東京総合車両センター ２００８年１２月２４日（水）
日本学園…明大前駅―（井の頭線）―渋谷駅―（山手線）―品川駅―（京浜東北線）―大井町駅…（10分）…東京総合車両センター・取材
今日は、東日本旅客鉄道の東京総合車両センターを取材しました。品川駅から
東京総合車両センターでは、201系などの旧形式車両273両、新形式車両226両、新系列車両5096両を担当しています。新系列車両は、京浜東北線・川越線・南武線を走る209系、総武横須賀線・東海道線を走るＥ217系、山手線・総武線・湘南新宿ラインを走るＥ231系です。新系列車両は、なつかしい国鉄103系（1963年製造）と比べると、車体が高張力鋼（鉄）からステンレスへ、制御方式が抵抗制御からＶＶＶＦインバータ（Variable Voltage Variable Frequency可変電圧可変周波数制御）へと変わっています。検査体系も従来の体系と大きく異なります。
新系列車両検修東棟です。旧形式車両は、1両ずつ切り離しての検査になります。新系列車両のメンテナンスは、電車を連結したままクーラーなど取替えと床下気吹き、連結器取替え、台車取替えの順に流れ作業で行われます。旧形式車両の１／２の時間でメンテナンスが行われます。
写真は、新系列車両の検査ピットにある台車取り替え装置です。台車は、電車の下方をくぐり新台車検修ラインに搬送されます。台車検修ラインでは、ジャストインタイム方式が採用されています。新系列車両の検査体系は、5つの段階からなります。６日以内に1回行われる仕業検査、90日以内に1回行われる機能保全、２年半〜４年半以内または走行６０万ｋｍに１回行われる指定保全、５〜９年以内または走行１２０万ｋｍに１回行われる装置保全、１０〜１８年以内または２４０万ｋｍに１回行われる車体保全です。
写真は、車体上げ下ろし場の天井走行クレーンです。ここで、電車の車体と台車を切り離します。車体は、車体修繕場へ回され各部品の修繕が行われます。台車は、台車修繕場へ回され台車枠とモーターに分離され、モーター修繕、台車修繕、車輪修繕が行われます。
台車から切り離された車体は、車体検修場にて車両の内装品や部品取外しと取り付け、車体外板、電気配線、空気配管の検査と修繕が行われます。通常の検査以外に、車両改造や車体のリニューアルも行われます。車体の素材が、高張力鋼（鉄）からステンレスに替わり、錆びなくなったため、外板の補修や塗装が不要となりました。車体のカラーは、ラッピングで施されています。
電車から切り離された台車は、台車検修場に送られます。台車枠から車輪や電動機が外され、検査と清掃作業が施されます。写真は、車輪が取外された台車枠です。台車の軽量化も進んでいます。かつてのゆれ枕式台車は５０７０ｋｇありましたが、現在使用されているボルスタレス台車は４０９０ｋｇです。
写真は、主電動機検修場にある主電動機です。主電動機も性能の向上と軽量化がされています。かつてのＭＴ５４ｄは８００ｋｇだったが、２０９系やＥ２１７系に装備されたＭＴ６８の重量は４９０ｋｇです。京浜東北線や根岸線にて、１０３系より置き換えられた２０９系は、４Ｍ６Ｔ編成で、起動加速度２．５／ｈ／ｓ、最高速度１１０ｋｍ／ｈを達成しました。横須賀線・総武快速線にて、１１３系から置き換えられたＥ２１７系は、最高時速１２０ｋｍを達成しました。インバーター方式の導入により、接点手入れが不要となりメンテナンスコストも下がりました。
主工場の前に並べられた車輪です。１枚が３００ｋｇの重さです。住友金属より１枚８万円で購入しています。大量に発注するので、比較的安い金額です。車輪に傷が入った場合、転削をし完璧な円形を保ちます。おおよそ１２０万ｋｍ走ると交換されます。線路の補修と交換は、営業時間外でしか出来ません。車輪の転削や交換は、車両工場でいつでもできます。電車の急停止では、車輪の方に傷が付く様になっています。
今日は、東京総合車両センターの方々が、親切に工場を案内して下さりました。電車の構造と整備点検について詳しく取材することが出来ました。
東京総合車両センター…大井町駅・解散