第三話 希望の光

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前回までのあらすじ
ついに学者の見つけた本の中身が判明した。
その本には、勇者を召喚できるという内容が書いてあった(何とありきたりな)
わらにもすがる思いで国王のクラ14世は国で最高の魔力をもつアサ姫に召喚を依頼する。
はじめは断っていた姫も国王の熱意に負け召喚魔法を使う決心をしたのであった。
そのころ、城の外には闇騎士と呼ばれた男と、謎のローブを着た男が国王暗殺の計画を練っていた。
果たしてクラ国王は無事なんだろうか?そして勇者は召喚されるのだろうか?
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「う〜ん後5分〜」
気持ちいい布団に包まって彼はそう言って再び眠りにつこうとしていた。
だがその気持ちのいい時間もすぐに消え去りまたいつものように退屈な時間が
過ぎていくだけの日々が訪れようとしていた。
「志朗!志朗!起きなさい!!」
志朗と呼ばれた男はその声でやっと起き上がった。
「うるさいな〜今日は学校休みだろ?日曜くらいゆっくり寝かせてよ」
寝ぼけた口調でそう言うと、
「馬鹿言ってないの今日は月曜日だよ!萌ちゃんが待ってるから早く起きなさい」
志朗はしばらく考えていたがようやく思い出した。
「そうだった!忘れてた〜!」
急いで着替えを済まして外に飛び出すと幼なじみの萌が待っていてくれた。
「おはよう♪志朗君。良く眠れたようね」
くすくすと笑いながら萌は笑っていた。
「ちぇ、あんまり笑うなよ」
ちょっとすねたように志朗は言った。
しばらくして学校に着くとすぐに生徒会長の梨木がやってきた。
「君は一体何度遅刻をする気かね。幼なじみとして僕は悲しいよ」
そう、志朗と萌、それに梨木とは幼稚園から高校までずっと一緒なのであった。
「腐れ縁ってやつだな」
苦笑いをしつつ教室に入ろうとした志朗だったが何かいつもと違う感じがした。
その時、志朗の周りの世界が反転した。
あまりのまぶしさに目をつぶった志朗は自分の体がどんどんと落ちていくような感覚にとらわれ、
気を失ってしまった。

「う〜ん・・・」
目を覚ました志朗に彼女は声をかけてきた。
「お目覚めですか?」
「ここは一体??」
当然の疑問口にした時隣の部屋から萌が飛び込んできた。
「志朗君目を覚ましたんだね。良かった」
志朗はさっきと同じ質問を萌に聞いてみた。
「萌、ここは一体?俺の部屋ではないよな・・・」
萌は困ったような顔でおろおろしていると、最初に声をかけてきた彼女が答えてくれた。
「ここはアクア国の首都セレスです」
「えっと・・・・君は一体??」
あっと驚いたような顔をした後で彼女は、
「申し遅れました。私、勇者様の身の回りのお世話をさせていただくエクセルと申します」
事態をいち早く理解した萌が自分の考えを志朗に話した。
「つまり、私たちは知らない世界に来ちゃったのよ。それでこの世界では志朗君が勇者様何だって」
さらっと説明してくれた萌の方を向いたまま志朗は言葉を失っていた。
「何よ〜私何か変なこと言った?」
自分の説明が不充分だったのかな?と思ったらしく何か言いたげな志朗に聞いてみた。
「いや、そんな現実離れした事あるわけ無いだろと思ってね」
志朗はこれは夢なんだと思っていたらしく、意外に冷静だった。
そんな会話をしていた時、扉をたたく音がした。
エクセルは扉をあけて外にいる者を中に招き入れてくれた。
「ようこそ、我がアクア国に、勇者殿。私はこの国の王のクラです」
いきなりの国王の登場にびっくりした志朗と萌は慌てながらも返事をしていた。
「私は宮廷魔術師のマサキと言います。以後お見知りおきを」
場違いな場所にいるような気がした志朗は疑問に思っている事を口にしていた。
「あの〜勇者とは一体誰の事なんですか?」
国王やマサキ、エクセルは互いに顔を見合わせてお互いに笑い出していた。
いきなり笑われた志朗はちょっと不機嫌な顔をしていた。
「いや、笑ってしまい申し訳無い。勇者とは貴方の事でございます。
どうかわが国を、いや、この大陸をお救いください」
いきなりの事で上手く話しを理解できなかった志朗だがどうせ夢の中の出来事だと思い
二つ返事でOKしたので、国王は安堵のため息をついた。
「所でもとの世界にはどうやって帰れば良いんですか?」
冷静に事態を見ていた萌がそう聞いたとたんに沈黙が流れてしまった。
「ゥゥ恐れながらその件につきましては私がご説明いたします」
宮廷魔術師のマサキが言うにはもとの世界に帰る方法は召還呪文を使ったアサ姫本人しか知らないのだそうだ
そして、アサ姫は一度に二人も召還してしまい魔力を使いすぎたため深い眠りについているというのであった
「つまり、今の所貴方方が元の世界に帰る方法を我々は知らないというのが現状です
ですが、急ぎ調べますのでご安心を」
とマサキは言ったのだが、萌はとても不安になっていた。
「大丈夫だよ萌。こういう話しのパターンとして姫の願いをかなえると自動的に元の世界に戻れるもんだって」
夢だと決め付けている志朗は楽観的にそう言っていた。志朗の台詞を聞いて萌はため息をついていた。
「さて、国王様。俺は最初にまず何をすれば良いのかな?」
「まずは、旅の仲間を集めるのが先決であろう、いくら勇者といえども一人旅は危険だろうからな」

こうして、フォックス大陸に新たな伝説を作る勇者が誕生した。
だが、彼の旅はまだ始まったばかりであった。
次回へつづく
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あとがき
時空の覇者 第三話 希望の光いかがだったでしょうか?
作者の素直な感想を言わせてもらえば、まったく話の展開がわからんかった!
というのが本音です。
前回、国王暗殺に消えた闇騎士はどうなったんだ?とか
ローブの男は誰なんだ?とか
色々疑問があると思いますがその辺はおいおい説明していこうかと思います。
さて、今回アクア国の首都の名前が決まりましたね♪
その名も「セレス」・・・う〜んどっかで聞いたような名前ですね♪
今後出てくる町の名前はどこかで聞いたような?というのをメインに
考えていきたいと思っています。
さて、今回登場したキャラクターの説明をさせてもらいます。
主人公、志朗
主人公の幼なじみ、萌
生徒会長、梨木
侍女、エクセル
いや〜色々ありましたけどようやく決まりました主人公!
その名も志朗!これは私のお友達の名前をお借りしました。
もちろん許可は取ってあります。
そして、今回の作品のヒロイン(?)萌!
言わずと知れたあの方です。
詳しい説明は要らないですね♪この方も一緒に来たためアサ姫は寝込みました(笑)
そして、今回で出番がもう無い生徒会長の梨木(笑)
これは、作者のHNの中からチョイスしました。
さらに、侍女のエクセル!
これも、作者のHNからチョイスしました。
今回はかなり長くなってしまいましたが、お楽しみいただけたでしょうか?
アサには大変申し訳なく思っています。
これが一息ついたら番外編でも作ろうかと考えていますんで
その時に主人公になっていただく予定ですので勘弁してね♪

次回予告
ついに勇者が召喚された!
これで、この国も大丈夫だと思った国王の前に闇騎士が迫る!
そして、新たなキャラが現れる!
果たして、彼は味方なのか?
そして、彼が思わぬ行動に!
次回・時空の覇者 第四話 裏切りの瞬間
君は時空の旅に出る
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