第四話 いきなりWデート!?
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というわけで、やってきましたアミューズメントパーク。
ようやくカラオケ地獄から抜け出せたわ。
帰りが怖いけど。
よ〜し、今日はばっちり最新制御技術を見てくるぞ〜♪
なにやら佐々木君はぐったりしてるけど……
「よ〜し新兵共、急いで降車!他の部隊に遅れたら根性直しの腕立て10回だ!」
藤林先生も絶好調のようだ。
もちろん皆も元気一杯にバスを降りていく。
「おい、栞。徹の奴、今日は大丈夫だと思うか?」
「あはは、車酔いしやすいんだね〜佐々木君は」
「みたいだな、おかげで俺の美声を皆に聞かせられなかったぜ。ったく」
「へえ〜鈴木君、歌うまいんだ?」
「ふ、今度聞かせてやるぜ。まあ、栞の歌もなかなかだったぜ」
「はいはい、ありがとね」
そういえば、カラオケに行く時も鈴木君はバイトで忙しいといってたり、疲れてるとかで寝てたっけ。
っと、そんなことは置いといて。
鈴木君と今日の件について軽く打ち合わせる。
そう、今日は香織ちゃんと佐々木君の仲を進展させようというのが私たちの目標なのだ!
「さて、それじゃまた後でな」
「うん。またね」
そういって鈴木君は男子の列にもどっていった。
「ねえねえ、小笠原さんって鈴木君と付き合ってるの?」
「え?」
クラスメートの突然の質問に私は呆然とする。
付き合ってる?
私が?
鈴木君と??
「まさか〜そんなわけ無いじゃない」
「え〜でもいつも一緒にいるし〜」
「そうそう、さっきも妙に仲よさそうに話してたし〜」
「香織さんもいい感じだよね〜って言ってたし〜」
「ほんとの所はどうなのよ〜」
話がすごい方向に飛んで行ってるな〜
しかし、みんなどうしてこうも他人の恋愛話に興味深々なんだろう……
って、私も一緒か(苦笑)
「ほんとに何でも無いんだって。今日、佐々木君と香織ちゃんを含めたいつもの4人で一緒に回る約束してたからその話をしてただけだよ」
「いつもの4人ね〜。な〜んだ、つまんないの〜」
「でもさ〜、何気にそれってWデートだね」
「あら、そういえばそうなるわね」
またしても話がすごい方向に行ってるな〜
にしても、こんな状況になってるのに我が親友たる香織ちゃんはどこに行ったのかしら。
ちょっとはフォローしてよね!
と、香織ちゃんの姿が無い。
あれ?どこいったんだろう??
きょろきょろと周りを探してみる。
でも、やっぱりいない。
「小笠原少尉!何をきょろきょろしている。話を聞いていたか?復唱してみろ!」
「にょ!」
しまった、探すのに夢中になってて何も聞いてなかった。
ままままずい!
これは非常にまずい!!
ここで聞いてませんでしたなんて言おうものなら根性直しの腕立て10回とか言われる〜
こんな公衆の面前で腕立てなんていや〜><
しかもスカートなのよ〜みられちゃう〜ってまあ、それは置いといて。
どうしようどうしようどうしようどうしよう。
「大佐殿!作戦開始時刻です。直ちに行軍を開始いたしましょう!」
「む!松井少尉か。うむ、時間はダイヤモンドより貴重である。よし!全軍作戦開始だ!」
「了解!アルファ隊西ゲートより突入開始します」
「Year!ブラボー隊東ゲートより進入開始!」
「イエッサー!チャーリー隊正面ゲートの突破に成功」
「こちらデルタ1。ゲートに取り付きました。これより状況を開始します」
「こちらエコー隊。アルファ隊に続き西ゲートに突入します」
「フォックストロット隊はブラボー隊と共に突入します」
「ゴルフ2より本部へ。作戦失敗!小学生の団体客に先を越されました。突入プランBに変更します」
「本部から各員へ。皆聞け。突入後の行動は各員の判断に任せる。諸君の検討を祈る」
え〜、何時決まったの?この部隊割。
それに、アルファとかベータとか部隊の呼称も何時の間に決まってたわけ?
更に言うなら私はどこの隊で隊長はだれ?
「いや〜さすが松井さん見事に部隊を割り振ったね〜」
何とか復活したらしい佐々木君が感心したようにうんうん言っている。
どういうこと?
「おい、徹どういうことだ?」
鈴木君も分からなかったらしく私と同じ疑問を持ったようだ。
「あれ?二人とも知らなかったの?班決めの時に部隊番号も決めたじゃないか」
数字しか決めてなかったような……そしてうちは確か13班だと思ったけど
「確かうちの班って13班だったような記憶があるんだが、栞。あってたっけ?」
「うん、私もそう記憶してるよ」
「だよな?数字しか決めてねえのになんでアルファだのブラボーだのになるんだ?」
「航空無線なんかではアルファ、ブラボー、チャーリーって呼ぶんだよ。で、13番目はMに相当するんでマイクと呼ばれる」
さすが佐々木君。伊達にあの先生と香織ちゃんと付き合ってないわね……
しかし、そうなるとうちはマイク隊ってことですか。
まあ、こうなると隊長はあのお方ってことだね。
「栞!佐々木君!鈴木君!ぐずぐずしない正面ゲートから突入するわ。急いで!!」
ああ、やっぱりね〜。ある程度予想はしてたよ
「マイク1より本部。これより正面ゲートから内部に突入します。援護よろしく」
「こちら本部。マイク1了解」
「マイク1からマイク2へ。まずは3Dアトラクションへ向かうわよ!」
マイク2って誰(苦笑)
しかし、その辺は手馴れた感じで、
「マイク2了解。突貫します!」
佐々木君が見事にマイク2になったようです。
それにしても、このノリは何時になったら慣れるんだろう。
なんか私にはずっと無理な気がするな〜
「なあ栞。俺このノリにいつ順応できるんだろうな」
「奇遇ね。私も同じ事考えてたわ」
「「はぁ……まあ、なんとかなるか(よね)」」
二人同時にため息をつくのであった。