第五話 新たなる力

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前回のあらすじ
クラ国王は勇者の旅立ちを祝って盛大な宴を行っていた
その時、いきなり現れた騎士によって国王が暗殺されかけるという事件が
おこっていた。
国王暗殺を何とか防いだ志朗であったがその騎士の力に自分は
まだまだ及ばない事を実感していた。
同じ頃、アサ姫の寝室に近づく不気味な気配を感じたブルーは、
密かにアサ姫の警護をしていた。
そして、その不気味な気配の正体はなんと、宮廷魔術師のマサキだった。
苦戦の末なんとかアサ姫を守りきったものの
ブルーは、信じていた師匠が敵だったと言う事実をまだ信じきれていなかった
その夜、衝撃の事実にクラ国王はショックを隠しきれないでいた。
次の日、志朗たちにはまだ、修行が必要だと感じた国王は
魔術学校に修行にいき、そこで新たな仲間を見つけよと命じた
果たして、新たな仲間は見つかるのか?
そして、志朗たちは新たな力を身に付ける事ができるのだろうか?
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時空の覇者 第五話 新たなる力

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城を旅立ってから早一週間がすぎていた。
その間、魔物らしきものと遭遇する事もあったが順調に旅を続けている一行であった。
魔物との戦闘もはじめは、戸惑ったりもしていたが、
徐々に志朗の剣の腕は上がってきていた。
しかし、萌は、あの闇騎士襲撃の時いらい、魔術が使えないでいた。
ブルーが言うには、
「魔術は心で使うもの、心に迷いがあっては成功しない」
確かに萌は自分が生き残るためとはいえ、他の生き物を殺してしまう事に
戸惑を感じていたのであった。

各自が色々な事を考えていると不意にブルーが声をかけてきた。
「・・・あそこに見えるのが魔術学校だ」
ようやく魔術学校に着いた一行はさっそく責任者の所に挨拶に行った。
「ようこそ、魔術学校に私は当学校の責任者のささと申します」
「こちらこそ、しばらくお世話になります」
一通りの挨拶を終えた時ブルーがささ校長に質問をした。
「さっそくですがこの学校に神官がいるとお聞きしたのですが?」
「この学校では個人の情報は公開できない決まりになっています
 知りたい事はご自分でお調べ下さい」
「・・・・・そうですか」
ブルーは少し考えてからそう答えた。
「では、さっそくですが志郎様は魔法剣の、萌様は魔術の勉強をしてもらいますが
よろしいですかな?」
ささ校長の問いかけに「お願いします」と答えるとさっそく修行に入る志郎と萌だった。
「・・・ささ校長。私は何をすればよろしいのですか?」
ブルーが質問すると、ささは、
「ブルー様は一度卒業されているのですから、ご自分の任務を行ってはいかがですかな?
 学校内はご自由に見て回っていただいて結構ですので」
「では、そのようにいたします」
そう答えるとブルーは、校長室を出ていった。
「・・・あれが、マサキ様の一番弟子か・・・・厄介なものだ」
その夜ブルーの元に一通の手紙がきた。
「何だ?手紙なんて来るはず無いんだが・・・・・」
ブルーは怪しんで手紙をあけてみた。
「こっこれは!」
・・・・次の日、志郎がブルーを呼びにきた時はすでにブルーはいなくなっていた。

一方その頃、アクア国では、クラ国王が各地に偵察兵を放って各地の情報を集めていた。
フレイ国の偵察に行った兵の報告を聞いてすこし落胆していた。
「・・・フレイ国の国王は死亡、第一王子の行方は不明か・・・ 雷神剣と風神剣の
 行方もわからないままか・・・あまり良い情報ではなかったな」
フレイ国の壊滅・・・わかっていたが心の何処かでは単なる噂であって欲しいと言う思いも
クラの心にはあったのだった。
優秀な剣士隊を持っていたフレイ国の壊滅、宮廷魔術師マサキの裏切り、
事態は悪い方へと流れているように思えてならなかった。
しかし、希望もあった。それが、志郎と萌の二人であった。
今となってはこの二人にすべてを託すしかなかったのであった。
「・・・・頼みましたぞ、志郎様、萌様」
「・・・・・・国王陛下・・・先程ウィン国に向かった偵察の兵が戻ってまいりました」
「そうか、ではさっそく報告を聞こう」
「報告いたします。ウィン国は現在交戦中です。相手は不明魔物の軍団でした。
 ウィン国はフレイ国の生き残りの剣士などが主戦力でしたが数が違いすぎました。
 残念ながらウィン国は落ちましたが、らま国王様は無事脱出、風の盾も無事です」
「そうか、ウィン国も落ちたか、だが、らま国王が無事だったのは幸いだったな。して、らま国王はどちらに?」
「はい、らま国王様は現在寝室にて傷の手当てをしております。命には別状ありませんのでご安心を」
「それは良かったでは、らま国王とは後ほど会うといたそう。ご苦労であった下がって休むが良い」
偵察兵は一礼して謁見の間を去っていった。
「さて、これで残す国は我がアクア国のみになってしまったようじゃな。
 苦しい戦いになりそうじゃな・・・・」

