時空の覇者 第二部 第十三話 光と闇の存在意義(後編)

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「あれです!あの城こそカーズの居城です」
ささが丘の向こうに見える城を指差しながら全員に聞こえるように説明していた。
ちょっとした丘の向こうに見える城の周りにはなぜか暗闇が広がっていて、ときおり雷も光っていた。
「・・・・・なんかさ〜、アニメとかによくある魔王の城って感じだよね」
萌は素直に感じたままの事を言った。
あっけに取られる一同ではあったが、志朗と梨木はなぜか頷いていた。
実は、志朗も梨木も萌と同じ事を考えていたのであった。
「しかし、ほんとにいかにもって感じの城で笑っちゃうよな〜」
梨木がそう言った。
だが、梨木は気づいていなかった。自分が安藤正樹だった時の居城も似たようなものだったという事を・・・・
志朗はその事を言おうとしたが思いとどまった。
一人話しについてきていないささは、どうしようか考えているようだった。
「さっさて、素直な感想はこの辺にしてそろそろ行くぞ!」
志朗の言葉を待ってましたといわんばかりにささは城に向かって歩き出していた。
(さすがにささ様にはついてこれない会話だったようだな)
急ぐささを見て全員がそう思っていた。

その頃、クラの指揮の下アクア国軍はくうるの軍と互角に戦闘していた。
数では圧倒的に少ないアクア国軍ではあったがクラの策と、各将軍の力で何とか持ちこたえていたのであった
しかし、連日の激戦の疲労のためか味方の指揮も落ちてきてだんだんと押され気味になってきていた。
「クラ様、今日で5日目です、そろそろ兵の体力も限界かと・・・・」
報告を聞いてはいたもののどうしようもない事をクラは知っていた。
「・・・・すまん、後二日、二日だけ持ちこたえてくれ。二日あれば志朗様達がカーズを討ち取ってくれるはずだ」
後二日、それはクラ達にとってはぎりぎりの日数だった。
「わかりました。後二日、兵達を叱咤して何とか持ちこたえさせましょう」
報告をしてきた兵はそう言って下がっていった。
(二日か・・・・果たして今の戦力で二日ももつだろうか・・・・)
次の日が勝敗の分かれ目になるな、とクラは考えていたのだった。

「はっはっは、今迄良くぞ持ちこたえてきた。さすがは大陸一の軍師クラだ。だが、今日こそけりをつけてくれる!」
くうるの指揮の下、にゃんこ率いる突撃師団が攻撃してきた。
「にゃんこ様、くうる様の策。見事に決まりましたな」
「そうにゃね〜。ここまで上手く行くと返って気味悪い気もするにゃ」
そう答えたにゃんこであったが本人も嬉しそうにアクア国軍を撃退していった。
後方で戦闘の様子を見ていたくうるはあまり上手く行き過ぎたので更に疑惑の色を強くしていた。
(連日の戦闘といい、今の布陣といい、おかしいぞ。これでは長期決戦を望む陣立てではないか?)
そう、連日もくうるは軍をわざと退却させ追ってきた所を伏兵で倒すという策を張っていたのだが、クラハ追撃を一度もしてこなかったのだった
始めの内は自分の策が読まれたのかと思っていたのだったがどこが違うような気がしていたのだった
(変だ、何かがおかしい。そう言えば志朗と言う者の姿を見ていないような・・・・?)
「あっ!」
そこまで考えた時、くうるは全てを悟った。
(しまった。これは時間稼ぎだ!ここに我らを引き付けておいてカーズ様の居城を一気に攻める策か)
くうるは急いで全軍に退却命令を出した。
「何?退却?そんな、にゃにがおこったんにゃ?」
にゃんこはいきなりの退却命令に驚いていたが、次の瞬間には部隊に退却命令を出していた。

