時空の覇者 第二部 第九話 ささの能力(前編)

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「桃よ、頼むぞ」
ガイスト共和国国王ライト二世は娘の無事を祈っていた。
(噂ではアクア国の新国王は冷酷な男だという。ほんとに桃一人で良かったのだろうか?)
そう、ライトは大臣にアクア国のブルー国王は冷酷非常な男という嘘の情報を教え込まれていたのだった。

そして、国王が優柔不断な事を良い事に自分が実権を握っていたのだった。
「くうる!くうるはおるか?」
ライトは大臣を呼び出してアクア国の事を聞こうとしていた。
「はい。お呼びですか国王陛下」
「おお!くうる待っておったぞ。先ほど我が娘の桃をアクア国へ使者として派遣した。
 この辺で和睦をしておこうと思ってな」
国王の話を聞いた時くうるは顔色を変えていた。
「すまん。そなたには事後承諾という事になってしまったがこれも平和のためだ。
 さて、そなたには和睦をするための準備を進めてもらいたいのじゃが?」
国王が和睦についての段取りを説明していたがくうるの耳のには聞こえていなかった。
(まさか、こうも早くこのボンクラが動くとは・・・少し考えが甘かったな
さて、ここで和睦などされたら厄介だ。カーズ様のためにも何とかしなくては)
「・・・・という訳じゃ。では、よろしく頼むぞ」
「えっ?あっ。はっはい。わかりました」
ライトが説明を終えていたのに気づき慌てて返事をすると急いで部屋に戻った。
「ドラ!ドラはおるか!」
くうるは部屋に入るなりいきなり大声でドラを呼び出した。
「へいへい、ここにおりますがな。どないしたんでっか?」
ドラと呼ばれた女はいつの間にか部屋の中に立っていた。
「まずい事になった、ライトがアクア国と和睦しようとしていた。
 このままではちと面倒になる。今すぐ桃を追え!そして、事故に見せかけて殺せ!」
ドラはいまいち納得できない顔をしていたが契約の期間は後一週間は残っていた。
「しゃ〜ないな〜。まっ、契約やし、ほな行ってきますわ」
ドラは渋々城を出ていった。
(奴に任せるのも不安だ・・・・仕方ないあれを使うか)
くうるは不思議な人形を持ちだしてきて謎の呪文を唱えた。
『我が主よ。今度は何をすれば良いのかな?』
「ガイスト共和国の桃姫を殺せ!それと、桃を追っているドラという者も一緒に始末しておけ」
『了解した。では、行ってくる』
(これで大丈夫だろう。しかし、この国もそろそろやるか)
くうるは、不思議な装置でカーズに連絡を取っていた。
「・・・といった所が現状です。いかがいたしましょう?」
「・・・我が軍も先の戦闘で兵力を消耗した。そろそろ補充をしようと思っていた所だ
 よし、にゃんこをそちらに向かわせよう。お前は出来るだけ兵力を減らしておけ。
 そうだな、国境に一軍を率いて出陣しておけ。こちらも兵を向かわせよう。
 それで、戦っているように見せれば問題あるまい」
カーズが次々と作戦をくうるに与えていた。
「わかりました。ではそのようにいたします」
そう言い終わると通信機が勝手にきれてしまった。
(さて、では動くとするか)
不適な笑みを浮かべながらくうるは準備を始めたのであった。

一方アクア国では先日の大勝利に民も大喜びしていた。
「さすがはクラ様だ大陸一の軍師だな」
「いやいや、志朗様もさすがだ。僅か五百の剣士隊で敵をほとんど倒したそうな」
「これでアクア国も安泰だな」
町中がこの騒ぎであった。