・・・・ここは元ウィン国の首都、クレアである。
ここに闇騎士と闇魔術師マサキがいた。
「・・・・失敗だな・・・国王には逃げられ、風の盾も行方がわからない。この失態をどう言い訳するつもりだ?」

マサキが闇騎士に向かってそう言うと、
「・・・・いいわけなどせんよ。すべて俺のミスだ」
「ふっ、珍しく素直だな・・・まあ良い、そろそろおみえになる。心の準備はしておけよ」
「ああ・・・」
しばらくして、謎の一段とともにどう見ても悪人には見えない人が入ってきた
「ひさしぶりにゃ〜闇騎士、マサキ。お前たち二人がいながら見事な失敗をしたもんにゃね〜」
「申し訳ありませんにゃんこ様。すべては私の作戦ミスによるものです」
「まあ良いにゃフレイ国の二本の剣は手に入れたんだからそれでよしとするにゃ」
「ありがたきお言葉にございます」
「さて、マサキ。現在の状況を聞きたいものにゃね」
今まで黙って事態を見ていたマサキは現在の状況をこと細やかに説明した。
「ふ〜む・・にゃるほど大体は理解したにゃ。では、マサキはさっそく二本の剣を封印してくるのにゃ!」
「・・・・わかりました」
そう答えるとマサキはすっと消えていった。
「さて、闇騎士は、魔術学校に向かい、召還された勇者とやらを殺してくるのにゃ!」
「かしこまりました」
「よいにゃ、2度目は無いぞ!」
「ははっ」
返事をすると闇騎士もまた、消えていった。
「ふっふっふ、なかなか楽しい展開になってきたにゃ〜」

ついに敵のボス(?)が姿をあらわした。
闇騎士やマサキが暗躍する中志郎たちは新たな仲間を見つける事が出来るのか?
そして、残り一国になってしまったアクア国の運命は?
次回へ続く
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あとがき
時空の覇者 第5話 新たなる力 いかがでしたでしょうか?
今回は色々な分野の話しも混ぜ込んでみようと思い色々試したのですがかえって
変になってしまったような感じがします。
(そう思っていながらも変更せずにそのまま発表する辺りさすが梨りんだね(笑))
今回の話しで新たに仲間になる神官を登場させる予定だったんだけどな〜(T-T)
そんな訳で神官役のタマ!もうちょっと待っててくれ〜(T-T)次回の話しで登場させるからね〜!
さて、今回やっと登場した敵の親玉。しかし、にゃんこ先生をここに持ってきたのは失敗だったかも。
なんか、ギャグキャラになりそうで・・・(にゃんこ先生ごめんなさい)
・・・まあ個人的にはこんな所ですかね。
時空の覇者も第5話を迎えて、ようやく登場キャラが固まってきたんで
ちょっと書きやすくなってきました。
ですが、私に構成をまとめる力が足りないばっかりにまとまりの無い話になってしまってちょっと残念です。
この5話では志郎たちの修行の感じも書こうかと思ったんですがなかなかどうして難しかったんで
次回に回しました。
ま、そう言うわけなんでもう少しだけ私にお付き合いくだされば作者として大変嬉しいです。
では、今回の登場キャラの紹介をしましょう。

魔術学校校長、ささ
チャットで知り合ったささっちからいただきました。彼はこの先・・・・ふふふふ♪
ちゃんと出てきますんでお楽しみを。

ウィン国国王、らま
やはりチャットで知り合った方からいただきました。
らまについては希望と違うキャラになってしまったかもしれませんがその辺は、
作者の気まぐれで変わるので勘弁してくださいね♪

闇の軍団棟梁、にゃんこ
同じくチャットで知り合った方からいただきました。
いや〜この名前が一番苦労しましたよ(T-T)
どうやってもはにゃ〜んとした雰囲気を作ってしまうキャラでした。
もしかするとこの先一番苦労しそうなキャラですね(苦笑)。

と、こんな所ですかね。
ちなみに本編ではちょっとしか触れなかったんですがこの世界には神器がありまして、
今回出てきた、雷神剣、風神剣、風の盾がそうです。
これらは三つの国が一種類ずつ保管していましたという設定です。
(ちなみにアクア国は禁断の魔道書です)
なんとか第5話も書き終えたんでちょっと一安心です。
では、皆さん第6話でお会いしましょう。

次回予告
暗躍している闇騎士と志郎の2度目の対決。
果たして勝利の女神はどちらに?
一方ブルーは神器の剣を封印しようとしていたマサキを見つける事に成功した。
果たしてブルーは剣を奪い返す事が出来るのだろうか?
そして、自分の師匠を倒す事が出来るのだろうか?
次回 時空の覇者 第6話 悲しき対決
君は時空のたびに出る
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