時空の覇者 第二部 第十二話 光と闇の存在意義(前編)

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「これより我が軍はガイスト共和国解放のために出撃する
 皆の奮闘を期待している」
ブルーがそう宣言すると兵士から歓声が上がった。
兵士達の士気が高いのを感じてブルーは満足していた。
この士気の高さも連日の大勝利によるものであった。
クラの見事な作戦のおかげと言っても良いだろう。
「いや〜見事な軍やわ。うちも色々な軍隊見てきたけどここまで統制が取れてる軍は珍しいわ」
クラの部屋から軍団の動きを見ていたどらがそうつぶやいていた。
「これも、陛下の力だ。あの方には皆をまとめる力がある」
クラがそう答えていた。
「なるほどね・・・・一度おうて見たいわ」
どらはクラが持ってきた袋を受け取り部屋を出ていこうとした。
「一度会ってみるか?」
クラの意外な一言にどらの歩みは止まった。
その答えはどらも予想していなかったようだった。
一介の傭兵に会う一国の王というのは聞いたことが無いからであった
「・・・・・止めとくわ。やっぱりうちは流れの傭兵の方が向いてるようやしな」
しばらく考えていたどらだったが、やはりクラの予想通りの答えが返ってきた。
「・・・・・そうか、残念だ」
「ほな、また何かあったらよんでくれや」
そう言ってどらは城から姿を消していた。

一方その頃、カーズの軍勢にも動きがあった。
国境周辺でにらみ合っていたくうるの軍が元ガイスト共和国の首都に入ったのだった。
城に到着するとくうるはすぐに王座の間に向かった。
そこには、にゃんこの姿があったのだった。
「よう、くうる。ひさしぶりにゃね〜」
「ああ、にゃんこも元気そうで何よりだ。ところでマサキがいないようだが?」
にゃんこは少し黙り込んだがすぐにマサキのことをくうるに話した。
「・・・・そうか、マサキが・・・・親衛隊も俺と君だけになっちまったな」
しばしの間二人の間に沈黙が流れた
「ところで、アクア国の動きは・・・・・」
くうるが聞こうとした時、その答えを持った兵士が二人の前に現れた。
「アクア国の軍勢がこちらに向かったという報告がありました。
 到着は明朝との予定です」
その報告を聞いてくうるは疑問を覚えた。
(明朝?まさかそんなに早く来れる訳が無い!どういう事だ?)
くうrはにゃんこを見た。
にゃんこも同じ事を考えていたようで一目で自分と同じ考えだと言うことがわかった。
「その軍勢の指揮官は誰だ?」
「詳しくは不明とのことですが旗印がアクア国のものだったそうです」
旗印の所でようやくくうるは悟った。
「その軍はウィン国のものだ。あの軍なら剣士大隊で充分だ。すぐに向かわせよう」
くうるはすぐに剣士隊を向かわせるための準備に取り掛かった。
「さすがはくうるにゃ。あの判断の速さはアクア国の軍師以上かもしれないにゃ
 さて、我が輩も早速準備するかにゃ」
そうつぶやいた後、にゃんこは兵舎に向かって歩き出していた。

「らま様、敵に気づかれた模様です。剣士隊がこちらに向かってきます」
ウィン国の軍勢は魔法師団のみなのであった。
それをカモフラージュするためにアクア国の旗を使ったのだが敵にはあっさりと見破られてしまったようだった
「しかたありません。後退します」
らまはすぐに軍を退却させはじめた。
らまの早めの決断があったためにウィン国の軍は深刻な被害を受けずにすんだ
だが、一戦もせずに退却したということで兵の士気はがくんと落ちてしまっていた。
その夜らまは必至に今後のことを考えていた
(まずいはね、このままでは・・・一度ブルー様の軍と合流しないと)
考えがようやくまとまった時、陣のあちこちから火の手が上がった。

くうるの軍は夜襲を仕掛けてきていたんだった。
緒戦で大敗したらまの軍はまともに応戦できずにいたので被害が広がる一方だった。
「よし、二番隊突撃!中央までの道を切り開け!」
くうるの指揮はすばらしく、ウィン国の軍はこの一戦で壊滅した。
らまはかろうじてブルーの軍と合流できたが共についてきた兵はわずかに5人だけであった。
戦いが終わった戦場にはくうるの軍が姿を見せていた。
しかし、その数は僅かに50騎程度しかいなかった。
この数で夜襲を仕掛けてきたのだった
「やはりこの程度か・・・・もう少し少なくても余裕だったな」
くうるは辺りを見回してそうつぶやいた。
その時、にゃんこが戦場に現れた。
「さすがは、闇軍団一の軍略家。すばらしい戦果だにゃ」
にゃんこは開口一番くうるを誉めた。
「戦場での働きなら君の方が優れている。俺は策を考えるだけの男さ」
そんな事を話しながらくうるとにゃんこはゆうゆうと城に引き返していった

