源次郎尾根から剱岳山頂へ     2011年8月10日(水)

剱沢キャンプ場…(20)…剱沢雪渓…(30)…源次郎尾根取り付き…(210)…T峰…(60)…U峰…(40)…剱岳(2998m)(20)…カニのヨコバイ…(20)…前剱…(45)…一服剱…(45)…剱山荘…(15)…剱沢小屋…(8)…剱沢キャンプ場・飯盒炊爨・消灯



 今日は、源次郎尾根から剱岳山頂を目指す日です。部員たちは、この日のために、校内で懸垂下降、障害突破とザイルワークの練習をしてきました。顧問の高橋先生は、源次郎尾根で何回も大学生たちを相手に登山研修の講師を勤めていました。今の部員たちなら、落ち着いて学園で練習した通りに取り組めば、源次郎尾根を登れると考えていました。



 大事をとって早朝2時30分に起床し、早めに出発しました。が、剱沢の雪渓に立ち夜が明けてくると、別山尾根側から次々と暗雲が流れて来ました。行く手の源次郎尾根が霧に包まれつつありました。源次郎尾根の急崖の中、土砂降りに見舞われたらたいへん。源次郎尾根の取り付きで、30分ほど天候の様子を見ました。



 雲の流れを見て、今日はこのまま雨が降らないだろうと判断し、源次郎尾根を登ることにしました。部員たちは、最初の木と岩を這い登るのに、少し手間取りましたが、すぐに慣れてきました。しかし、登り始めて1時間ほどたってから、ザイルワークがうまく出来ず、高橋先生の逆鱗に触れました。「一歩間違ったら、全員谷底に落ちているところだぞ。」



 T峰の頂上に着いた所で、高橋先生より全員ここで待っているように指示をされました。部員たちが休んでいる間に、高橋先生がザイルをセッティングしました。部員たちは、ザイルにカラビナをかけて、T峰からコルへ下りました。U峰への登りはたいへん急崖に見えましたが、高橋先生より「君たちなら必ず登れる」と言われ、ハイマツと岩を掴みながら頂上を目指しました。





 U峰の頂上に着くと、八ッ峰や剱岳本峰がよく見えました。U峰からコルへの下りは、ザイルを使っての懸垂下降が必要です。高橋先生が2本のザイルを結び、U峰の頂上にある捨て縄に設置しました。



 30mくらいの断崖でしたが、下ってみるとステップが幾つもありました。部員たちは、日本学園の
1号館の吹抜けや3号館3階の窓から懸垂下降の練習を何回もしていたので、落ち着いてU峰の断崖を下ることが出来ました。





 U峰直下のコルで一休みしました。ここまでの源次郎尾根の道程は、痩せた尾根線の登り下りの連続でした。ここから先は、階段状の岩場が続き、尾根線が次第に太くなり、剱岳本峰南面の登りとなって行きます。部員たちは、行動食を食べ、水を飲み、「ここからは体力勝負だ」と一息に剱岳頂上に登りつめました。





 再び、剱岳頂上の祠の前に出ました。部員同士、無事登頂を喜び、握手を交わしました。下り道の別山尾根のクサリ場に関しては、カラビナを使えば落ち着いて突破できることが、昨日の下山で分かっていました。



 しかし、今日もまたまた部員たちの表情が冴えない。今回の源次郎尾根での登山では、日本学園で練習したザイルワークがきちんと出来ず、結局ユマールを使って高橋先生に吊り上げてもらいました。部員たちは、そのことを残念に感じていました。




 昨日とまったく同じルート、別山尾根のクサリ場をつたって、剱沢キャンプ場を目指しました。昨日に引き続き二回目とあって、カニのヨコバイでも部員たちはテキパキと行動しました。



 一服剱に着いた時に、高橋先生より、「14時代に剱沢キャンプ場に帰れれば、まあまあなコースタイムだよ」と告げられました。部員たちは、目の前に開けた景色を一望して、「今までの道程に比べたら、こんなのはひとっ飛びだよ」とサーッと駆け下りていきました。なかなかのスピードでした。



 またまた今日も剱沢小屋に立ち寄りました。源次郎尾根で、ザイルワークがきちんと出来ませんでしたが、U峰での懸垂下降は学園で練習した通りに出来ました。



 別山尾根のクサリ場では、昨日よりも数段手際よく対応できました。前剱から剱沢小屋までは、顧問が着いて行くのがたいへんなぐらいのペースで下山できました。ということで、今日も高橋先生よりジュースが支給されました。




 別山尾根方面から雷鳴が響き、暗雲が迫って来たので、早々にキャンプ場ヘ帰り、荷物を片付けました。剱沢キャンプ場には、14時30分頃に着きました。荷物を整理し、テントの中で一息ついたら、ザーッと雨が降り出しました。



