東京都交通局 荒川線 荒川検修所 2007年8月8日(水)
 
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 午後は、都電荒川線荒川車両検修所を取材しました。荒川線は、三ノ輪橋・早稲田間12.2kmを日中6分間隔56分で結んでいます。写真は、三ノ輪駅です。

 


 荒川車庫でも、検車部門では車両検査・月検査、修車部門では全般検査・重要部検査・臨時検査が行なわれています。

 


 電車は最高時速80kmで走れる性能がありますが、営業運転では最高時速を40kmに設定しています。制御装置は、7000・7500計36両が自動抵抗制御方式、8500形6両がVVVF(可変電圧・可変周波数 variable voltage,variable frequency)インバータ制御装置を採用しています。

 


 トラバーサピットにあるトラバーサです。
 


 電車を乗せ真横に移動し、電車を入庫線から洗浄線、留置線、検査線、修繕線、出庫線へと運びます。

 


 車両洗浄線です。手前に写っている装置が車両洗浄機です。奥に写っている山吹色の台が車両洗浄台です。

 


 留置線は、6本あります。




 都電のパンタグラフです。6000形までは、ビューゲルを採用していました。


 


 7000形からはクラ―を搭載したので、パンタグラフに変更しました。クーラーの電源装置は、常に電気が必要なので、離線が起きやすいビューゲルから、架線への追従性が良いパンタグラフに切り替えました。




 写真の左側が6000形のマスターコントローラー(マスコン)、中央が7500系のマスコン、右側がブレーキレバーです。6000系のマスコンは、600Vスイッチで調整するタイプです。スイッチを切る時に起こる火花による出火に備え、大掛かりなタイプのものになっています。7000形以降の車両は、バスと同じ部品を使う様に転換してきました。





都電の車輪です。輪軸に鉄製のタイヤをはめ込む方式です。磨耗や傷などにより3〜8ヶ月でタイヤの部分のみを交換します。交換するのが、タイヤの部分だけなので経済的です。

 
 


 都営新宿線など一般の高速電車の車輪は、車輪が1枚の丸い板になっています。都電荒川線の様に時速40km以下でのブレーキならば、鉄製のタイヤの使用が可能です。写真の車輪は、車軸とギアを合わせて1本300万円するそうです。

 


 都営新宿線の様な高速運転で急ブレーキをかけた場合、鉄製のタイヤだとブレーキによる摩擦で高温となり膨張し危険なので、円盤型の車輪を使用しているとのことでした。




 荒川車両検修所には、出庫が3線あります。かつては、常にこの3線に検査が終了した電車が待機してあり、運転手が自由に電車を選んで営業線に出発していました。
 


 8500形を導入したら、運転手の多くが8500形を選ばなかったので、今では必ずどれか1両を営業線への渡り線に配置しています。8500形は、他の車両と運転する時の感覚が若干異なるので、みんな使い慣れている7000形や7500形を選んでいたそうです。

 


 写真は、7000形の運転台です。ツーハンドル方式です。

 


 王子駅前と飛鳥山の間の坂道の走行では、ツーハンドル方式の方がスピードを調整しやすいとのことでした。




 都営地下鉄新宿線の車両は、かつては1両1億2000〜3000万円していました。電車の標準化と量産効果により10-300形(JR231系と同じ設計)は、1両9000万円で出来ているそうです。都営荒川線の9001号(最近投入されたレトロ電車)の場合、電車の前後に運転室があること、各制御機全てを積んでいること、発注量も少ないこともあり、1両が1億9000万円したそうです。今、都電荒川線は、1日500〜600万円の収入を得ています。都営地下鉄の電車は40年で更新していますが、荒川線の電車は50年以上使用しないと採算が合わないそうです。 




 荒川車両検修所を見学した後、荒川遊園に6152号車を撮影しました。

 


 荒川車両検修所の前にある都電おもいで広場です。写真は、5500形です。

 


 都電おもいで広場に静態保存されている7504号車です。

 


 都電荒川線に乗って早稲田まで行きました。早稲田大学を見学してから解散しました。