京浜急行電鉄 久里浜検車区  2002年10月8日(火)

横浜駅―(京浜急行電鉄)―京急久里浜駅―(京急バス)―舟倉停留所…(5分)…久里浜検車区・取材…(5分)…舟倉停留所―(京急バス)―京急久里浜駅



学園祭の代休を利用して、京浜急行電鉄の久里浜検車区を取材しました。



京急久里浜駅の駅前には、賑やかな商店街が開けています。



こちらは、JR横須賀線の久里浜駅です。



 久里浜検車区は、京浜急行電鉄久里浜線の久里浜駅と北久里浜駅にある久里浜車両工場に隣接した所にあります。私たちは、久里浜検車区の役割と施設、車両の検査について学びました。冷房装置や制御機、運転室などを見学しました。



 車両基地に停車している1000系と2100系です。最初に私たちは、車両基地にとまっている2100形電車を見学させていただきました。2100形は、1998に導入されました。京浜急行の本線久里浜線を運行する快特で使用されていた2000形の後継車として製造されました。京浜急行電鉄の創立100周年を記念し、21世紀へ向かう車両として2100の形式が付けられました。2100形の導入により2000形は3ドアの車両に改造され、1000形や700形と置き換えられました。



 写真は、2100形の乗務員室です。乗務員室内はベージュ系の配色、運転台計器台は濃い灰色の色調です。計器盤は、600形よりも60mm低くして、特に連結時に前方の下部をより確実に視認できる様にしました。主幹制御器は、T字形ワンハンドル式で、力行1~5ノッチ、常用ブレーキ1~5段、非常で構成されています。マスコンハンドル右端には非常時に使用する「緊急スイッチ」を新たに設置ししまた。



 写真は、2100形の車椅子コーナーです。内装のコンセプトは、「CasualFree若者と自然のエリア」とし、メルティな乗り心地、ソフトでやさしい、深く透き通るような客室空間を実現しました。車内は淡い琥珀色の大理石模様化粧板張りとし、連結面の妻壁は淡い紫色の化粧シートとしました。車椅子スペースは先頭車の乗務員室次位の扉直後に設置をしています。天井部はFRP製の曲面天井で構成されています。床材は、新造車としては初めての塗り床の構造とし、ベージュと赤色のモザイク柄となりました。



 次に1500形を見学しました。1500形は、1985に導入された通勤形電車です。老朽化した1000形の置き換えを目的に、第2世代の東京都交通局浅草線京成電鉄、北総開発鉄道への乗り入れ車両として製造されました。乗り入れ協定に基づいて、京浜急行電鉄で初めて型ワンハンドルマスコンを採用しました。



 1500形に乗って電車の中で、自動洗浄装置による車体の洗浄を体験しました。洗剤と純水が車体に吹き付けられ、大きなモップが回転し車体を洗い、車体だけでなく窓ガラスも凄く奇麗になりました。



 次に私たちは、2000形を見学しました。2000形は、1982に導入されたかつての優等列車用車両です。600の代替時期に、おもに快速特急用として、長距離旅客のサービス向上のために製造されました。2000形の主なポイントは、料金不要でありながら有料特急に匹敵する内装、快適さとラッシュ時への対応が両立できる様に2扉クロスシートで扉付近の立ち席スペースを広くしたこと、120km/h運転を実現するために均衡速度130km/h以上としたこと、800のシステムを受け継ぎ主電動機出力を向上し、編成の中に付随車を挿入したことがあげられます。



 導入されてから快特での運用を中心に使用されたため、走行距離が長く、足回りの老朽化が懸念されたので、快速特急を中心とした運用を2100形に受け継ぎました。2000形は、3扉ロングシートに改造されて、ラッシュ時中心に使用することになりました。検査ピットで、2000形の冷房装置の室外機やパンタグラフなどの屋根機器を見学しました。



 最後に私たちは、600形電車を見学しました。600形は、1994に導入されました。600形は、1500形に次いで、1000形に替わる都営地下鉄浅草線乗入車両として製造されました。日本の地下鉄対応車両としては珍しい全座席クロスシート車両として、混雑時の収容力と閑散時の快適性の両立を図った可動式座席を採用して製造されました。



 他の大手私鉄やJRは多扉や大型扉の車両をラッシュ時の運行円滑化のために導入していた時期でしたが、京急はクロスシート車を導入し、利用者の快適性を優先しました。600形の1 - 3次車では、両端ドアの車体中央寄に混雑時の収容力確保のため運転台からの操作で2人掛けと人掛けが転換する可動式座席「ツイングルシート」が採用されました。「ツイングル」とは「ツイン」と「シングル」をかけた造語です。スイッチでの操作で、座席が瞬時にセットされました。



 今日は久里浜検車区の方々に親切く案内していただいたおかげで、検車区の設備と役割、電車の仕組み、検査の手順について詳しく取材できました。早速、日本学園に戻ったら今日学んだことをまとめたいと思います。