第七話 誕生?二組のカップル
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さてさて、占いの結果はありえない結果に終わったけどこれどうしようかな〜
とちょっと考えていると香織ちゃんがものすごく楽しそうに私の隣に来て、
「で?栞の方はいい結果が出たみたいね。まあ、あんたらは普段からも仲良いから当然か」
香織ちゃん?本気で楽しんでますね?
周りの人が引く位泣きますよ?
「悪い結果が出るよりは良いんじゃねえか?」
それには私も同感ではあるんだけどね〜
ん〜、まあいっか。
「それより、香織ちゃんの方はどうだったの?」
「あたし?あたし達のも相性は良いって出てたよ。この手のやつで相性最悪とか出るときってあるのかね〜」
「ふふ、そういえば見た事ありませんね。あ、私とロッピも最高の相性だってでましたよ」
「ふ、それは当然だな。俺にはほのしか見えてない」
「はいはい、そういう事言わないの」
「何を言う、俺はほのに出会えた事が何よりの幸せだといつも実感してるんだぜ?」
「はいはい、私もよ」
む〜・・・ほのさん幸せそうな笑顔だな〜。崩してみたい気もするけど・・・
「なんだ、みんな相性良いのか。ちょっと位変わった結果が出てくれないとどうにも信憑性が・・・」
そうだね〜、いい話しか出ないんじゃないかって思うよねこれじゃ。
ん?あっちで何かあったのか?
「相性最悪って・・・マジか!ま、まあこんなの占いだからな気にしないでいこうぜ」
「あんたが私に合わせないからこういう結果になるんでしょう!」
なにやら結果が悪かったカップルがいるようだ。
ん〜やはり悪い結果も出るんだね〜。
「・・・となると俺は栞と相性がいい訳か」
「ちょ!何言い出すのよ!」
ったく、こいつは・・・何言い出すんだかまったく。
でも、私もそんなに悪い気はしてないんだよね・・・
あれ?そういえばフロッピーさんがいないような・・・
ん〜と・・・ああ、いたいた。あれ?あそこにあるのは・・・ぷりくら?
・・・まあそっとしておこうか。
って、あれ?香織ちゃんと佐々木君もいない??
「ああ、ほのかとフロッピーは向こうに行ったぞ。で、松井と徹はあっちだ」
ま・・・また私たちをおいてどっかに行ってるし・・・これは誰かの陰謀ですか??
「なあ、栞。俺たちさ・・・いや、なんでもねえ。次はどこいく?希望が無いなら俺行きたい所があるんだが一緒に行かないか?」
「え?私は別に構わないけど香織ちゃん達はどうすんの?」
「先に置いて行ったのはあいつらだし、ほっとけ」
なるほど、確かに一理ある。
「それじゃ、そっちに付き合うよ。で?どこに行くの?」
「おう!さすが栞。そう来なくちゃな!行きたいのはあれだ!!」
元気に指差した先にあるのは・・・
そう、それは私も非常に興味のあったそれであった。



「こ、こわかった〜。最新技術恐るべし!」
「確かにすごかった・・・恐るべし最新技術!」
そう、二人で入ったのは最初に入ろうとしたホラーハウスなのでした〜
いや〜、最新技術侮れん!!
あそこまで恐怖な物件だったとは・・・
つ、つい鈴木君の腕にしがみついちゃってたよ。
つ、ついだから!たまたまだから!
って、私は誰に言い訳してるんだろう・・・
「あれ?あそこにいるの香織ちゃん達だ。ほのちゃんもいるね」
「そろそろ時間だしな。合流して戻ろうぜ」
もう時間か〜まだ遊びたかったけどこればかりはしょうがないよね。
みんなで入り口前の広場に向かいながら私はひとつの事を考えていました。
それは、
『香織ちゃんと佐々木君はどうなったんだろう・・・』
ということ。私たちと離れて行動してたみたいだし、どうなったんだろう。
傍目にはよくわからないな〜ええい、聞いちゃえ〜。
「ねえねえ、佐々木君。香織ちゃんとはどうなったの〜?」
「え?あ、いや、あ、あはは・・・」
ささ〜と誤魔化す様に去っていってしまった。
おや?