くうるの命令でカーズ軍が退却するのをクラは高台から見ていた。
「よし、旨くいったぞ。全軍突撃!」
クラの命令を受けた兵士が火矢を放った。
その火矢を合図にして今迄防戦していた兵士が攻撃を開始した。
「くっ!にゃんとかして味方の陣まで引き上げるにゃ!」
にゃんこは必死に退却したが退却戦は追う方が有利なのである。
いかににゃんこが優れていても今回は何の策も無い純粋な退却だった。
次々と、にゃんこの周りから兵がいなくなっていった。
それでも、にゃんこは必至に味方の陣を目指していた。
後少しでたどり着くという所でだいがにゃんこに追い付いてきた。
「探したぞ!今こそフレイ国の恨み晴らさせて貰う!」
「にゃにを言うか!フレイ国を滅ぼしたのはお前自身じゃにゃいか!」
にゃんこは振り返りだいを正面から見据えた。
「問答無用!いくぞ〜!」
だいの攻撃の鋭さににゃんこは驚いていたが、それでもしっかりと避けていた。
「その程度の腕では当たらないにゃ」
にゃんこの勝ち誇った表情も長くは続かなかった。
一撃事にだいの攻撃は鋭くなっていったのだった。
「俺は、生きる!そして・・・・」
だいの渾身の一撃がついににゃんこを切り裂いた。
「ぎゃ〜〜!」
にゃんこは断末魔の悲鳴を上げて大地に倒れた。
「やった・・・・俺はやったんだな・・・・」
だいはしばらくその場にたたずんでいた。

「報告します。にゃんこ様退却中に敵の手によって・・・・」
「なっなに?にゃんこが!・・・・そんな・・・・私の退却命令が裏目に出たか・・・・」
くうるはその報告が信じられなかった。
今迄時間稼ぎのために決して追撃してこなかったはずなのに今回は勝手が違った。
(ここでも追撃してこなかったら100%時間稼ぎとわかったのだが・・・・
今回の追撃はこちらに策が無いのを見越しての追撃だった。やはり、時間稼ぎではないのか?
しかし、だったら奴等はどこに?)
くうるは疑心暗鬼になってしまい進む事も引く事も出来ずににらみ合いの戦闘が続いていた。
ここに、クラの作戦は見事に成功していたのだった。

