東京都交通局大島車両検修場       2011年7月28日(木)

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 今日は、東京都交通局大島車両検修場を取材させていただきました。大島検修場では、都営新宿線の列車検査、月検査、重要部検査、全般検査が行われています。都営新宿線は、全長23.5km、23駅の路線です。駅施設全て、10両対応で建設されています。開業時に6両編成で運行しました。後に2両ずつ増備しました。



 現在、
8両編成24本、10両編成4本、合計28編成232、電子式チョッパー車とVVVF(Variable Voltage Variable Frequency)制御車が走り、それら全ての車両の整備点検を大島車両検修場が行っています。10-300形というJR東日本のE231をベースにした車両が主力です。検修場の中には、車両自動洗浄装置があり、各車両2週間に1度ずつ洗浄されます。徹底した廃棄物の分別などにより、ISO14001を取得しています。



 私達は、新宿線の概要と大島車両検修場の役割について教わった後、実際に検修場の様子を見学させていただきました。まず、検査ピットにて、10-000形、両先頭の台車を見学しました。枕ばり装置の付いたボルスタ台車です。検査ピットは8両分の長さなので、入庫した車両のうち2両を切り離して対応するために、予備の台車が必要なのです。



 次に
10-300形のボルスタレス台車を見学しました。ディスクブレーキ併用型です。ここで、台車とブレーキの仕組みについて学びました。沢山のユニットブレーキが保管されていました。テコ式ブレーキよりコンパクトで軽量なものの、106点からの部品で作られています。綿密に検査体制を確立しました。10-300形には、駐車ブレーキが付いていて、圧縮空気の圧力が下がっても、バネの力で制輪子が車輪の踏面を強く押し続けます。



 次に、10-000形の直流モーターと10-300形のインダクションモーターを見学しました。インダクションモーターは、直流モーターに比べ、コンパクトになっています。そして、10-300形用のコンプレッサーを見学しました。10両編成の電車に2機搭載されています。空気式のドアエンジンや客室送風具も見学しました。客室送風具は、製造元である三菱の商品名がそのまま部品名になり、車両工場ではラインデリアとよばれています。



 シングルアーム式のパンタグラフも見学しました。パンタグラフは、もともと菱形で収縮する機構を示しますが、多くの人は架線から集電舟を通じて電気を得る集電装置をパンタグラフとよんでいます。



 シングルアーム式は、菱形に比べ簡素な構造になっているが、その分各部品が頑丈に作られているので、重量が180kgと菱形とあまりかわりません。10両編成には6機、8両編成には5機ついています。集電舟は、上げシリンダで架線にあてられ、エアーで下げられます。直流区間か交流区間によって、集電舟の上げ下げの方式が異なります。



 最後に、車体吊り上げ装置、バッテリー式の車両移動機、検査線にとめられている月検査の電車を見学しました。





 検査線の電車に、前照灯や尾灯がついていたら、いつでも出庫できるということです。



 実際に電車の出庫も見学させていただきました。



 10-469号車の運転室を見学させていただきました。トレインナビケーションシステムとデジタルATC化が施され、タッチパネル方式で、電車の情報が運転台に表示されるようになっていました。



 運転席の後ろ側にレバーが付いていて、運転室、車掌室の切り換えが出来ます。車内も詳しく見学させていただきました。10両編成のうち、一部が新津車両製作所で製造されたものでした。E231ベースの車両は、一部新津車両製作所で製造されることになっています。マルタイを製造しているプラッサー社の軌道計測車も見学しました。



 今日は、大島車両検修場の方々が、たいへん親切に案内をして下さりました。新宿線電車の仕組みについて詳しく学ぶことが出来ました。最後に、都営新宿線に関する資料や電車のグッツを沢山いただきました。10月の学園祭に向けて、充分な準備が出来そうです。部員たちは、たいそう喜びました。ありがとうございます。