第六話 悲しき対決

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前回のあらすじ
自分自身の修行と新たな仲間を探す為に城を出た志郎と萌とブルーは、魔術学校に到着した。
魔術学校ではささという校長が迎えてくれた。
ブルーはさっそくクラ国王に聞いていた神官についてを聞き出そうとしたがなぜか断られてしまった。
ささ校長の対応に不信を感じながらも部屋に戻ったブルーは一通の手紙を見つけた。
その手紙を見た時からブルーは姿を消していた。
ブルーが姿を消した事を志郎と萌は知らなかった。

一方、アクア国のクラ国王は各地の情報を集めていた。
フレイ国の壊滅や、フレイ国国王の死亡、第一王子の行方不明、ウィン国の崩壊等の情報が入ってくる中で、
ウィン国のらま国王が無事だったと言う知らせに安堵感を覚えるクラ国王だった。

その頃、闇騎士とマサキは、元ウィン国の首都クレアにいた。
二人は、闇軍団の棟梁たるにゃんこに現在の状況を説明する為にこの地にきていた
状況を説明し終わった後、闇騎士には魔術学校の破壊と、勇者の抹殺を、
マサキには伝説の神器、雷神剣と風神剣の封印を命令していた。
果たして、志郎達は、生き残れるのか?
そして、消えたブルーは何処へ行ったのか。
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時空の覇者 第六話 悲しき対決

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「ふっふっふなかなか楽しい展開になってきたにゃ〜。これであの方も満足していただけるだろう」
にゃんこは、そうつぶやくと虚空に消えていた。

闇騎士と、マサキは共に、任務につこうとしていた。
「だい、この剣を使え!お前ならこの剣を使いこなせるだろう」
マサキは闇騎士に風神剣を手渡しながらそう言った。
「良いのか?これはにゃんこ様から封印するように言われた物だぞ」
「かまわんさ、貴様が勇者どもを始末してから、封印しても遅くは無いだろう?」
マサキがそう言うと、だいは、無言のまま風神剣を受け取った。
そして、だいはそのまま消えていった。
「ふふふ。使えて当然だな。なにせ奴は・・・。さて、では私も行動に移るとするか」

その頃、志郎は魔術学校で修行をしていた。志郎は類まれな才能を持っていたらしく
すでに魔法剣をマスターしていた。同じように萌も魔術の基礎的な事はマスターしていた。
「さすがに、疲れたね。志郎君」
萌が志郎に声をかけた。
「ああ、でも魔法剣も結構面白いね♪使い方を覚えると意外と簡単だしね」
志郎は気楽にそう言った。
「魔術もコツを覚えると面白いわ。でも、こんな力が私にあったなんてちょっと意外だったわね」
「そうだな、俺もこんな力が使えるとは思わなかったよ」
ふと、地球での事を思い出したのか萌の目から涙がこぼれていた。
「もっ萌?どっどうしたんだ?」
志郎がおろおろしながらたずねると、
「ごめんなさい、ちょっと地球での事を思い出しちゃって。もう帰れないのかしら」
萌が、そう言うと、志郎は少し考え込んでしまった。
志郎にもその不安はあったのだった。
自分も不安に思っているのに「大丈夫だ」と答えて良いものかと迷っていたのだった。
「志郎君。私の飼っていたペットの名前、覚えてる?」
いきなり質問されて驚いたが志郎はすぐにペットの名前を思い出していた。
「覚えてるよ、確かタマという名前だったよね」
「そう、ちゃんと覚えててくれたのね。元気でいるのかしら」
「きっと元気さ。なんと言っても猫だからね」
そう言うと志郎と萌は笑い出していた。

「勇者達は、修行を終えましてございます」
ささ校長がそう言うと画面の相手はうれしそうな顔をした。
「そうか、終わったか。闇騎士の襲撃には間に合ったという事か」
「闇騎士どのがここを襲撃するのですか?」
ささが驚きの声をあげた。
そう言っている間に遠くで爆発音のようなものが聞こえてきた。
「始まったようだな。後は、奴に任せておけば良かろう」
そう言うと画面が消えてしまった。
「・・・・私は見捨てられたのか・・・・」
見捨てられた事を悟ったささ校長ががっくりと膝をついていた。

