時空の覇者 第二部 第八話 僅かな希望

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(この進路で進めば奴お得意の伏兵は使えないはずだ)
マサキはそう確信していた。
ここレオン平原は兵を隠しておける所などまったくといって良いほど無いくらい見通しが良いのだった。
(伏兵にさえ気を付けていれば兵数で優っている我が軍に負けはないはず。だがこの言い知れぬ不安はなんだ?)
マサキが不安を感じている時にゃんこが声をかけてきた。
「マサキよ、この先に敵の陣があるんだがどうするにゃ?」
しばらく考えてからマサキは全軍に命令を出した。
「これより敵陣を落す!行くぞ〜!」

「クラ様、敵が我が陣に攻め込んできました」
最前線に軍師がいるというのも変ではあったがクラはこの陣にブルーと共に来ていた。
「そうか、やはりこの陣に目をつけたか。では、全員手はずどおりに動いて下さいね」
クラは落ち着いた様子でそう答えていた。
「クラ様、このまま何もせずにいる事はまずいのでは?こちらからも応戦しないと」
ブルーがクラにそう告げるとクラは笑い出していた。
「ブルー様、敵は六万、それに引き換えこの陣にいる味方は一万五千です。これではすぐに落されます。
 ここは少しはったりをかまして時間を稼ぐのが得策なのですよ。もちろんそれなりの準備はしていますけどね」
クラがそう説明している間にマサキの軍は陣にどんどん近づいてきていた。
「クラ様きます!」
兵士がそう叫んだ時、敵の先頭にいた騎馬隊に異変が起った。

「なっ何!先頭の騎馬隊五千が全滅?」
騎馬隊全滅の知らせを受けた時マサキは自分の耳を疑った。
「どういう事なんだにゃ?詳しく話すにゃ」
マサキの隣にいたにゃんこも不思議でたまらなかった。
伝令が話すには突撃していった騎馬隊はすべて落とし穴に落ちたのだった。
ちょうどそこに陣の中から矢が打ち込まれ騎馬隊が壊滅したというのだった。
(馬鹿な!この進路に変えてから作っていたのでは間に合わないはず。という事は以前から作っていた?
クラには私がこの道を通る事を読まれていたというのか?)
出撃前に感じた不安が現実のものになった事でマサキの策に迷いが生じていた。
その迷いが全軍に影響したのかマサキの軍は被害をどんどん大きくしてしまった。
その時マサキ達の側面からだいとたまの率いる剣士隊が突っ込んできた。
「マサキ様!側面から敵が・・・」
最初の動揺がまだぬけきっていない時に攻められてしまったのでついマサキは退却の指示を出していた。
この退却がマサキの運命を決めたのだった。

「志朗様、敵がこちらに向かってきました」
物見の報告を聞いて志朗はさすがはクラ様だ。と改めて感心していた。
「よし、最初は見逃せ。中軍を叩く!たっきーと瑠璃は魔術師団の指揮を頼むぞ!」
志朗の言葉に二人とも頷いていた。
しばらくして、志朗達が伏せている山の下をマサキの軍が通過していった。
そして、マサキのいる中軍が通りかかった所で一斉に魔法弾を浴びせた。
「よし、剣士隊突撃〜!」
志朗が率いる剣士隊はすばらしい活躍を見せた。
「それ!志朗様に遅れるな」
「私も行くわ」
たっきーに続いて瑠璃も戦闘に参加した。
「瑠璃・・俺、絶対君を守るから・・」
「え?何?なんていったの?」
たっきーの言葉は戦闘の音にかき消されてしまっていた。
かなり恥ずかしかったらしくたっきーはそれ以上何も言わなかった。
「高木様よろしいのですか?」
「・・・・・・ああ。この戦争が終わってからにするよ」
たっきーの中で一日も早く戦争を終わらせようという気持ちが強くなったのは言うまでもまかった。

たっきーと瑠璃の魔術師団も戦闘に加わった事で戦闘はここでの終盤を迎えていた。
マサキの軍も必死に抵抗してきたので楽に勝利できる形ではなかったが、それでも志朗達はマサキの軍を押していた。
「うっ!ここにも兵が伏せてあっただと?何もかも読まれていたという事か・・・・」
マサキはどこに行っても敵の兵が見えたので完全に包囲されている事がわかってしまっていた。
(逃げ道は無しか・・・・さすがはクラだな)
考え事をしていたその時、流れ弾がマサキに向かって飛んできていた。
マサキはとっさに防御魔術を展開しようとしたが間に合わず直撃を受けていた。
(ここまで見事に読まれるとはな・・・)
この流れ弾によって闇魔術師マサキは息を引き取った。
司令官をやられた敵は散り散りに逃げていった。
アクア国は六万の軍勢を撃破する事に成功したのだった。
この報告を聞いてクラは少し悲しそうな表情を見せた。
しかし、クラの一瞬の表情の変化を見ぬいたものは誰もいなかった。

