赤岳登頂に挑戦  2008年4月1日(火)

赤岳鉱泉…(70分)…行者小屋…(80分)…文三郎尾根と稜線の分岐…(60分)…行者小屋…(40分)…赤岳鉱泉…(70分)…美濃戸山荘…(40分)…美濃戸口―(諏訪バス)―茅野駅―(タクシー)―望岳の湯・入浴―(タクシー)―茅野駅―(中央本線)―新宿駅・解散

 


 天気予報を確認し、本日は天候がだんだん回復すると予想し、赤岳山頂を目指しました。

 


 が、前日に降った雪のため、ラッセルに手こずり、赤岳鉱泉から行者小屋に出るだけで70分もかかりました。しかも赤岳頂上付近には黒い雲がかかっていました。上は間違いなく、悪天候になっているが、どうするか部員たちに問いました。今までこの日のためにトレーニングをしけきたので、出来る限りのことをしたいと判断しました。

 


 文三郎尾根から赤岳を目指しました。森林帯の中では、雪深くトレースに体力を使いました。ハイ松帯に差し掛かる急登の手前で、部員たちをザイルでつなぎ、滑落事故のない様に体制を組みました。ハイ松帯を登るごとに、風が強くなりました。

 


 阿弥陀岳への分岐を越え、赤岳への稜線に立つと、いよいよ今まで経験したことのない様な冷たい強風が吹き荒れていました。部員たちは目だし帽をかぶり、サングラスやゴーグルをつけていましたが、ゴーグルに雪氷が付き、視界が極端に悪くなりました。まつ毛も凍りつきました。

 


 赤岳頂上への最後の岩場の登りに差し掛かった時、暴風雪の状況を見て、部員たち全員がザイルでつながれていても、この状況で赤岳頂上から岩場を下るのはあまりにも危険だと判断し、ここで引き返すことにしました。ということで、行者小屋から先の写真はまったくありません。撮影している余裕がありませんでした。

 


 帰りのバスの中から、八ヶ岳を見上げると、中腹から頂上にかけて黒い雲に覆われていました。今回の春期合宿は、暴風雪の中、赤岳頂上まであと15分の所まで行きました。1年間の活動の成果を十分出せました。部員たちは、「富士山で雪上訓練をしておいて良かった」と言っていました。

 


 今回の春合宿は、去年と違い天気も寒く、トレースも無いという厳しい条件でしたが、様々なものを得ることが出来ました。1つ目は、本当に厳しい冬山を経験できたということです。本来ならばトレースはあるのですが前日に雪が降ったため、トレースが無いという状況でした。そのため、ラッセルをしていかなければならないということになり、足がつりそうになりながらも必死に登りました。ラッセル訓練は、雪上訓練でもやったので、その経験が今回の春合宿に生かされました。また、今回の春合宿では、最初にも言ったとおり天気が悪く、下界では爆弾低気圧と呼ばれたもの凄い低気圧が、山行の時に日本列島に近づいていました。そのため、頂上に近づくにつれて暴風雪となり、体中にビシビシと雪が当ってきました。まつ毛がだんだんと凍ってきて、視界もだんだんと悪くなってきて、意識がもうろうとする中、よく無事に下山できたと自分の中では思います。2つ目は、自分の中の限界を超えることができたということです。先生は普段から「自分の中の限界を超えて強くなれる」とおっしゃっていました。なので自分はきっと山行前より強くなれたのではないかと思います。あの時自分の中の限界を越えられたからこそ、今の自分がいると思います。これからも少しずつ自分の中の限界を超えて行って少しでも強くなれたらと思っています。去年の無念の途中下山から一年。今年も悪天候のため頂上付近で引き返すことにはなりましたが、去年と違い様々なものを得ることが出来ました。あの時頑張らなければ、この様なものは得られなかったのではないかと思います。この頑張りは、もっと受験勉強にも生かされると思います。今回の経験を生かし、残りの山行を大事にしていきたいです。(山溪部長 高2A ナオ)