カーズの城に突入した志朗達は誰にも出会う事無くスムーズに進んでいた。
しばらく城の中を歩きまわったが一度も敵と遭遇しなかったのである
「どういう事だ?静かすぎる・・・・全兵力をブルー様の方に向かわせていたのか?」
志朗がそう言った時、正面の壁が音も無く消えていった。
一同がその先の空間を凝視していた時不気味な声が聞こえてきた。
「ふっふっふ、ようこそ我が城へ歓迎するぞ。さあ、我が元まで来るがよい。ただしこの先にいるものを倒せたらな!」
声はそう言った後、聞こえなくなっていた。
「じゃ、行きましょうか♪なんかRPGの世界そのままって感じだけどね」
(萌の明るい言葉にこれまでも何度となく助けられたな〜)
という事をかんじつつ志朗は闇の空間に向かって歩み出した。
萌、梨木もそれに続いていく。だが、ささだけは別の壁を凝視していた。
「お〜い、早くこいよ」
梨木がささを呼んだ。だが、ささの返事は返ってこなかった。
しばらく進んでいくと、闘技場のような広い場所に出た。
そこには一人の剣士が立っていた。さらに、貴賓席らしき所にはカーズも座っていた。
「ようこそ、勇者様ご一行の皆さん。お初にお目にかかる私がカーズだ。
 さて、貴様らにはそこにいるものと戦っていただきたい。何、ほんの余興だでは、善戦を期待しているよ」
カーズの話が終わると同時に謎の剣士は切りかかってきていた。
志朗は剣を抜き、応戦した。
「くっ!こいつ強い・・」
志朗が押され気味なにを見た梨木は自分も剣を抜き志朗に加勢した。
萌は魔術で援護しようとしたのだがあまりにも動きが速く攻撃できないでいた。
志朗、梨木の二人がかりでようやくこの剣士とは互角だった。
「くっ、しかしこの剣術、どこかで・・・・」
志朗の脳裏に操られていた時の萌の姿が浮かんできていた。
(まさか、そんなはずは)
志朗は萌の姿を確認した。しっかりと後ろに存在しているのを確認すると少し安心した。
しかし、その一瞬の隙を敵は見逃さなかった。
一気に間合いを詰めてきた剣士は志朗の剣を弾き飛ばした。
「しっしまった・・・」
志朗は慌てて剣を拾ったがそのぶん敵に遅れを取ってしまった。
(やられる)
そう覚悟した時、剣が眩い光を放ちはじめた。
その光が束になって剣士の体を貫くと、謎の剣士は煙を上げて消えていった。
「志朗!大丈夫か?」
「志朗君怪我はない?」
梨木と萌が心配そうに志朗の元に集まってきた。
「ああ、俺は大丈夫だよ。さあ、カーズ後はお前だけだ!」
視線をカーズに向けて志朗はそう叫んだ。
「ふっふっふ、すばらしい余興だったよ。実に強い、どうだ?私の部下にならんか?今なら幹部にしてやるが?」
カーズが一つの提案をしてきた。
「う〜ん・・・・ここまで定番どおりだと返って恥ずかしいわね〜」
萌がぼそっととんでもない事をもらしていた。
「そっそうだね〜となると返事はやっぱり定番の・・・・」
梨木が萌の独り言にしっかりと答えた時、定番のあの台詞を志朗がカーズに向かって叫ぼうとしていた。
「断る!貴様を倒して平和な世界を取り戻してみせる」
あまりにも定番過ぎる答えを志朗が叫んだ事によって梨木と萌はそろって笑い出していた。
「さっすが志朗君。お見事♪」
「いや〜、ここまで見事にやってくれるとはね〜。となると敵さんの次の台詞は
 『せっかくのチャンスを無駄にするか、馬鹿な奴め』かな?」
梨木と萌は二人だけの世界に突入していた。
「せっかくのチャンスを無駄にするか、馬鹿な奴め。よかろう、貴様の魂を予に捧げるが良い」
そう言った次の瞬間カーズは志朗達の目の前に現れていた。
「おいおい、俺の言った通りだぞ♪やっぱり定番だ〜」
梨木と萌はいまだに笑い転げていた。
志朗はそんな二人を見てだんだんと真面目にやっている自分が情けないようなそんな気分になっていった
「さてと、悪ふざけはこの辺にしようかな」
梨木が急に真面目になった。(もちろん萌も笑うのを止めている)
「俺が復活させちまったんだもんな。俺がもう一度封印してやるぜ!」
梨木は勢いよくカーズに向かっていった。
それに続いて志朗もダッシュしていた。
萌は攻撃の魔術では味方に当たる恐れがあるので援護に徹していた。
「ふふふふ、はっはっはっは、どうした!伝説の勇者の力とはその程度のものか!」
カーズは余裕たっぷりの表情で梨木と志朗二人の攻撃をかわしていた。
そればかりか、萌に向かって魔術攻撃までもしていた。
そんな戦いをささは観客席の一番上で見ていた。
(やはり、カーズの強さには太刀打ちできなかったか。仕方ないあれを使うか)
ささの表情に決死の覚悟が浮かんでいた。
何かの魔術の詠唱にはいったささは体中を淡い光が覆っていた。
「うん?なんだこの光は」
その光に気づいたカーズは光の中にささがいるのを見て驚愕した。
「まっまさか、あの魔術を!まずい」
カーズはとっさに防御壁を展開させた。
その時、ささの詠唱が完了した。
「くらえ。カーズ!」
眩い光の奔流がカーズに向かって放たれていた。
志朗達は何がおこったのかまったくわからずただ眩しさに目を開けていられない状況だった。
光が収まった時、ささはがっくりと膝を突いていた。
「やっやったか?」
ささはカーズのいた所に視線を向けてた。そして、そこにあるものを見てがっくりときた。
「はぁはぁ、まさかこの魔術を使えるものがこの世界にまだいたとはな。
 正直驚いたぞ、だが、残念だったな。その魔術は己の命を魔法力に変えて放つ術。無駄死にだったな」
カーズの姿を確認したささは無念そうにその場に倒れた。
「あの魔術を使うものはもういない!これで貴様達に勝ちは無くなったな
 どうだ?今なら考えも変わったかも知れん。予に仕える気はないか?」
「何度も同じ事を言わせるな!答えはNOだ」
志朗がそう答えた時、覇王剣が光り出した。
その光は一気に強くなったかと思えば次の瞬間には収まっていた。
「ふっ、ついに覇王剣が封印から解かれたか。しかし、貴様にその剣が使えるかな?」
切りかかってきたカーズと志朗は互角に勝負していた。
(わかる!剣の力の使い方がわかるぞ!)
志朗は剣の力を十二分に発揮させていた。
しかし、それでもカーズには勝てないだろうと梨木には思えた。
(カーズにどこからか力が流れ込んできている。どこから)
梨木は注意深く力の出所を探っていた。
そして、先ほどまでカーズがいた貴賓席辺りに力の流れがあるのを感じ取っていた。
(あれさえ止めれば志朗が勝てるはず!)
梨木はカーズに気づかれぬようにその場所に移動した。
そこには魔法陣が書いてあり、そこから力が流れているようだった。
「これでよし」
すばやい動作で魔法陣を無効化させた梨木にカーズの魔術が飛んできていた。
ばしーー!
鋭い衝撃が梨木を襲っていた。
(あれ?俺、やられたのかな・・・・・?)
萌は梨木の所に駆けつけたが梨木は既に意識が無かった。
「おのれ〜、よくも魔力炉を、だが、残りの魔力でも貴様らを消し去る事などたやすい事だ」
ささに続いて梨木までもやられてしまった。
志朗は怒りが込み上げてくるのを全身で感じ取っていた。
「貴様だけは絶対に許さん!」
志朗の捨て身の一撃がカーズの右腕を切り裂いた。
「ぐおおぉぉぉぉ・・」
カーズの悲鳴が城中に響き渡った。
「きっきさま〜」
カーズが一瞬ひるんだその隙に萌が魔術の詠唱に入っていた。
その魔術は先ほどささが使ったものと同じである事を志朗は気づいていなかった。
「志朗君、私の分も生きてね」
萌の声が聞こえたような気がして志朗は後ろを振り返った。
そこには、先ほどのささと同じように淡い光に包まれた萌が立っていた。
「まっまさか、萌〜!やめろ〜!」
志朗が叫ぶのと萌の魔術が発動するのはほほ同じタイミングだった。
光は一直線にカーズに向かっていた。
「まっまさか、まだこの術が使える奴がいたとは・・・まっ間に合わない!ぎゃ〜」
とっさに防御壁を作ろうとしたカーズだったが間に合わずに直撃を受けていた。
魔術を使った萌は先ほどのささと同じようにその場に倒れた。
「もっ萌、しっかりしろ!」
志朗が萌の所に駆けつけ必死に揺さぶっていた。
「しっ志朗君・・・・私・・・」
薄れ逝く意識の中で萌は必死に志朗の手を握っていた。
「しっかりしろ。一緒に元の世界に帰るって約束しただろ?それに俺まだ言ってない言葉があるんだ」
「えへへ、・・・・ごめんね・・・志朗君・・・いきて・・・・」
そこまで言った時、萌の手がするりと地面に落ちていった。
「萌?萌?おい、返事しろよ。目を開けてくれよ〜!」
必死に萌の体をゆすっていた志朗だったが殺気を感じてその場を飛びのいた。
爆発があった所には傷だらけになりながらもカーズが立っていた。
「はぁ、はぁ、きっ貴様らのような人間にこの私が倒され訳にはいかんのだ!」
カーズは剣を拾うと志朗に向かって構えを取った。
「萌、ささ、梨木、仇は取るからな」
志朗も剣を構えた。
お互いに見合ったまましばらくの時が流れた。
「いくぞ!」
志朗の渾身の力を込めた一撃がカーズの剣を打ち砕いた。
それと同じにカーズの剣も志朗の肩に食い込んでいた。
「ばっばかな!私は魔王カーズだぞ!たったかが人間ごときに〜!」
「光の力の前には闇の力は消え去るのみだ」
志朗がカーズの方を向きそう言った。
「そっそうか、貴様たちにはルシーズの力があったのか。では、覚えておくがいい、
 強い光は闇を払うだろう。だが、同時に闇も生むという事だ。所詮光と闇は片方だけを消す事はできんのだ
 さあ、私を封印するがいい。そして、しばしの平和を楽しむのだな」
覇王剣の光がより一層強くなった。
志朗は剣の光をカーズに向けて放出した。
光はカーズを包み込むとカーズの身体事、消えてしまった。
「これで、終わったんだな。これでこの世界にも平和が来る・・・・」
そう、終わったんだ。
志朗は崩れ落ちていく城の中で仲間達と静かな眠りについたのだった。