アクア国の軍に逃げ延びたらまはすぐにブルーに事の全てを話した。
「・・・・と言う訳です。勝手に旗印を使用したことは申し訳ありませんでした」
「いや、気にしないで頂きたい。それよりもらま様が無事で良かった」
ブルーはそう答えてかららまを医務室に案内させるように兵士に命令した。
「さて、クラ様。敵にはかなりの知恵者がいるようですがいかがいたしましょう?」
ブルーは早速クラの意見を求めてきた。
「そうですね、ここは見通しが悪いのでもう少し進むとしましょう。
 桃様のお話ですとこの先に平原があるそうです。そこに陣を引きましょう」
クラの提案を早速聞き入れたブルーは直ちに進軍を開始した。
アクア国の軍が草原に到着した時、すでにくうるの部隊は陣を引いて待っていた。
「ほぉ、敵もここで決着をつけるつもりのようですな」
クラがそう言った時、二人の人影が敵の陣から出てきた。
その人影は両軍の中間辺りまで出てきた。
その人影とはくうるとにゃんこだった。
くうるの姿を見て桃は飛び出しそうになったが、すんでの所でたまが止めに入った。
「今ここで貴方が出ていっても何にもならない。ここは陛下にお任せしましょう」
だいの言うことが一番正しいのだと桃も思っているのだった
だが、上手く感情がコントロールできないでいたのだった。
「大丈夫です。落ち着いて下さい。私はここにいますから」
だいの言葉を聞いているうちに桃も落ち着きを取り戻していた。
「良いね〜。青春しちゃってま〜・・・」
いつのまにかだいの隣にたまが来ていた。
「たったま様。いつからそこにいらっしゃったんですか?」
桃はおろおろしながらそう聞いていた。
「ん?だいが桃を口説いている辺りからかな♪」
「たま様、だめですよ〜せっかく良い雰囲気だったのに〜」
「そうですよ〜、せっかく良い場面が見られると思ったのに〜」
気がつくと周りにいた兵士が口々にはやし立てていた。
しっかりと抱き合っていただいと桃はささっと離れてしまった。
「ははは、まあそれは良いとして陛下の護衛をしてくれないかと言うことだったんだが・・・・
 良いや、他の奴に頼むとするよ」
たまは笑いながら去っていった。
残されただいと桃はどうしていいのかわからずに、ただ呆然としていた。

「・・・・という訳でだいは護衛にはちょっと・・・」
たまが説明するとブルーはちょっと困ったような表情を見せた
そして、別のものを護衛としてつけ、くうる&にゃんこの前に歩み出ていった。
「さて、たった二騎で出てきた訳を聞こうか」
ブルーがくうるとにゃんこに質問した。
「ふっ、安心しろ貴様の命を狙っているのではない。ただ、一目見ておきたかったのだ
 私の名はくうる。元ガイスト共和国の大臣にして、我らが王カーズ様の親衛隊の一人、闇軍師くうると言う」
「同じく、カーズ様の親衛隊の一人、闇戦士にゃんこにゃ」
くうるとにゃんこがそう名乗ってきた。
(そうか、この巨大猫、闇戦士とか言うクラスだったのか・・・)
にゃんこが実は位が高いと言うことを知ってブルーは驚いていた。
「さてと、顔も見たし今日は引き上げるとしよう。決戦は明日だ。
 明日には貴様達に地獄を見せてやろう。クラとか言う軍師に伝えておけ!」
くうるとにゃんこはそう言った後、踵を返えして自陣に引き上げていった。ブルーも同じように自陣に引き返した
次の日、フォックス大陸の明暗を賭けた戦いの幕が切って落された
両軍ともに全戦力を投入し、激戦となっていた。
「さてと、クラ様、そろそろ時間ですね」
一人の兵士がクラにそう言っていた。
しばらくして、くうるの軍が少しずつ後退していった。
それに合わせて、アクア国軍がやはり後退していったのだった。
そう、クラの作戦とは志朗達がカーズを倒すまでの時間稼ぎをすることだったのであった。
「この調子で行けば一週間は何とか持つだろう。その間に志朗様達がカーズを倒してくれれば戦況は一気に逆転する」
そう、くうる達はクラの作戦に見事にかかっていたのだった。

「妙だな・・・・」
全軍に後退命令を出していたくうるは不思議そうにアクア国の軍の動きを見ていた。
今日の戦いでは圧倒的に敵の方が有利であった。
それなのに追撃ではなく、後退したのだ。それが不思議でならなかった。
(用心したということか?まさかこちらの伏兵が見破られたということか?)
くうるは色々な状況を考えていた。
結局、伏兵が見破られたという結論に達した。
(クラという軍師、なかなかやるな)
くうるは早速次の日の作戦を考え出していた。
クラの策に見事にはまっていることをくうるは知るよしも無かった。

