東武鉄道 春日部車両基地 1998年12月17日(木)
北千住駅―(東武鉄道)―北春日部駅…春日部車両基地・取材…北春日部駅―(東武鉄道)―北千住駅・解散
試験休みを利用して、東武鉄道の春日部車両基地を取材しました。
東武鉄道は、伊勢崎線・日光線・野田線などの本線、東上本線・越生線などの東上線に大きく分けられます。東武鉄道の車両は、両線の間を秩父鉄道の寄居駅・羽生駅間を利用して行き来しています。部員たちは、春日部車両基地の広大さにちょっとビックリしました。
東武鉄道は、東上鉄道(東上本線)を合併したほか、第二次世界大戦中の陸上交通事業調整法により、総武鉄道(野田線)や下野電気鉄道(鬼怒川線)などの鉄道会社を合併しました。
東上鉄道との合併は、対等合併でした。西池袋に東上業務部が設置され、本線とは列車種別や運行体制が異なります。東武鉄道の路線は、近畿日本鉄道と名古屋鉄道に次ぎ民鉄第3位の長さ、463.3kmです(1998年)。
自動転削装置での車輪踏面の転削作業を見学しました。
傷の入った車輪を完璧な円形に旋盤して、傷を落とす作業です。
写真は、東武鉄道の新型通勤車両30000系です。いずれ営団地下鉄半蔵門線と相互乗り入れを始めた時に、半蔵門線に乗り入れる車両です。
まだ、曳舟駅や押上駅の工事があまり進んでいないので、この車両が半蔵門線を走るのは、当分先の事だそうです。
東武鉄道の急行車両「りょうもう」や特急車両「スペーシア」の運転室や放送設備を見学しました。
写真は、100系電車、東武鉄道の特急形車両です。日光線特急列車用として1990年6月1日に営業運転を開始しました。一般公募により「スペーシア (SPACIA) 」と名付けられました。私たちは、スペーシアの運転室や車内設備を見学させていただきました。
100系の全体の設計コンセプトとしは、Fast
& Pleasureでした。車体の前面は、非貫通の流線形です。東武鉄道で初めてのオールアルミ合金製とされ、軽量化と低重心化が図られました。
スペーシアは、高速運転に対応し運転室となっていました。
また、床部分の厚さが先代特急車の1720系の50
mmから130 mmにし、客室を静粛に保つ配慮をしました。客用扉には外開式のプラグドアが採用され、側面の平滑化が図られました。
フランスのシラク大統領も乗った客車も見学しました。どれかの窓が防弾ガラスになっているそうです。車内を見学していたら、突然スペーシアが動き出しました。私たちは、スペーシアに乗りながら、自動車両清掃装置で車両を清掃するところを見学しました。
乗務員室を見学しました。車内放送も体験しました。車内放送には、自動放送装置も装備されています。
内装は、銀座東武ホテルのデザインを手掛けたデザイナーのロバート・マーチャントによってデザインされました。1~5号車の座席は横2+2配列の回転式リクライニングシートです。座席の前後間隔は1100mm、全座席にフットレストが装備されています。
ヘッドレストにスピーカーが内蔵されており、オーディオサービスが実施されています。3号車には、ビュッフェやサービスカウンター、電話室、自動販売機などの設備があります。トイレ・洗面所は1・4・6号車に設置されていて、トイレはどの車両にも洋式・和式の双方があります。
6号車には4人用個室が6室あります。ホテルの客室のような設計で、床面にカーペットが敷かれていて、大理石製のテーブルが設置されています。個室からビュッフェへ注文出来る通話装置やオーディオサービス、電動のブラインドなども設置されています。
スペーシアの車体塗装は、ジャスミンホワイトを基調とし、パープルルビーとサニーコーラルオレンジの帯をつけ、窓回りを黒としました。
写真は、東武300系電車です。1991年7月21日に営業運転を開始した東武鉄道の優等列車用車両です。
武日光線では、優等列車として特急の他に快速急行がありましたが、快速急行には快速用の6050系が使われていました。急行「りょうもう」で使用されていた1800系のうち、200系の増備で運用を離脱した車両を改造し、6両編成を300系、4両編成を350系としました。
私たちは運転室を見学しました。
東300系・350系の登場により、「快速急行」は「急行」に変更された。
また、これに伴い快速急行運用から6050系が撤退し、運用の空きができたために団体用などの臨時列車にも使用されるようになりました。そのため、従来これらの臨時列車に充当されていた5700系が営業運転から離脱しました。
今日一日、東武鉄道春日部車両基地の方々が、スペーシアをはじめ東部各車両の運転室や車両設備を案内して下さりました。お蔭様で、電車の仕組みについて詳しく学ぶことができました。ありがとうございます。