京浜急行電鉄 久里浜車両管理区    2008年10月7日(火)

横浜駅―(京浜急行電鉄)―京急久里浜駅…京浜急行久里浜車両管理区・取材…京急久里浜駅

 


 学園祭の代休を利用して、京浜急行電鉄の久里浜車両管理区を取材しました。今日は、旧1000形の12両編成快速特急に乗れました。もう旧1000形の快速特急は珍しいかと、写真を撮りました。久里浜車両管理区では、鉄道研究部が2年前に新町検車区を取材した時にお世話になった方が、車両管理区長として対応して下さりました。管理区長のお話によると、旧1000形はあと2年で廃止になるそうです。

 


 京浜急行久里浜工場は、京急ファインテックという会社になり、京浜急行電鉄全車両の重要部検査やシーサイドラインの検査などを行っています。久里浜車両管理区には、京浜急行電鉄の8両編成の電車が所属しています。ファインテックで検査された車両の最終検査、試運転、本線への電車の出し入れなどを行っています。

 


 最近導入された1000形6次車です。今までは、アルミ合金の車体でしたが、6次車からステンレス車となりました。ステンレス車の外観は、塗装ではなくラッピングを使用します。アルミ合金車や鋼鉄車に比べ、維持管理費が軽減されます。ただし、運転室の付いている前面は、分厚い鋼鉄製となっています。ステンレスだと、前面の丸みがうまく出せないそうです。JR車両では、前面に強化プラスチックなどを利用していますが、京浜急行は鋼鉄を採用しました。

 


 新1000形の新品の台車です。車体直結空気バネ支持方式の台車です。京浜急行電鉄の中では、保守体制も確立しているタイプの台車です。従来の車両にも用いられている乾式ゴム入り円筒案内支持方式を継続採用しました。

 


 固定編成なので連結装置は、先頭車は廻り子式密着連結器(空気電気自動開放方式)、中間車は棒状連結器が採用されています。
 


 VVVF(Variable Voltage Variable Frequency 可変電圧可変周波数)インバータ制御装置です。駆動用の電力を制御する電車の心臓部です。
 


 空気圧縮装置です。空気圧縮方式は、騒音の少ないスクリュー式を採用しました。コンプレッサー、アフタークーラー、除湿装置を一体箱内に内蔵し、小型軽量化、回転振動と騒音の低減を図りました。
 


 補助電源装置です。170kVAの静止型インバータ(SIV)を採用しています。
 


 1500形を見学しました。1985年に京浜急行電鉄に導入された、省エネルギーの新制御方式を取り入れたパイオニアというべき車両です。制御装置には、磁界チョッパ制御、VVVF(1C−8M)制御が採用されています。ブレーキ装置には、応荷重装置付き回生ブレーキ併用全電気指令電磁直通ブレーキを採用しています。
 


 写真は、1500形の運転室です。京浜急行電鉄の場合、8両編成は6M2T(駆動車6両付随車2両)、4両編成は4M(全車駆動車)です。加速が素早く、120km運転を実現しています。普通電車でも駅間を早く走り、退避線に素早く入り、優等列車のスピードアップにつながっています。線路が新幹線と同じ標準軌(レールの幅1435mm)なので、カーブ線でも安定しています。平成21年2月からCS−ATSを導入する予定です。

※ CS−ATS:デジタルATS。

 


 自動洗浄装置で車体を洗浄する電車に乗せていただき、電車の中から洗車の様子を見学しました。双方に縦に張ってある巨大なモップが回転し、その間を電車がすり抜けながら車体が洗浄されます。回転するモップが2箇所あり、最初に洗剤で洗浄され、次に完璧に近い純水で洗剤が洗い流されます。水が乾いた後にまだら模様が出来ない様に洗浄します。

 


 京急ファインテックにある保存車両です。京浜急行電鉄は、今年開通110周年です。全国では3番目、関東地方では始めての電気鉄道として開通しました。現在、開通110周年記念として最初に開通した京急大師線にこの写真と同じ塗装の電車が走っています。

 

 


 京浜急行電鉄の電車は、全て18m車です。京急蒲田駅から羽田空港へのカーブがきついので、18m車の方が有効だそうです。その他、駅の構造、電車を運行させるための設備が全て18m車に合わせてあるので、今後も18m車で統一していきます。