「皆の者ご苦労であった。特に志朗には感謝の言葉も無い。この国とは関係ないのにここまでしてくれるとは
 本当にすまない」
「なっ!何を言うんだよ。そっそんな・・・改まっていわれるとちょっと照れるな〜」
ブルーが頭を下げたので志朗は慌てて答えていた。
「さて、わずかではあるが皆の苦労をねぎらうために酒宴を用意してある。向こうでくつろいでくれ」
ブルーがそう言うと、たまとだいはすぐに酒宴の方に向かっていった。
たっきーと瑠璃も向かおうとした時瑠璃がたっきーに質問をした。
「そう言えば戦闘中に私になんて言ったの?」
「えっ?いっいや・・・それは・・その・・えっと」
「まあ良いや、今度ははっきりといってね♪」
そう言うと瑠璃はさっさと酒宴の会場に行ってしまった。
「えっと。どういう意味なんだろう?」
たっきーはちょっと考えてみたがすぐに会場に向かっていった。
実は瑠璃にはちゃんと聞こえていたのだった。
だが、瑠璃も恥ずかしかったのであの時はああ答えていたのだった。
だが、その事をたっきーが知るよしもなかった。
「なんか向こうは青春してるな〜・・・」
志朗は少し羨ましくなっていた。
(そう言えば俺萌と一緒に暮らしてもう三年も立ってたんだな。)
志朗は萌と一緒に暮らしていた日々の事を思い出していた。
(そっか〜。もう三年か・・・・)
「・・・朗。・・おい!志朗!」
「えっ!なんだいブルー?」
「酒宴の会場は向こうだぞ!行かないのか?俺は先に行ってるぞ」
志朗は慌ててブルーについていくのだった。
その日の酒宴は盛大に行われた。
次の日、ほとんどの者が二日酔いだったのは言うまでもなかった
酒宴が行われた次の日の朝、クラはいつものように情報収集をしていた。
「なんと!ガイスト共和国の桃姫が我が国に向かっているだと!」
「はい。目的は我が国との和平との事でございます」
「そっそうか、良かったこれで敵はカーズだけになったな」
クラは安堵のため息をついていた。
「おお。そうじゃ。この事を早く皆に伝えるのだ」
数人の伝令が一斉にこの事を伝えるために散っていった。

その頃、アクア国に向かっていた謎の男とささの二人は首都セレスに入っていた。
「ようやくつきましたな」
ささがそう言うと男は頷いていた。
城の門の所で一端は止められたもののささの名前と風神剣のおかげですんなりと城に入る事が出来た。
城内に入った時男は妙な気配を感じていた。
(この気配は、まさか!)
「ささよ。俺は萌の様子をみてくる。君はブルー国王と志朗を連れてきてくれ。
 一刻を争う事になるかも知れん頼むぞ!」
そう言うと男は地下牢に向かって走り出していた。
ささもブルーと志朗を連れて地下牢に急いだ。
志朗達が地下牢についた時萌は男の前に倒れていた。
「萌!貴様萌に何をした!」
志朗が剣を抜いて切りかかろうとした時男が振り向いた。
「久しぶりだね志朗君。実に五年ぶりかな?」
「なっ梨木!梨木じゃないか〜どっどうしてここにいるんだ?」
「その話はまた後でするとして、今は萌を助ける事の方が先決だ!
 ささ。貴方の魔術でしかこの魔術は解けないんだ頼む」 梨木がささに頼むとささは一歩前に進んだ。
「よく私にしか解けないとわかりましたね。
 梨木さんと言いましたかどこかでお会いした事があったでしょうかなんとなく覚えが・・・・」
梨木は密かな笑みを見せただけでそれ以上は話さなかった。
「では、行きますよ!」
ささが何かの呪文を唱えると萌の体を淡い光が包みこんだのだった。
「これで、大丈夫でしょう」
ささがそう言った時梨木の風神剣と志朗の雷神剣が激しい光を放った。
「これで、伝説のあの剣が復活するはずだ。志朗、その剣で萌の鎧を切れ!
 そうすれば萌は元に戻るはずだ!」
志朗は言われるままに剣を手に取った。
(この剣も懐かしいな)
志朗は梨木と戦った時の事を思い出そうとしたが今は非常事態であった。
「行くぞ!」
志朗は剣を振り切った。
剣は一段と激しい光を放ち、そして、元に戻った。
光が収まった時志朗は萌を助け起こしていた。鎧は既に真っ二つにされていた。
「萌!萌!」
志朗は必死に萌に呼びかけていた。
「う・・う〜ん・・志朗君おはよう〜♪もう朝?」
寝ぼけている萌の姿がそこにはあった。
「もっ萌・・・・良かった・・・元に戻ったんだね」
志朗は嬉しさのあまり萌を抱きしめていた。
「えっ?ちょっと志朗君。急にどうしたのよ?みんな見てるし・・・へっ?みんな?」
萌はようやくここが自分の部屋ではない事に気づいたのだった。
「ふっ。眠り姫がお目覚めになったようだね。志朗その辺にして早く上に戻ろうぜ♪」
梨木が茶化すようにそう言った時志朗と萌はお互い離れてもじもじしていた。
その場面を目撃した全ての者が大笑いしていた。