「勇者は何処にいる!」
だいは、風神剣を一振りし衝撃波を出した。
その衝撃波はすさまじく、魔術学校の半分を吹き飛ばしていた。
「くっそ〜!一体奴は何者なんだ?」
「とにかく奴に攻撃を集中するんだ!」
「校長や他の先生はどうしたんだ!」
「誰が回復魔術が使える奴はいないのか」
いきなりの襲撃に生徒たちは戸惑いながらも反撃を開始していた。
だが、だいの放つ衝撃波の前に皆やられていくのだった。

「一体何なんだあの剣は?魔法剣にしては威力がでか過ぎるぞ!」
志郎と萌は間一髪のところで衝撃波をかわしていた。
だが、その威力に戸惑っていた。
「そう言えばブルーさんがいないわよ」
萌が辺りを見まわしてみるとブルーの姿がない事に気づいた。
「・・・・・あいつなら大丈夫だ。それより、今はあの男を何とかしなくては」
志郎は剣を握り締めながら闇騎士に向かっていった。
「そこにいたのか!くらえ!」
闇騎士が剣を振るたびにすさまじい衝撃波が巻き起こった。
だが志郎はそのすべての衝撃波をよけていた。
「俺の衝撃波がかわされている?馬鹿な!そんな事があるはずが無い!」
だいはさらに多くの衝撃波を放ってきた。
志郎は攻撃を避けるのがやっとで闇騎士に近づくことが出来ないでいた。
志郎が苦戦しているのを見ていた萌は、援護の為に魔術を放っていた。
だが、その魔術も衝撃波によって、弾かれていた。
「どうしよう、衝撃波に邪魔されて魔術が届かないわ。このままじゃ志郎君が・・・」
それでも、萌は炎の矢を放ちつづけていた。
「ただ闇雲に撃ったのではだめだ。奴の頭上に向かって撃て!」
不意に聞こえてきた声に戸惑っていると、謎の声はさらに聞こえてきた。
「はやくするのだ!勇者様がやられても良いのか!」
その声を聞いた萌は謎の声に従い闇騎士の頭上に向かって炎の矢を放ったのだった。
萌が放った炎の矢は闇騎士の頭上の建物を撃ちぬいたのだった。
「なんだと!」
闇騎士はとっさにバックステップし落下してくるものを回避した。
だが、その一瞬の隙をついて、志郎が一気に間合いを詰めていた。
「もらったぜ!」
志郎は自分が使える中でも最強と信じている魔法剣を闇騎士に叩き込んでいた。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!」
志郎の魔法剣は闇騎士の兜を叩き壊した。
「しまった・・・浅かったか・・・・」
志郎が間合いを取って構えていると、先ほど聞こえた謎の声の主が現れた。
「お見事!これで勝負が決まった」
「志郎君、怪我は無い」
心配そうに志郎の元に駆けつけてきた萌に大丈夫だよと答えると、謎の人物の元へと歩いていった。
「貴方は一体誰なんですか?」
志郎が問うと、
「すまん、今は名乗る事が出来ないのだ。すまんが好きなように呼んでくれ」
と、謎の男が言うと、すかさず萌が
「じゃ貴方の事はタマさんと呼びましょう♪」
萌のいきなりの発言に男は少し固まってしまった。
しばらくしてから、固まりも解けてきたのかやっと口を開いた。
「・・・まっまあそう呼びたいのなら、そっそう呼んでくれ・・・はっははは」
ひきつった笑みを見せながらタマと呼ばれる事を承知した。
志郎は先ほどまでの戦闘を忘れて笑っていた。
「・・・・うっうう〜ん・・・・ここは・・・・一体何処だ?」
闇騎士が起き上がってそう言った。
「やあ、だいようやくお目覚めかな?」
タマがそう言うと、だいは、タマを見つめはっとした。
「これは、むむぐ・・・・」
だいが、タマの名前を叫ぼうとした時とっさに口をふさいだのはタマだった。
「私の名前は今はまだ秘密なんだ。私の事はタマと呼んでくれ」
タマが小声でだいにそう言うとだいはうなずいたので口をふさぐ手をどかした。
「・・・・ふー、では、改めてタマ様ここは一体?私はこんな所で何をしているのですかな?」
タマがだいに状況と今までの経緯を話すとだいは強いショックを受けていた。
「わっ私が父や母を殺したと言うのか?私が?」
「君は操られていたんだ。しょうがないとは言わないがあまりショックを受けるな!」
「しかし・・・・!」
「今は未来を見る事の方が大事なんだ。こらえてくれ」
だいは、無言のままうなずいていた。
志郎と萌は話しに取り残されたように呆然としていた。
「あっとすまない。紹介がまだだったねこの人はだいといってフレイ国の第一王子です」
タマの説明によると、だいはフレイ国でも最強の剣士だった。
だが、国が滅びる1週間前に行方不明になっていた。
そして、闇軍団に洗脳されていたのだそうだ。
「それじゃ、闇騎士の正体はフレイ国の王子様と言う事なんですか?」
萌がそう質問するとタマはうなずいた。
「でも、誰が貴方を操っていたんですか?」
志郎がだいに質問すると、
「私も詳しくは覚えていないのだがにゃんこと言う者が私に命令していた。
それ以上は私はわからないのだすまない」
「にゃんこ・・・・それが敵の名前なのか・・・」
「でも、なんか憎めない名前よね♪」
萌がそう言うと全員が倒れこんでしまった・・・・
「萌〜・・・・・・」
志郎は戦闘の緊張感が無くなっているのに気がついた。
「ふっふっふ。萌の存在って貴重だよな。ははははは(^▽^)」
志郎がそう言うと周りにいたものがうなずいた。
「まったくだな」
いつのまにか戦場には楽しげな笑い声が聞こえていた。

