東京メトロ南北線 王子検車区    2008年3月6日(木)

明大前駅―(京王電鉄)―新線新宿駅―(都営新宿線)―市ヶ谷駅―(東京地下鉄南北線)―王子神谷駅王子検車区・取材王子駅・解散




 学年末試験と春期特別授業の狭間を利用して、東京地下鉄南北線の王子検車区を取材しました。王子検車区では、営業線での不具合への対応、車両交換や修理を行っています。南北線の車両の全般検査や重要部検査は、千代田線の綾瀬工場で行われています。王子検車区にも自動洗浄機があるが、車両の手洗いは埼玉高速鉄道に委託しています。





 王子検車区は、26〜27mの深さの地下3階の施設です。写真は、車両搬入口を地下から見上げたものです。平成3年南北線、赤羽岩淵−駒込間開業時、他線と線路がつながっていなかったので、この搬入口から上に見える緑色のクレーンを使って車両を1両ずつ入れました。川崎重工(神戸)からJR貨物とトレーラーを利用して、40時間かけて輸送・搬入しました。現在、日本車両(名古屋)・東急車輛(横浜)・近畿車輛の電車が走っています。最近入線した10000系は、日立製作所(山口)より搬入しました。







  電車の台車です。営業走行中には、台車の空気バネにかかる圧力から、電車の乗車率を計測し、車内の空調やブレーキ圧を自動調整します。王子検車区には、車輪転削器があり、12ヶ月に1回の割合で、転削作業が行われています。








 南北線車両の運転台です。ワンマン運転に必要な装置が、備え付けられています。乗務員がコンピュータ画面を見て、電車のドアの開閉をする様になっています。ATO(
Automatic Train Operation device 自動列車運転装置)やCTC(Centralized Traffic Control 列車集中制御)も装備されています。

 


車内の蛍光灯には、飛散防止のためのチューブを被せてあるが、スキー板などの接触による破壊が問題になっています。




 写真の中央に写っている平たい板は、電車の床下に備え付けられたATC(
Automatic Train Control device 自動列車制御装置)の車上子です。線路側に備え付けられた地上子と連動して、電車の速度を調整します。南北線は、ホームドアを導入しています。この車上子と地上子とを用いて、電車のドアとホームドアの位置が正確に合う様に、電車を停車させます。




 現在、南北線には、21本の電車が運行しています。まもなく2編成が増備されます。電車の増備の場合、車両の発注が少ないと、1両当たりの単価がかなり高くつきます。今度の増備には、1両につき1億4千万円かかりました。副都心線の車両の準備には、車両の発注数が多かったので、もう少し安い単価で用意できました。現在、試運転の段階に入っています。

 


写真は、南北線車両の床下に備え付けられた日立製のVVVF
(Varable Voltage 可変電圧 Variable Frequency 可変周波数)インバータ制御器、電圧・周波数・誘導電動機の同期速度と回転速度の差を制御する装置です。 
 


 今日は、王子神谷検車区の方々にたいへんお世話になりました。地下鉄電車の仕組みについて詳しく学ぶことになりました。