「ねえ、志朗君ここはもしかして?」
「ああ、アクア国さ俺達またこの世界に来ちゃったんだ。それより体は大丈夫か?」
志朗の心配そうな顔を見た時萌はなんだか嬉しくなっていた。
「うん♪もう大丈夫よ。ほら」
萌は腕を回したり飛んでみたりしてみせた。
「さてと、現在の状況を説明しようと思うのだが良いかな?」
ブルーが萌にそう言った。萌は頷き返していた。
ブルーが簡単に現在の状況を説明してくれた。
萌がサリスとして敵に操られていた事もきちんと説明する辺りさすがブルーであった。
(下手に隠すより教えておいた方が良いか)
志朗はそう考えていた。
「う〜んと、話をまとめると、今この国はカーズって言う魔王に侵略されている。
 そして、それに対向できる光の神を召喚できるのは私だけ。って事になるのかな?」
萌の答えに一同が頷いたので萌も納得した。
「でも、何で私なの?アサや瑠璃さんだっていると思うんだけど?」
「アサ様はブルーのせいで使えないし瑠璃は魔力が足りないんだ。両方の条件を満たしているのは君だけなんだよ」
ここぞとばかりたまがブルーをいじめていた。
「そっか〜、ブルーとアサって向こうの世界で・・・むぐっ!」
志朗が慌てて萌の口を押さえた。そして小声で萌にささやいた。
「あんまり向こうの世界の事を話すな。後でブルーに怒られるぞ」
「さって、うらやましかったんだもん。私だってまだなのに・・・・」
「えっ!」
志朗はびっくりしてつい驚きの声を上げてしまった。
「ふふふ♪冗談よ♪」
(萌には勝てないな〜)
「さてと、お遊びはこの辺にして早速魔術の準備に入りましょう。たまさんお願いね」
こうして、たまと萌は部屋を出ていった。
もちろんだいもたまの護衛としてついていった。
「さすが萌だよな、あの明るい雰囲気。何とかなるって気分にさせてくれる」
梨木が志朗の隣でそう言った。
「なあ梨木、どうしてこっちに世界にいるんだ?」
「ああ、その事か。俺はいつもどおりに仕事を終わらせて家に帰ってきたんだ。
 そしたら、謎の黒服の男がいてな。そいつらに捕まったと思ったらいきなりこっちの世界に来てたんだ
 そんでもって近くにウィン国があったからしばらく厄介になってたんだ」
梨木がさらっと答えてくれた。
「それではウィン国を守っていたものすごく強い戦士って言うのは?」
「ああ。多分俺の事だな。なんか魔術も使えたしけっこう暴れてたから」
ブルーは感謝の言葉を梨木に対してかけたが梨木は照れくさそうにしただけだった。
「さてと、萌の魔術はどうなってるんだろうな?」
全員が萌の魔術に期待しているのであった。
その萌の様子を見に全員が部屋を出ていったのだった。
だが、誰もいなくなったはずの部屋にささは一人で残っていた。
「・・・・もうすぐ。もうすぐ姉さんに会えるんだね」
ささはにこやかな笑みを浮かべていた

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あとがき
・・・・・・・
もうだめだ、何書いてるのかさっぱりわかんなくなってきた(T-T)
ささはなんか違う人みたいだし〜(T-T)
こんな話でほんとに良いのかな〜(T-T)
ふぅ〜。あとがきの時間だね
(ちょっと身だしなみを整えている)
コホン。え〜皆さん、『時空の覇者 第二部 第九話 ささの能力(前編)』いかがでしたでしょうか?
今回はなんと作者初の前後編タイプです(笑)。
色々な事に挑戦しようと取り組んだもののなかなか難しいですね(苦笑)
特に話を切るポイントが結構曲者でした。
さて、今回も新キャラがぞくぞく登場してます♪
まずは新キャラの紹介から♪

