阪急電鉄 正雀工場 2007.4.3(火) ホテル東横イン…天満橋駅―(大阪市営地下鉄)―東梅田駅…阪神梅田駅―(阪神電鉄)―三宮駅―(阪急電鉄)―正雀駅…正雀工場・取材 |
朝早くに阪神電鉄、山陽電鉄直通特急に乗り、神戸三宮へ行きました。退避設備が多くありスピードも速くクロスシートも付いていて、京浜急行電鉄みたいな感じでした。阪急電鉄で大阪へ戻り、阪急電鉄の正雀工場を取材しました。 |
阪急電鉄は、京都線・神戸線・宝塚線を中心に140kmの営業線と1311両の電車を保有しています。各線に車両基地がありますが、阪急電鉄の全ての電車が正雀工場で検査を受けています。敷地面積61460u、主工場建物面積22393uのかなり広大な車両基地と工場でした。関東地方の民鉄では、東武鉄道の南栗橋工場や北春日部車両基地のような広さでした。 |
阪急京都線の電車は、他の阪急路線の電車より若干幅が広く設計されています。全ての阪急車両が京都線を走れますが、京都線の車両は他の路線を走ると、車体がホームをこすってしまう場所があります。 |
正雀工場には、電車運転士の教習所があり、車掌なら1ヶ月、運転士なら4ヶ月で実地訓練に入るそうです。電車運転免許は、営業線を走る電車を運転する甲免許と工場や車両基地内の電車を運転する乙免許があります。 |
車体検査場には、35t天井走行クレーンが2基あり、台車脱着場から車体検査場へ車体を移動させます。地上から運転できる無線運転や、オペレータがリモコン装置でクレーンの移動先番地を指示する方式です。 |
電車1両の重量はおおよそ35t、そのうち台車が14tです。 |
阪急電車の車体は、ほとんどが鉄製です。そのほかにアルミニウム製のものもあります。今のところステンレス車を導入する予定はないそうです。鉄製車体もアルミ製車体にも同じ塗装がされています。車体の下部に付いている金具のボルトの形の違いから、車体の素材を見分けます。 |
車体の屋根に備え付けられるクーラーの室外機です。 |
電気の入っていない車両を搬送する機械です。 |
台車分解組立作業場です。 |
車輪は、急ブレーキをかけた時にフラット傷(車輪の一部が平らになる傷)が出来やすい。高速で走る6300形車両では特に傷が入りやすい。M車(駆動車)の車輪にはフラット傷、T車(付随車)の車輪にはサーマル傷(車輪の表面に横に入る傷)が出来る傾向があります。 |
ブレーキシューです。 |
車輪と駆動装置が外された台車枠。 |
工場内で台車枠を輸送する自動搬送装置。 |
車体の下に設置されている台車をはめる装置。 |
阪急電鉄としては、車内を丁寧にリニューアルして、1両の車両を50〜60年利用していきたいとのことです。 |
写真の左側に写っている車両がリニューアル前の車両、右側に写っている車両がリニューアル後の車両です。間通路の扉が取り替えられています。車掌さんが乗務員室から全車両の車内を見渡せるように扉の窓が大きくなっています。 |
これからも阪急のトレードマークである、マルーン色の車体、緑色の座席、木目調の車内を維持していくとのことです。 |
扉の開閉に必要な圧縮空気を供給するコンプレッサー。 |
回転機検修作業場で分解されたモーター。 |
ひし形パンタグラフの骨組み。 |
シングルアーム式のパンタグラフの骨組み。ひし形パンタグラフに比べ、部品が少ない分、メンテナンスがしやすいそうです。 |
連結器。 |
回転機作業場。 |
旧型車両の運転室部分が保存されていました。 |
運転室を見学しました。 |
大阪急行電鉄時代の社章です。京都市、大阪市、神戸市各市のマークを重ねて作ったデザインです。 |
なんと、正雀車両工場の方が、業務の合間を縫って、阪急電車の模型を作成していました。毎年、正雀工場で行われる阪急電鉄のイベントの日に、イベントを見学しに来た子どもたちを客車に乗せて、構内をこの電車で走らせるそうです。 |
本日は、阪急電鉄正雀工場の方々に親切に案内していただき、工場の役割、電車の仕組み、阪急電鉄の取り組みについて詳しく学ぶことができました。ありがとうございます。阪急電鉄といえば、早い、便利、豪華な電車と、高級なイメージでした。車両工場も、素晴らしいものでした。 |