東京都交通局 大島車両検修所  2007年8月8日(水)

明大前駅―(京王電鉄)―新宿駅―(都営新宿線)―東大島駅…大島車両検修所・取材




 本日は、東京都交通局にお願いをして、都営地下鉄新宿線の大島車両検修所を取材させていただきました。最初に、大島車両検修所の概要、設備と役割について紹介していただきました。

 


 大島車両検修所は。大島駅から1kmの引込み線でつながれています。途中には、車両搬入庫があります。新車両は、金沢八景にある東急車輛の工場から夜中に4時間かかけて陸路輸送されて、ここから入庫されます。

 


 大島車両検修所は、二層式の地下基地です。検車部門にて列車検査・月検査・弱電検査・車輪転削、修車部門にて全般検査・重要部検査・臨時検査を行なっています。

 


 電車の更新が進み、新宿線224両のうち半数が9次車になっています。電車はおおよそ30年使用したら、解体されます。20m車で、軌道の幅も京王電鉄の幅とあって、地方鉄道への転用は難しいようです。一時期南米諸国への払い下げの話もあったそうです。




 写真は、ブレーキシューを採用した台車です。

 


 電車を停止させる時、車輪に押し付けられるブレーキシューです使用していくうちに、摩擦によりだんだんと薄くなってきます。




 写真は、ディスクブレーキを採用した台車です。時速100kmからの減速では、ディスクブレーキの方が安定性が高いということで、最近の台車はディスクブレーキを採用しています。

 


 写真は、ディスクブレーキを締めるパットです。ブレーキシューもパットも、9ヶ月で磨耗し交換されています。

 


 電車を走らせるモーターです。

 


新宿線で使用しているパンタグラフです。ステンレス製のシングルアームです。ひし形のパンタグラフに比べ、部品が少なくメンテナンスがより経済的だそうです。

 


 架線への接合部分が摩擦で磨り減ってきたら、接合部の金具のみ磨耗した内側と磨耗していない外側を反対に付け直し、再び利用しています。

 


 車輪旋盤機による車輪転削作業です。10分で1回転分転削します。車輪の直径は、860mmですが、780mmに転削されるまで使います。おおよそ12年使えます。

 


 8両編成各車両の中でも、車輪に傷がつきやすい、磨耗しやすい個所があります。1回の転削作業で、1両分16枚全ての車輪を同じ直径に転削します。

 


 車内や運転室を見学させていただきました。

 


 新たに導入された車両は、車内の内装が少し変わりました。

 


 車内の色合いや座席の形が変わりました。座席の下に設置されているヒーターが小型化されました。

 


 都営新宿線の車両の規格は、車輪の軌幅だけでなく、運転室のハンドルの段数やスイッチ類も京王電鉄に合わせて作られています。




 本日は、東京都交通局の方々より、都営新宿線車両の仕組みと大島車両検修所の役割について詳しく学ぶことが出来ました。お蔭様で良い取材が出来ました。ありがとうございました。