阪堺電気軌道 我孫子道車両基地 2010年8月18日(水)
住ノ江駅…(15分)…我孫子車両基地・取材
住之江検車区を取材した後、次に阪堺電気軌道の我孫子道車庫を見学させていただきました。我孫子道車庫は、路面電車の車庫としては大きい車庫でした。(中3B モッティー)
在籍車両は、38両です。しかもそのうちの10両は、161形という昭和初期、1928年から導入された冷房なし、しかも扇風機もない、木造の車両でした。夏は暑いそうですが、走行中は40km/h出すため、窓を全開すれば、けっこう涼しいそうです。83年も走っているのに、故障は少ないそうです。(中3B モッティー)
写真は、電車を真横に移動させる遷車台(トラバーサー)です。
我孫子道車両基地では、1日1両のペースで、電車を検査しています。各電車は、3日に1度、161形は2日に1度打音検査をしています。161形は車内が全て木で出来ているため、我孫子道の検査場に木工作業場があります。1996〜1998年に導入された601形は、元大阪市交通局の車両から部品を流用し車体は新造した電車です。(中3C ユーキ)
私たちは、165形に乗せていただきました。
165形は、我孫子道にある鉄道喫茶の広告が施されていました。鉄道喫茶からの要望で、旧南海電車の塗装がされていました。
半鋼制車両、外装は鉄制だが内装は木製の電車です。
クーラーを積むことができず、夏場は暖房所と呼ばれています。
車体のテールライトの近くにパンタグラフを操作するレーバーが付いています。今日はパンタグラフを上げる体験をさせていただきました。
165形の運転台です。
私たちを乗せて、我孫子道構内を走って下さりました。暖房車と言われていますが、前面の窓が全開出来るので、走ってみると車内によく風が通り、乗り心地はかなり良いです。
検車区を見学しました。
検車ピットの乗っている604型の床下を見学しました。
1両自力走行方式なので、走行に必要なモーター、駆動装置、制御器、空気圧縮機全てが備わっています。
フランジは思ったほどレールに深くは挟まっていないです。
172型の車内を見学しました。
172形の運転台です。フッドコンプを営業で使っているのは、阪堺電気軌道のみです。マスコンとブレーキミッションによる運転です。
601系の車内を見学しました。601系は、かつての大阪市電の車両を改造して作りました。
1980年代に軽快型路面電車をモデルに製造した阪堺電気軌道で最も新しい電車です。
車内には、冷房装置が完備されています。
今、阪堺電気軌道には161形が10両あります。今のところ廃車の予定はないそうです。
月検車場を見学しました。鉄工職場、電工職場、木工職場があります。内装が木製の電車があるので、木工職場が必要です。昭和初期の電車の部品は、阪堺軌道で作成しています。
全般検査や重要部検査も行っています。月検査は、1日に1〜2両ずつ行われています。
Zパンタグラフです。
駆動装置の付いた輪軸とタイヤです。踏面が磨り減ったらタイヤのみ交換をします。
塗装場です。電車の塗装は、2〜3年に1度の割合で行われています。雲形イエローの塗装を施しているところです。
阪堺電気軌道では、今まで何色かの雲形塗装の電車を走らせました。黄色いものは、20年前に1ヶ月間しか走らせたことがないので、このたびリバイバルをしてみることになりました。雲形の曲線を色塗るために、特別な木枠があり、何回も同じ雲形の塗装ができるそうです。ただし、すべて手作業です。
電車につけるプレートの案内もフリーハンドで描きます。職人技によるゴシック体の文字です。
かつての京都市電です。廃車になると聞いたので、阪堺軌道が受け継ぎました。今では、イベントや貸切電車に使用されています。
かつては、我孫子道車両基地には、もっと大きな車両工場が隣接していました。工場を縮小して、その跡地を販売しました。写真の右側に写っているマンションンが、かつて阪堺電気軌道の車両工場があったところです。
都電色が施された車両もありました。
最後に、ポイントの切り替えも体験させていただきました。ポイント切り替えレバーは、けっこう重たかった。
我孫子道車両基地では、トラバーサーや車両工場、検査ピット、塗装場などを見学させていただき、車両基地の役割について学びました。車両基地にある161形に乗せていただき、基地の中を実際に走らせて下さりました。その時にパンタグラフの操作も体験させていただきました。部員たちは、貴重な体験をさせていただき、路面電車に興味を持ちました。そして、たいへん喜びました。