検車が置かれていました。バッテリーで動き、終電から初電までの間、電車線の電気を切り、軌道桁の内部を点検します。



 現在、終電は都賀駅で成田線の終電から乗り換えられる様に千城台駅行きの電車を設定し、千城台駅発の初電を都賀駅で一番最初の快速久里浜駅行きに乗り換えられる様に設定してあります。このダイヤだと、夜中に4時間の点検が出来ます。



 軌道桁の分岐点には、プラップという装置が付いています。プラップを旋回させ、電車の行き先を決めます。雨の日に故障し、動かなくなることがあります。特に落雷により一瞬電源が落ちると動かなくなる時があります。その時は、駅員が軌道桁の上を歩いて行き、分岐点の上にあるハンドルを回してポイントを切りかえます。



 次に、車両搬入庫を見学しました。千葉都市モノレールは、2012年7月8日にアーバンフライヤー0形という新型車両を導入しました。三菱重工業三原工場で製作され、トレーラーでこの車両基地の搬入口まで輸送されました。ここでクレーンを使って2階まで吊り上げられます。



 私たちは、車両基地の2階を見学しました。出屋台の床下を検査するところです。搬入口から吊り上げられた車体がリフティングジャッキに乗せられ横に移動し、レールに吊るされます。



 0形の床下には、窓が付いています。窓には緊急時に備えた脱出シュートが格納されています。今まで、脱出シュートを使ったことはありません。複線路線のため救援車を隣に付けたり、前後に救援車を連結したりして、殆どの場合横移動で対応できます。



 0形は、内装、特に座席の座り心地の良さにこだわりました。また外装も、色合いに配慮をし、ラッピングより手間がかかる塗装をあえて施しました。



 床下には超音波の発信装置が付いていて、駅に到着し、車体の下に転落防止柵がある時にしか扉が開かない仕組みになっています。



 次に3階の検車場を見学しました。モノレールの天井機器を検査するところです。転落しないように、モノレールの機器は全て天井に備え付けられています。



 軌道桁の上部には+の電流を流す電車線、両側面には−の電流を流す電車線が付いています。電車は、架線からパンタグラフを通じて電流を受け、車輪を通じて線路に電流を流しています。



モノレールの車輪はゴム製なので、パンタグラフを3本備え、軌道桁の両側面にある−の電車線に電流を流しています。




 電車線には、1500Vの電流が流れているので、触ったら感電死します。部員たちは、緊張した面持ちで見学しました。



 モノレールの車体は、金属製の懸垂リンクで台車から吊るされています。バックアップとして安全鋼索というワイヤーでも繋がれています。



 台車には、4本の走行輪と4本の案内輪が付いています。懸垂式モノレールの軌道桁は、雨や雪の影響が少ないので、案内輪や走行輪は、ゴムタイヤで出来ています。騒音を減らすために走行輪には、溝が2本のみとなっています。車両基地の入口に60‰の坂(かつての横軽区間と同じ傾斜)、営業線にも58‰の坂があります。ゴム製の走行輪なので登れます。台車には、パーキング用のディスクブレーキも備わっています。



 運転室の真上に連結器が付いています。どの電車も2両1編成で組まれています。幾つかの編成は、連結器の上に電気連結器が付いていて、4両編成で運転出来る様になっています。



 最後に、4階の台車を検査するところを見学しました。21.5tの台車をクレーンで吊り上げて、このフロアーで点検します。台車洗浄装置を見学しました。台車の埃が付くと漏電が起きます。



 帰りに、車両基地の入口にある1次車の前で記念写真を撮影しました。千葉都市モノレールの方々が親切に案内して下さったお陰で、沢山の勉強が出来ました。