箱根 強羅公園と大涌谷を散策   2001年11月18日()

小田原駅―(箱根登山鉄道)―強羅駅…強羅公園・散策…強羅駅―(箱根ケーブルカー)―早雲山駅―(箱根ロープウェイ)―大湧谷駅…大湧谷・散策…大湧谷駅―(箱根ロープウェイ)―早雲山駅―(箱根ケーブルカー)―強羅駅―(箱根登山鉄道)―小田原・解散



本日は、小田原駅に集合し、箱根登山鉄道に乗って、日帰りで箱根を散策しました。



箱根登山鉄道の前身は、小田原と箱根を結ぶために1888年に設立された小田原馬車鉄道(その後の軌道線)です。その後電化により1896年には小田原電気鉄道となり、1928年にいったん日本電力に合併した後に箱根登山鉄道として独立しました。鉄道路線として鉄道線と鋼索線(箱根登山ケーブルカー)の2路線があります。強羅や宮城野地区の旅館などへの温泉供給も行っています。



箱根登山鉄道の鉄道線は、最急80‰という、ラックレールやケーブルに頼らない粘着式鉄道(普通鉄道)としては日本最急勾配の区間があります。鉄道線を建設した時、スイスのベルニナ鉄道(その後のレーティッシュ鉄道ベルニナ線)を参考にしました。その縁で1979年に、箱根登山鉄道とレーティッシュ鉄道は、スイス政府観光局の協力を得て姉妹鉄道提携を結びました。鉄道線を利用する観光客が増加し、1991年には年間輸送人員が1千万人を超えました。



この当時、箱根を訪れる観光客のうち52%は何らかの形で箱根登山鉄道を利用していました。当時の登山電車の最大輸送力は、2両編成で15分間隔でした。ゴールデンウィークや箱根大名行列が開催される11月などは登山電車に乗るのに2時間待ちとなりました。しかし、特有の線路条件から増発はできないため、列車を最大3両編成にすることとなり、全駅のホーム延伸対応工事が実施されました。塔ノ沢駅の工事が予定より早く終了したため、3両編成での運行が当初の予定199310月から繰り上がり、1993714日に開始されました。




強羅公園は、強羅駅近くにある箱根登山鉄道が運営する公園です。国の登録記念物です。明治時代以降、首都圏南部の別荘地・避暑地として開発されていた箱根・強羅地区に、主に華族など上流階級の親睦・保養施設として、開園されました。1957年に有料公園として一般開放され、植物園・体験型工芸施設などが整備されました。



強羅公園を散策した後、箱根ケーブルカーに乗って早雲山へ行きました。箱根ケーブルカーは、強羅駅と早雲山駅とを結ぶ箱根登山鉄道の鋼索線です。関東では最も古いケーブルカー路線です。小田原電気鉄道では1911年に強羅の土地を取得し、旅館や別荘地として販売を行っていました。しかし、この地域の傾斜がきついため、この別荘地内の居住者の便を図り、同時に箱根回遊コースの一環として敷設されました。登山鉄道の工事が優先されたため、建設に着手したのは登山電車の開業後の1921年でした。



軌条・車両・巻上げ装置など、一切の装置をすべてスイス製から現物を輸入しました。
鉄道線が3両編成化されたことに伴い、鋼索線も輸送力増強を行なうことになり、1995316日よりスイス製の車両による2両編成での運行が開始されました。この置き換えに際し、それまで987mmであった軌間が983mmに改軌されました。



早雲山駅でロープウェイに乗り換えました。20026月に箱根ロープウェイ早雲山―大涌谷駅間が2本ロープのフニテルに置き換えられるとのことで、今のゴンドラを見納めに行きました。



箱根ロープウェイは、早雲山駅と桃源台駅を結ぶ全長約4kmの索道です。架け替え工事は、総工費約70億円、200012月から鉄塔解体、新設、駅舎改修などがおこなわれます。新型ロープウェイは2本のロープでぶら下がったゴンドラが循環する複式単線自動循環式であり、スイスCWA製のゴンドラ(定員18人)を全線に50台設置した。



各駅で1分間隔の運行で、輸送力は1時間当たり975人から1440人に48%増となるそうです。所要時間は架け替え前と比較して早雲山 - 大涌谷間で1分短縮の約8分となるそうです。ゴンドラに乗って景色を眺めていると、既にロープウェイの西隣に新しい鉄塔が建設されていました。




大涌谷駅に着いてから、私たちは大涌谷を散策しました。大涌谷は、箱根火山の火山性地すべりによる崩壊地形です。箱根火山の中央火口丘である冠ヶ岳の標高800mから1000mの北側斜面にあり、地熱地帯で活発な噴気地帯でもあります。箱根火山に多数有る噴気地帯の中では最も規模が大きいです。



江戸時代は地獄谷や大地獄と呼ばれていたが、明治天皇・皇后の行幸啓に際し、187695日に改称されました。箱根ロープウェイを利用し容易に訪れる事が出来る観光地として整備され、観光用に噴煙や硫黄を見ることが出来るようになっています。



火山ガス(亜硫酸ガス、硫化水素ガス)が噴出しているため健康上の注意が必要です。
地熱を利用して作られたゆで卵が販売されています。当地で湧いている温泉に含まれる硫黄と鉄分が結びつき黒い硫化鉄となり卵の殻に付着して、黒く変色していることから黒玉子と呼ばれます。黒玉子は1個食べると寿命が7年延びるそうで、軽食や土産として人気があります。



私たちは、大涌谷を散策してから、箱根ロープウェイ、ケーブルカー、登山鉄道を乗り継いで東京へ帰りました。強羅公園の紅葉が素晴らしかった。