志郎達がだいと戦闘をしている頃、ブルーは手紙に書いてあった場所にたどり着いていた。
「ここか、ここに師匠がいるのか・・・・」
ブルーが見た手紙には次の事が書いてあった。

「バルジ山の山頂にて待つ、私を超えたいのなら、そして、私を倒したいのなら来るが良い
                                                   マサキ」
そして、今ブルーはバルジ山にたどり着いていた。
「ふっ、ブルーか早かったな。私が教えていた頃よりは魔力が上がっているようだな」
そう言った時マサキの顔はブルーが知っているやさしかった時のマサキの顔だった。
「師匠・・・」
師匠が元に戻られたと期待したブルーだったがその期待はもろくも崩れていった。
「前にも言ったが私は操られているのではないぞ!私は自分の意思で動いている!」
「師匠何故なんですか?何故アサ姫を殺そうとしたんですか!」
ブルーの中ではその事が大きく疑問点として残っていた。
「貴方は殺そうとすればいつでも姫を殺せたはずだ!なのになぜ!」
しばらく黙って聞いていたマサキだが、しばらくしてその疑問に答えてきた。
「勇者を召還させるまでは殺すわけにはいかなかったのだ私の、そして、わが主の願いをかなえる為にはな!」
マサキの答えを聞いてブルーの中で疑問が消えた。
それと同時に師匠を倒すという事が決定事項のようになってしまった。
「これ以上の語らいは不要だ。ブルーよ私を超えてみよ!」
マサキがマジックミサイルをブルーに向けて放ってきた。
ブルーはなんとかかわしていたが、まだ迷っていた。
「師匠、私は、貴方を倒します!」
「ふっふっふようやく決心したか。ではゆくぞ!」
マサキとブルーの戦いは5時間にも及んだ。
なんと二人の魔力はまったく同レベルなのだった。
「くぅぅ・・・まさか奴が私と同レベルの魔力を使えるとは・・・・甘かったは!」
長時間の戦闘でもブルーは落ち着いていた。
状況的には圧倒的に不利な状態にいるのだが不思議と落ち着いていた。
そのせいか、マサキの動きも攻撃魔法の起動もはっきりと見て取る事ができた。
「見える、師匠の動きが、攻撃の軌道が・・・これなら!」
ブルーはマサキの攻撃をすべてかわしていた。
それとは対照的にマサキのほうは自分の魔術で防がなくてはいけなかった。
「馬鹿な!私が押されている?そんな・・・・馬鹿な!私は闇魔術師マサキだぞ!」
マサキはあせっていた、その焦りがミスを呼んだ。
「しまった!私とした事が!・・・・」
マサキがミスをした事で、戦況はブルーに有利になっていった。
「師匠、覚悟〜!」
ブルーの渾身の一撃がマサキに直撃をした。
勝利の女神はブルーに微笑んだ。
直撃をくらったマサキはそのまま火口に落ちていった。
「師匠・・・・」
ブルーは火口を見つめていた。だが、マサキの姿は何処にも見えなかった。
しばらくして、ブルーは一本の剣が山頂に刺さっているのを発見した。
「この剣は・・・もしや雷神剣!何故この剣がここに?」
ブルーはもう一本の剣も探したが見つからなかった。
「仕方ない、今は一刻も早くみんなの所に戻らなくては」
ブルーは残りの魔力を使ってテレポートをした、魔術学校に向かって。