一方その頃、志朗と萌、梨木、ささの四人はブルー達とは別行動をとっていた。
目的はカーズの居城であった。
「ささ様、この道で間違いないんですか?」
「はい、急いで下さい。ブルー様達がどんなにがんばっても一週間が限界でしょう
 その間にカーズを倒さなくては我々の負けです」
「しかし志朗〜、おまえまだ萌さんと結婚してなかったんだってな、あれから何年立ってると思ってるんだ?」
梨木は走りながら志朗にそんな事を言ってきていた。
「いっ今はそんな事言ってる時じゃないだろ・・・それに俺は・・・その・・・」
志郎があたふたと答え。
「そっか、私との事ってそんな事なんだ・・・」
「そっそんなことないって。だから、俺は、その・・・・」
志郎はいきなり石につまずいてしまった。
そんな志郎を見て、梨木と萌は笑い出していた。
ささは、そんな三人が羨ましそうな顔で見ていた。
「はっはっは、冗談だよ。お前ならそうだろうと思ってたよ」
梨木は素直に謝っていた。
萌も梨木に続いて謝っていた。
「ごめんね志郎君」
「ちぇっ、みんな人が悪いぜ」
志郎は立ちあがりながらそうつぶやいていた。
こんな感じでカーズの城を目指して四日が立った時、ついにカーズの城に到着した。
「よし!みんな行くぞ」
志郎達もカーズとの最終決戦に向かうのだった。

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あとがき

・・・・・・・
いや〜、まいったね〜今回はまとまんなくってね〜(T-T)・・・・
毎回、結構ネタ出しが大変だ〜(T-T)
でも、毎回結構楽しいぞ〜♪
おっと、あとがきだ〜。さてと、FIGHTだ〜♪
(ちょっと身だしなみを整えている)
え〜皆さん、時空の覇者 第二部 第十ニ話 光と闇の存在意義(前編)いかがでしたでしょうか?
今回の話しはまたしても前後編です(笑)
一応前回の話しを作ってからそんなにたっていないので話し的には繋がっているとおもうのですが・・・・・
まあ、内容にしてみればまったくまとまってないのがいつもの事なんですがね(笑)
今回で新たにわかった事としては、だいさんと桃さんが上手く行きそうだと言う事でしょうか。
いきなりの新設定で作者も驚いてます(笑)
でも、設定的には楽だったんでまあいっか〜♪
さてと、今回は書くこともないんで早めに時空のトークタイムに行きましょう♪
今回も誰もい来ないなんて落ちだったりして(^^;

作者「はい、やってきましたトークタイム♪」
ナレ「今回は私の名前も省略版なんですね♪」
作者「うん♪入力が面倒だからね♪」
ナレ「最初からそうすれば良いのに・・・・」
作者「なんか言った?」
ナレ「いえいえ、所で今日のゲストは?」
作者「ふっふっふ♪今日のゲストは考古学者のマ正樹さんです」
正樹「はじめまして、この作品にもマサキさんが登場しているらしいですがまったく関係がいないことをはじめに言っておきますよ」
作者「・・・・・いっいや、そんな事いちいち言わなくても・・・」
正樹「いや、こう言う事ははっきりさせておく必要があるんですよ」
作者「はあ、そう言うもんですか。でっでは質問に行きましょう」
正樹「はい。何でも聞いてください」
作者「正樹さんは『遠い記憶に』登場していますが続編はないんですか?」
正樹「う〜ん。どうなんですか?」
作者「えっと・・・今の所続編は予定してないですが伏線は張ってあるので書く気になれば書けますね」
正樹「と言う事だそうです・」
作者「・・・・でっでは次の質問、瑞希さんとは上手くいってるんですか?」
正樹「う〜ん・・・・難しい質問ですね〜。でっ、今後はどういう展開に?」
作者「続編を書くとしたら瑞希は正樹の助手ですね。恋愛物として作るかどうかは不明ですがその方面に流れる可能性は高いでしょう」
正樹「と言う事です。今後の展開が楽しみですね」
作者「・・・・さっきから私が答えてるような気がするんですが??」
正樹「はい、細かい事は気にしないで下さい。では、また次回の作品でお会いしましょう」
作者「まて〜!勝手にしめるなぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
ナレ「正樹さんに司会者の役を取られた作者の魂の叫びは空しく響いていた。今回は出番がなかったわ〜(T-T)」
次回予告
ついに、カーズの城に到着した志郎達四人だったが彼らの前に思いがけない人物が現れた
一方その頃、時間稼ぎをしていたブルー達は徐々にくうるの軍に押されてきていた
なんとか策を使って戦っていたがそれも限界に近づいてきていたのだった
そして、時間稼ぎに気づいたくうるはカーズの元に戻ろうとしていた。
果たして、くうるはカーズの元に戻ってくるのだろうか?
ブルー率いるアクア国軍の運命は?そして、志郎達はその人物を倒し、カーズの野望を止める事が出来るのだろうか?
次回 時空の覇者 第二部 第十ニ話 光と闇の存在意義(後編)
君は時空の旅に出る。
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