「諸君!楽しんだかね?」
お〜!
「それは重畳。だが!まだまだお楽しみはこれからだ〜!!」
おお〜〜!!
まずい!この流れは非常にまずい!!
というわけで、私は寝る!おやすみ〜♪
「学校に戻るまでの4時間!盛り上がっていくぞ〜!!」
おおお〜〜〜!!!
「よし、松井少尉!トップバッターは任せたぞ!」
おおおおおおお!!!!!!
大盛り上がりなバス内・・・
でも、香織ちゃんの様子はいつもと違ってるみたいだ。
どうしたんだろう。
「?どうした松井少尉、具合でも悪いのか?」
先生もいつもと違う香織ちゃんに気づいたみたいね。
でも、どうしちゃったんだろう。
「え!あ、いえ、その、な、なんでもないです。どうぞお構いなく」
はい?
なに?この受け答え?
お、おかしすぎる!!
「え〜と・・・あ、あははは。空がとっても綺麗ですよ〜皆さん」
・・・さっきまでの喧騒が嘘のようにし〜んとしてしまった。
「そ、そうか、まあ、ゆっくり休んでるのが良いぞ。他の者も、まあなんだ・・・ゆっくり休んどけ」
異常事態発生。と誰もが認識し、そしてそれを鋭く察したのか全員が静かに事態を見守っていた。
いや、正しくは静かになってはいたが、全員の視線が私に集中していた。
(こ、この感じは・・・私に事情を聞けと?そういう流れ??)
視線を先生の方へ向けると無言でうんうんと頷かれた。
や、やっぱりそういうことなのね〜(T-T)
しょ、しょうがない・・・
「ね、ねえ香織ちゃん?何かあったの?」
びく!っとなった?びくっ!となったよね?今
「な、何って何?これといって何も無いよ。うん、何も無い」
じ〜っと香織ちゃんの目を見つめる。昔から香織ちゃんはこの手に弱いのだ♪
「ぅ・・・栞〜、その手は反則だよ〜」
「じゃあ、何があったのか言いなよ」
「ぅ〜・・・栞の意地悪」
なんかかわいいな〜。
こんな姿をクラスの男共に見られたら大変な事になるね。
って、ここはバス内だから見られてるか〜
ああ、やっぱりあっちこっちで撃沈してる男子が数人いるわ。
「・・・じ、実はさっき佐々木君に、その・・・」
なるほど、すべて納得した。
な〜んだ、佐々木君ったらきっちり決めてたのね。
私の苦労が実ったわけだ。よかったよかった♪
「なるほど、おめでとう香織ちゃん」
「あ、あたしはまだ付き合うとは言ってないよ〜」
「あれ?付き合わないの?佐々木君良い人だよ?」
「そ、そんなのわかってるよ〜」
「じゃあ、良いじゃない?」
「む〜、そういう栞はどうなのよ?」
「へ?私??」
なぜ私に話がくる??私そんな相手いたっけ??
「信二君といい感じじゃない?付き合ってないの?彼も良い人だよ?」
「へ?鈴木君?」
なるほど〜そうくるか〜
しかし、困ったぞ、ここで私が拒否すると、絶対にそれじゃあといって香織ちゃんも断るぞ。
さてさて、うまい方法は・・・
「ん?俺たち?付き合ってるぜ?なあ、栞」
「はい??」
ざわざわざわざわ
な、何を言い出すんだこの男は。
い、いや、待って。ちょっと待って・・・
「徹はいいやつだぞ?松井とだったらちょうどつりあうと思うし俺は賛成だぜ?」
「そ、そうかな?あたしに徹君はもったいなさ過ぎる気が」
「そんなこと無いよ!僕の方こそ、香織さんにふさわしくないかもって・・・でも」
「そ、そんなこと無いよ!あたしにはもったいなさ過ぎるよ」
「香織さん・・・」
「徹君・・・」
二人の世界に行ってしまったようだ・・・
ドサクサ紛れで私の話がうやむやになったからまあ良いか。
しかし、みんな見てるってのを気づいてるんだろうかこいつらは(^^;
「こほん、あ〜なんだ、先生の目の前でそういう話をされても困るんだが。
 だが、それでこそ男だ!佐々木!良くぞ言った!よし、佐々木を少尉に任命してやろう!」
わ〜
ぱちぱちぱち
おめでとう〜
ちきしょう!俺も狙ってたのに〜
バス内のあちこちから賞賛の声があがっている。
中には悔しがる子もあるようだが。
「ようし!めでたく二組のカップルが誕生したことを記念して、盛り上がっていくぞ〜!!」
おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!
「ちょっとまった〜!二組って私?私と鈴木君のこと??」
「何をいまさら言ってんだ?さっき鈴木が断言してただろうが」
「ちっが〜〜〜う!私達はまだそんな仲じゃな〜い!」
「まだ?いずれそうなるんだろうが、面倒だから今認めちまえ!さあ!野郎共!カラオケ大会だ〜!」
おおお〜う!!
「ひ、人の話を聞け〜〜〜〜〜〜!!!!!」
「ま、こうなっちまったんだし、これからもよろしくな栞」
「も、問題の元凶がぬけぬけと言うな〜〜〜」
はぁ・・・私のこれからの学校生活はどうなっちゃうのかしら・・・とほほ〜〜

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あとがき

はい、というわけでこの第7話にて一応完結ということになります。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。
こういった学園物は実は初挑戦だった作者ですが、結構楽しく書かせていただきました。
普段は剣と魔法のファンタジーものなので、普通の学生にスポットを当てる話というのはなかなか難しかったです。
お話の途中で出てきたカラオケの話なんかは学生時代の実話です。
ものすごく上手い人がいて、その人オンステージ!って状態になってたんですよね〜
まさかあの時の経験がネタに出来るとは思っていませんでした。感謝感謝です♪
(さすがにあの先生や、クラスのノリなんかはフィクションですがね(苦笑))
ネタ的には続きもなんかいけそうじゃない?といった状態になってますが、この先の話は想像の段階でしか考えていません。
もし、プロットなんかに出来たら続きも書いてみたいかもしれませんね。
それでは、また別の機会にお会いしましょう。