「闇騎士は洗脳から逃れ、マサキは火口に落ちたか・・・・ふっふっふすべてシナリオ通りだな」
「はい、すべて貴方様のシナリオ通りですにゃ」
「にゃんこよ最後の幕を開けるとするか」
「ははっ仰せにしたがいますにゃ」
にゃんこはそう言うとウィン国の首都クレアに向けてテレポートしていた。
「ふっふっふマサキは火口に落ちたか・・・ふふふふふ・・・・はっははははは!」

ついに、真の敵が現れた。
そして、志郎の元に三神器がそろおうとしていた。
三神器がそろう時一体何が起こるのか!そして、志郎達は無事に真の敵を倒し、元の世界にモ戻る事が出来るのか
次回へ続く
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あとがき
時空の覇者 第6話 悲しき対決 いかがでしたでしょうか?
今回はかなり長くなってしまったようですが、私としては書きたい事を書けたので大満足です
今回の話しで出てきたキャラは前々から約束していた方々からお借りしました。
出すよ出すよと言っておきながら今の今まで出せなくてすみませんでした。(T-T)
今回、かなり無理やりの設定のような気がしたのはだいさんの役の闇騎士ですかね。
かなり設定に無理がありましたね(笑)。
希望とちょっと違っているかもしれませんがその辺は勘弁してくださいね。
さて、今回の登場キャラの紹介をしますね♪

フレイ国第一王子、だい(闇騎士)
チャットで知り合ったお友達のHNを使わせていただきました。
本人の希望ではガ○リィみたいにしてくれとの事でしたが
ちょっと(かなり?)違ってしまったかもしれませんね(笑)

謎の男、タマ
こちらの方もチャットで知り合ったお友達です。
こちらの方のHNも使うのに結構苦労しました。(笑)
まあ、こちらの方もなんかギャグキャラに近くなってしまったようですけど(T-T)
その辺は作者の発想力の無さと構成力の無さなもんでかんべんね(笑)

とまあ、今回はこのくらいでしょうか。
ようやく三神器も志郎君達の元に集まってきたようですし、なんとなく良い感じになってきましたね。

ここで、製作裏話をちょっと。
実はこの小説ガンダムWを見ながら作っていました。
そんな訳で山の名前がバルジ山という名前になっているんですね〜(笑)
ついでに言わせてもらうと一日で一気に書いてるんで誤字脱字が多いかも

この、小説も次回でやっと完結する予定です。
これが終わったら、次は何を書こうかな〜なんて考えてます。
次回作は学園物でちょっと頑張ってみようかな〜なんて考えてたりして〜(笑)
彼女いない暦21年の作者が書く恋愛物というのも興味ありません?(泣笑)

次回予告
闇騎士とマサキを倒して、勢いにのった志郎達。
一気に敵を倒すのか。それとも・・・・
そして、生死不明のマサキはどうなるのか?
さらに、にゃんこに命令を下せる真の敵の登場!
三神器の謎とは。数々の謎が明らかになる。
そして、志郎達は元の世界に戻れるのか?
次回 時空の覇者 最終回(予定?) あの日よもう一度
君は時空のたびに出る
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