一人目は ガイスト共和国 大臣 くうるさんです
この方は言わずと知れたあの方です。
作者をチャットにはまらせた伝説の五人の内の一人といっても良いでしょう(笑)
ええ〜、この方はチャットで参加希望があったので忘れる前にさっさと登場しいて貰おうと思い
急遽、役を作りました。
(実はあの時チャットで話しながら役を作ってたんですよ(笑))
そんな訳で、いきなり作った役なのでまだ設定を思い付いてません
今後も出てくるかどうかはちょっと怪しいです(笑)

二人目は 謎の女傭兵 ドラさんです♪
この方も言わずと知れたあの方ですよ♪
この方も、作者をチャットにはまらせた伝説の五人の内の一人です(笑)
えっと、この方は前から参加希望の話はあったんですが思いっきり忘れてました(笑)
この間メールの整理をしてた時見つけたんですよ(笑)
まっまあけっこう使うのが難しかったHNなんでにゃんこさん同様面白いキャラになると思いますよ
あっそれと、私大阪弁がわからない者でして言葉が間違ってるかもしれません
その辺の指摘もお待ちしていますね♪。

最近参加希望がいっぱいあって作者としては嬉しいのですが人が多くなりすぎてわけわかんなくなってたりもします(笑)
しかし、がんばって登場させますので応援してね♪
それと、俺が出てないぞ〜!という苦情のメールはいつでも受け付けてますのでどうぞお気軽に
ではでは、時空のトークタイム♪のお時間ですね

作者「本日はエクセルさんにおこしいただきました♪」
エクセル「こんにちは♪最近出番がまったく無いので忘れている人も多いと思いますがエクセルです」
作者「いや〜、作者も忘れてたキャラですから♪」
エクセル「・・・・だと思いました。まあ一回きりの登場の約束でしたし良いんですけどね」
作者「でっでは、エクセルさんに質問が来ていますのでお聞きしますね」
作者「エクセルさんのお仕事って一体なんですか?」
エクセル「私の仕事ですか?う〜んそうですね。主に部屋の掃除とお客様のお世話ですね」
作者「メイドさんみたいですね」
エクセル「実際メイドですから(笑)」
作者「(なら最初からそう言えよ!)えっと次の質問です。最近時空では恋愛が盛んですがエクセルさんにはそういう話はないんですか?」
エクセル「この質問は私が作者にしたいですね。どうなんですか?」
作者「絶対無いです(きっぱり)」
エクセル「だそうです」
作者「ただでさえ恋愛って面倒なのにどうしてこれ以上増やさなければいかんのだ!」
エクセル「自分が経験無いからって良く言うよ・・・・ぼそっ」
ばきっ!どかっ!ぐしゃ!
ナレーション(瑠璃)「謎の攻撃でエクセルは原子分解されてしまった・・・」
作者「はぁ、はぁ、たくっ!余計な手間を取らせやがって。余計なお世話だ!」
ナレーション(瑠璃)「でもエクセルって作者のHNの一つだったような・・・・」
作者「・・・なんか死体がもう一つ増えそうだね〜♪」
ナレーション(瑠璃)「あっいえいえ。何でもないです〜♪そろそろお時間ですよ♪」
作者「でっではゲストの方も帰られたようなので今回はこの辺で〜♪」
作者・ナレーション(瑠璃)「まったね〜♪」
ナレーション(瑠璃)「おや?志朗君と萌さんが復活しそうですね」
ひゅ〜ん・・・・ぼかっ
ナレーション(瑠璃)「・・・・やっぱり」
作者「お・や・く・そ・く・♪」

次回予告
ついに萌が復活し光の神召喚の魔術が発動される。
しかし、その魔術が発動しようとした時ささに異変が!
そして、アクア国に向かう桃姫の身にも危険が迫りつつあった
果たして、ささの異変とは?そして桃姫の運命は? 次回 時空の覇者 第二部 第十話 ささの能力(後編)
君は時空の旅に出る。
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