Company

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プロローグ11


ある程度話も落ち着いてきた時に、ふと今後の事を何も話していない事に気づいたロビンは、
「さて、これから俺はどうすれば良いのかな?」
と、今後についての話題を振ってみた。
「そうだな。とりあえずは同志を集めようか。まだまだ俺達は人手不足だからな」
「足りないのは人手だけじゃなさそうだがな」
「それについては否定はしないさ。さて、そろそろ出るか」
「そうだな、これ以上長居すると店に迷惑だろう品。所でここの払いはお願いして良いんだろうね?」
勘定の札をすすっとリュウガの方に押しやりロビンはニヤリと笑う。
「ち、まあ良いさ。今回は特別に奢ってやるさ。次はないぜ」
最初からロビンに払わせるつもりなど無かったが、なんとなく認めたくなかったらしく冗談混じりにそう答える。
「わかってるって♪」
対するロビンもわかってる事を前提にして軽く答えるのであった。
カフェを出ると、すっかり日も昇っていた。
ずいぶん長い事話し込んでいたようである。
そろそろお昼の時間だろうか……
「よしローズ、俺達のアジトにいこうぜ。といっても俺の部屋だがな」
「ああ、それは助かる。そろそろお昼だしどうしようかと思ってたところなんだ」
「もうそんな時間か、じゃあ、お昼食ってから集合にするか?」
遠まわしに昼飯を食わせろと言っているのだが、リュウガには通じなかったようである。
「やれやれ、確かに君に交渉事は無理なようだね。とりあえず行こうか」
「ん?ああ、まあいっか。こっちだぜ」
先を歩くリュウガの背中を見ながらロビンは少し考える。
何でこんな事になってしまったのだろう……と。
あの時、資料室にいかなかったら……。
あの資料を王宮に持っていかなければ……。
IFの可能性をいくら考えても無駄な事はわかっている。
だが、今回ばかりはついつい考えてしまうのであった。
(さすがに今回はIFの世界を考えてしまうよな〜。やれやれ……)
知人を死なせたの自分の行動のせいだ。
本来彼は何の関係もなかったのだから。
(借りはきっちりかえさせてもらうさ。借りっぱなしは性に合わないんでね)
よし!っと気合を一つ入れる。
「リュウガ!部屋についたら色々教えてもらうぞ」
「わかってるって、とはいっても俺もあまり詳しくは理解してないからな〜その辺は勘弁してくれよ?」

最初は小さな波であった。
小船一つ動かす事の出来ない小さな小さな波であった。
だが、その小さな波は確実に。着実に大きくなっていき、
ついには世界を変えるほどの波になるであろうものであった。
今はまだ、アムステルダムの一角で誕生したばかり。
この波がどのように大きくなっていくのか。
それは、また別の機会に語られる事だろう。

外交のロビンと軍事のリュウガ。
後の世に『反まろこ商事運動の四柱』と謳われる4人のうちの2人。
彼らの活躍が世に出てくる日はまだ遠い……

End?


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