 夜は、テントの中で、夕食を作って食べました。雨と風がどんどん酷くなりました。明日、下山の予定です。明日の朝、テントを撤収する頃には、雨が止んでいることを祈りながら寝ました。



 夜の22〜24時頃、いよいよ風が強くなり、キャンプ場の中には、テントの張り綱を結び直している人もいました。私たちのテントは、大きな石を利用してテントの張り綱をきつめに縛り付けておいたので無事に雨と風をしのげました。




高1B ヨシキ
 剱岳に登る前は本当に登れるのか心配になりました。しかし、ほぼ毎日トレーニングを積んだら、だんだん障害突破も早くなって、その結果高尾山を1回目のタイム を大きく上回る事が出来ました。しかし、ロープワークにはまだまだ不安が残っていました。
 出発の日、バスステーションが結構遠いかったけど無事にたどり着く事が出来ました。富山について電車を乗り換えたら、遠くに剱岳が見えました。果てしなく遠くに剱岳があるような気がして不安になりました。室堂まで着くと、立山が見えました。そして名水百選の玉湧き水がありました、違いは良くわかりませんでした。そして山岳救助隊が居ました、登山届けを出しましょう。と呼びかけて居て救助以外にもこんな事までするのは大変だと思いました。室堂から立山まで歩き始めたとき荷物の重さに改めて驚きました。西田がすごく飛ばして雄山につく頃には、ヘトヘトでした。せっかく来たのだから、神社を参拝しました。結構長めに休憩を取ったので、元気になりました、また少し歩き女体山で休憩しました。景色が綺麗で圧倒されました。別山まで歩いている途中で高橋先生が言いました、ここで秋に紅葉を見に来ていたパーティーが、天気が突然吹雪になって遭難していのちを落としてしまったらしいです。山の天気の恐ろしさをあらためて実感しました。別山を通って劔沢キャンプ場まで来ました。雨が降って来たので、テントで夕食を作っていたら、雨が止んだので外で作っていたら、またテントで作ってと振り回されました。なんとか作って食べました。
 次の日の朝朝食を取った後、すぐに出発しました。長次郎谷の下まで来たら、あまりにも剱岳が遠くに見えて圧倒されました。クレバスをよけながら歩いて熊の岩までついたら登攀ガイドさんがテントを張ってました。そこからまたさらに歩き長次郎のコルまで来て一息いれて岩場を登りきったら、頂上に着きました、360°全て空が見えてとても気持ちが良かったです。下山するのは大変でした。
 カニのタテバイは特に怖かったです。それだけに、怖い、きつい。だんだんばててきて先生が待てといって止めました、さっきからマイナスのことしか言っていないと指摘されました。確かに言うなといわれて言わなくなったら元のペースに戻りました、人間の心理って怖いなと感じました。剣沢キャンプ場について物干しをしてしばらくたったら、明治大学の山岳部が着ました。着くや否や体操をして缶の瓶で水をくんで来たりとすごい気迫でプレッシャーを感じました。
 次の日の朝、源次郎尾根の取り掛かりの手前で天気が悪くなってきて、少し様子を見ました。上って大丈夫そうだったので登り始めました、早速きつい傾斜が、壁が・・・何度も心をへし折られそうでしたが弱音を言わないように心がけました。しばらくしてロープを張って登る壁でいっぱいですと合図をし忘れました、お前たち今度こんなことがあったら死んだと思え。といわれ心を引き締めなおしました。T峰からU峰に行くときに、崖の淵にライチョウが当たり前のように居座っていて驚きました。2mぐらいしか間があいていなかったので初めてライチョウをまじまじと見られました。この鳥はここも居住範囲なのか?とライチョウ思いながら上えさらに登りました。U峰の懸垂下降は30mくらいありましたがいつもやっていて慣れていたので楽に降りられました。ここからは体力勝負と気合を入れて登り頂上に着きました。昨日見た風景で曇っていたけど不思議と気持ちがよくなりました。
 そして明日の下山の為に明日もお願いします。と剣の神様にお願いして下山しました。一服剣で先生が2時に降りたらいいほうだなといいました。そしたら西田の勝負魂に火がついて強烈な勢いで、下山を始めました。ゼーハ−言いながら死ぬ気で下山したら本当に2時について驚きと共にすごい疲れが襲ってきました。その晩はよく眠れました。
 朝起きたらすごい風で今日下山なのにと不安になりました、撤収して出発したら明大と同じ時間の出発になり、すごい緊迫したムードが別山手前まで続きました。剣御前小屋で休憩中に地獄谷を通っていくか決めました、僕がなんとなくあったかそうだからという理由で決まったのですが。いざ行ってみると硫黄臭い・・・早く抜けたいと思って速度を上げたら、思いっきりガスを吸ってしまいその後の長い階段でむせがとまらなくなり本当に地獄を見ました。
 今回の登山は反省点もたくさん出ました、しかし、よい点もたくさんありました、失敗点は確実になくしていけるよう心がけたいです。