横浜市営地下鉄 上永谷車両基地   2007年3月8日(木)
 
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今日は、学年末試験の最終日です。平日の午後を利用して、横浜市営地下鉄の上永谷車両基地を取材しました。




最初に検車区会議室にて横浜市営地下鉄の概要と車両基地の役割について学びました。次に、検車場を見学しました。検車場では、列車検査、月検査と臨時検査が行われています。列車検査は、走行10日をこえない期間ごとに、電車の主要な部分について主に目視検査や機能検査を行います。月検査は、走行3ヶ月をこえないごとに、電車の各部を点検し、車両用自動試験装置を使って機能検査を行います。




3000形電車の運転室です。運転台の左に写っている2つの丸い計器は、左側が電流計、右側が双信圧力計です。中央に写っているメーターは、速度指示計です。右側に写っているパネルは、YTM装置(Yokohama Train Manegement System)です。各車両に搭載された情報末端装置を通じて、運転室から列車内の空調など主要機器の制御と監視ができます。




 第三軌条(サードレール)方式の集電方式について学びました。横浜市営地下鉄は、電流を線路のわきに沿って備えつかられた第三軌条から取り入れる方式です。架線よりも小さいトンネルで対応でき、その分建設費用が安く済みます。電流は、台車に付いている収電靴から取り入れられます。写真の中央に写っている赤い板です。




 路線にはポイント部分など、第三軌条が線路に沿って付いてない部分が一部あります。収電靴は、30mのデット(ポイントなどの第三軌条が付いてない区間)まで対応できるようになっています。




 検車場には、安全に検査をするために第三軌条がありません。第三軌条の代わりに、トロリーという電気コードが天井から吊られています。




 トロリーの先には大きなコネクターが付いています。台車に付いているソケットにはめて、写真に写っている黒と黄色の板を電車の扉に挟んで、トロリーが電車に電流を送りながら、電車とともに移動する様になっています。




 写真の右側に写っている白い機械は、M台車(駆動装置が付いている台車)の基礎ブレーキ装置です。車輪の内側にディスクブレーキが付いています。




 写真の中央に写っている平たい板は、ATO車上子です。ATO Automatic Train Operation device 自動列車運転装置 電車が発車後に定められた速度まで自動的に加速し、その後定速運転を行い、停車駅に近づくと地上子から停止位置までの距離情報を得て、ホームドアにぴったり合うように電車を停車させる装置です。




 先頭車の床下に備え付けられた電子警報装置です。合成和音で、トンネル内で吹鳴するのに最も適する様に設定されています。




 次に、車両修繕工場を見学しました。写真は、電気が入っていない電車を動かす車両です。
 上永谷車両基地 



 車両修繕工場では、4年以内または60万km以内に1度の重要部検査と、8年以内に1度の全般検査が行われています。天井走行クレーンで、車体と台車が切り離され、それぞれ詳しく検査されます。




 重要部検査は、制御装置・台車・ブレーキなど、各装置の点検や部品の交換です。全般検査は、電車の主要な部品を取り外し、点検、測定、部品の取り替えです。私たちは、電車に乗り、各装置について学びました。車内の照明の幾つかは非常時に備えてバッテリー(2〜3時間はもつ)が対応しています。




 扉の上部に備え付けられた戸閉装置です。鴨居取付け式電磁弁一体形戸閉装置といいます。扉の閉動作時に、一定時間戸閉力が低減され、扉間に挟まった乗客の安全を図ります。




 座席の下部に備えついけられた客室用暖房器です。輻射と対流が良好な反射形暖房器を座席下に設け、室内空気を迅速かつ均一に上昇させます。




 私たちは、車両修繕工場で、台車や車軸の取り外し、車内各部品の点検について見学しました。







 車輪は完璧な円形に旋盤するが、ディスクブレーキのブレーキシューは制動性を高めるために完璧な平面にはしないです。車輪は、12年間ほど使うが、先頭車両の車輪の磨耗が激しい。




 使い終わった車輪(鉄製)は、リサイクル業者に売るのだが、最近の金属価格の高騰により、その価格が10〜20倍に上がったそうです。




 上永谷車両基地の方々が新設に案内してくれましたので、詳しく学ぶことが出来ました。上永谷車両基地では、近所の中学校の体験学習も行われているそうです。




 帰りは横浜市営地下鉄で、センター北駅まで行き、阪急デパートの屋上にある観覧車に乗り、新横浜の夜景を眺めました。