「カーズ様がやられたようだ。私の力が足りなかったばかりに・・・・」
くうるは涙ながらにそうもらしていた。
カーズの敗北によって闇軍団の力も一気に低下した。
魔物は力を失い、洗脳されていた兵士も元に戻った。
しかも、親衛隊のくうるはカーズが敗北したと同時に姿を消していたのだった。
ここに、くうるの軍はほぼ壊滅したも同じだった。
「おめでとうございます。ブルー様、クラ様、戦は我が軍の大勝利です」
勝利の報告を次々と聞いていたブルーだったが気分は晴れなかった。
(志朗。君たちのおかげでこの国は、いやこの世界が救われたよ)
ブルーは志朗達が返ってこないという事をなんとなく感じていた。
他の全員も同じ事を考えていたようだったが誰一人口には出さなかった。
「陛下、隣国のトリック国の使者が参っておりますがいかがいたしましょう?」
「うむ、すぐに御通ししろ。失礼の無いようにな」
報告に来た兵士が、すぐにトリック国の使者をつれてきた。
「お初にお目にかかります。もっとも、そこのクラ様と桃様には以前お会いいたしておりますが」
そう言って、クラと桃の方を見た人物こそあのどらであった。
「どっどら様?どうしてここに?」
桃は目をぱちぱちさせながらどらを見た。
「本日は降伏の使者として参上しました。これより我が軍はアクア国に降伏いたします
 なお、我が国の近隣の諸国は既に説得いたしております。ブルー様、統一おめでとうございます」
どらがそこまで言って始めてブルーは悟った。
(クラ様が裏で何かなされたな)
ブルーはちらりとクラの方を見た。
クラは何も知らんと言わんばかりににこにこしていた。
「御役目ご苦労様です。ですが、その申し出はお受けできません。
 降伏という事ではなく和平になら応じましょう。それでいかがですか?」
「わかりました。でわそう父に御伝えいたします」
どらはそう言って退室していった。
数日後、アクア国の属領として和平をするという事で双方が納得した。
今ここに、フォックス大陸はアクア国のブルーの元、一つに統一されたのであった。

あれから一年が経っていた。
アクア国はいたって平和だった。
あの戦いの後は良い話ばかりがブルーの耳に聞こえてきていた。
「平和だな。なあ、また向こうに遊びにいこうか?」
ブルーは隣に座っていたアサにそう言った。
「まあ!国王となってからも貴方は変わらないですね」
アサの楽しそうな笑顔を見てブルーも嬉しくなっていた。
「ちちうえ〜」
一人の子供がブルーに飛びかかってきた。
「こらこら!志朗。剣の稽古はどうしたんだ?」
「だって、つまんないんだもん。それより、お話してよ♪」
息子にせがまれたブルーは一つの話を話しはじめた。
「そうだな、あれは、8年ほど前の話だ、この世界に安藤正樹という悪い奴が現れてね〜・・・・」
ブルーの話を息子は目を輝かせながら聞いていた。
そして、志朗の話は後の世まで語られるようになったのだった。

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あとがき

・・・・・・・
ついに完結しましたね〜。
作者としては締め方にいまいち納得していなんですけどね(笑)
ほんと、ようやく終わったな〜という感じでいっぱいです
さてあとがきだ〜。
(ちょっと身だしなみを整えている)
え〜皆さん、時空の覇者 第二部 第十三話 光と闇の存在意義(後編)いかがでしたでしょうか?
今回話で『時空の覇者」シリーズはひとまずおしまいです
今迄こんな話にお付き合いいただきほんとにありがとうございました
このシリーズを作りはじめて4ヶ月になりますがその間結構色々な事がありました。
途中で止めようと何度も思ったりもしたのですが皆様の暖かい応援のおかげで無事にここまで来れました
この話の中で使用させていただいた名前は私のよく行っていたチャットの中の皆さんからお借りしました
この場をお借りしてお礼申し上げます。
名前が決まっていると作品がとても作りやすかったです(笑)
ええっと、今回の話、結構場面が飛びまくっていて理解しづらいかもしれません(T-T)
その辺はどうぞご容赦下さいませ。
さて、裏話を一つ。
瑠璃さんとたっきーさんの結婚話は結構以前から構想があったのでスムーズに行きました
ですが、桃さんとだいさんの話は突発的に思い付いたのでけっこう無理があったな〜なんて思ってます
それと、途中からほとんどギャグキャラになってしまった萌さんですが初めはとても真面目でシリアスなキャラだったんですよ
それが、一体どこで変わったんだか・・・・(T-T)
まっまあ、その辺は置いといて、あんまり深く気にしてはいけないと言う事ですよ
よくよく思い返せばなんとこの作品が30作品目だったんですね〜。
思えばたくさん作ったもんだ〜。この調子でどんどん作るぞ〜♪
じゃ、次回の作品でまた会おうね〜♪(あとがきはもうつけないと思うけど♪)
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