アクア国が闇軍団の本隊を打ち破ったという事実は大陸中に知れ渡った。
ここガイスト共和国も例外ではなく、その知らせを聞いた時国王は驚愕した。
「よもや、あの軍が敗れるとはな・・・今のうちに降伏しておいたほうが良いのだろうか・・・」
ガイスト共和国国王ライト2世は迷っていた。
重臣の勧めに従って宣戦布告したものの国境での小競り合いですら勝利を収めていないのであった。
(あの時姫の言う事を聞いていおけば良かった・・いやすぎた事を言っても仕方ないか)
ライトは自分の姫の事を思い出していた。
「お父様!宣戦布告とは一体どういうお考えなのですか?
 あの国にはまだ余力があります。この国の兵では勝てませんわ!」
そう、あの時、桃姫の言う事を聞いていればこんな事態にはならなかったはずだった。
(全ては優柔不断な自分の愚かさの結果か・・・)
ライトは玉座でいつも同じ事を考えていたのだった。
その時、桃が王の前に姿を現した。
「お父様、今日もお悩みなのですね・・・・そんなに毎日悩んでばかりいてはお体に悪いですわ」
「おお。桃か、いや、早めに降伏するべきか、このまま戦闘を続けるべきかを考えるとな・・・」
この戦争が始まってから桃は父の笑った顔を見ていないのだった。
(以前のお父様ならいつも笑顔でいらっしゃったのに。やはり一刻の猶予も無いですわね)
桃は一つの決心をしたのだった。
「お父様!私が和平の使者としてアクア国に向かいます」
桃の突然の申し出にライトは驚いていた。
「なっ何?和平の使者だと」
「はい、このまま戦争を続けてもこの国には益はありません。ここは和平の道を探るべきです」
「・・・・」
国王は悩んだ。
自分の娘を和平の使者にするのは人質として使ってくれといわんばかりのこういに思えたからだ。
しかし、これ以上の適役は他にいなかったのであった。
「・・・・危険な役目だぞ。それを承知しているな?」
「・・・・・はい。危険は覚悟の上です」
「わかった桃よすぐにアクア国に向かってくれ」
こうして、ガイスト共和国とアクア国の和平実現のための使者として桃姫が出発したのだった。
二度と帰れないかもしれないと覚悟を決めながら。

その頃、風神剣を持った男は魔術学校に訪れていた。
「ささ校長。今こそ貴方の力が必要なのです。私と共にアクア国に行って下さいませんか?」
「しかし、私にはこの学校を守る義務があるのです。そう長くは留守には出来ません」
ささは渋っていた。
一度敵側についた人間を快く迎えてくれえるはずはないと考えていたのだった。
男もその辺りの事情をなんとなく感じていたがそれでも説得を続けた。
「ささ校長。実は私も一度敵側についたものなのです。
 だから貴方の気持ちもわかる。だが、今はそんな事を言っている場合ではないんだ!
 今、貴方が動かなければこの世界は滅びる!。世界の危機を救えるのは貴方だけなんだ!」
男の必至の説得がささに通じたのか、ささは三ヶ月だけならと同行を承諾した。
「では、早速行きましょう。急がないと萌の命が危ないんです!」
男はささと共にアクア国に向かった。
風神剣は男の腰で淡い光を発していたのだった。
その光がこの大陸の新たな希望の光である事をまだ誰も知らなかった。

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あとがき
・・・・・・・
参った・・・さっぱりわけわかんない(T-T)
話につながりが無い・・・・リズムが無いんだよな〜(T-T)
ふぅ〜。あとがきの時間だね
(ちょっと身だしなみを整えている)
コホン。え〜皆さん、『時空の覇者 第二部 第八話 僅かな希望』いかがでしたでしょうか?
今回は第七話に引き続いてマサキ君との戦闘の話です。
しかし、マサキ死んじゃいましたね〜。しかも流れ弾で(T-T)
もっとかっこいい死に方考えてたんだけどね〜。悪役の死に方なんてこんなもんなんですかね・・・・
えっと、今回は新キャラが二名ほどいらっしゃいます♪
では、ご紹介いたします。
まず一人目はガイスト共和国 第一王女 桃さんです。
以前掲示板に参加希望を書いて下さっていたのですが作者が忘れていました(T-T)
(桃さんゴメンナサイ)
ええ〜そんな訳で本人の希望どおりお姫様で登場してもらいました。
このキャラの行動がこの後のアクア国やフォックス大陸の未来を決めるといっても良いくらい重要なキャラになるでしょう
二人目はガイスト共和国 国王 ライト二世です。
この方の名前はとあるラジオ番組の中から頂きました(笑)
まあ、番組自体はかなり前に終わっているので知らない人も沢山いるでしょうがその辺は気にせずにいきましょう♪
ええ〜っとこのキャラは多分この先あんまり出てこないでしょう。
なぜなら、桃の方を出すので国王は必要なし!
って感じですね♪あと、新キャラではありませんがささ校長が久しぶりに登場してきましたね♪
彼はこの後どういった行動が出来るか作者も楽しみです♪
たっきーと瑠璃さんも良い感じだし、この先の展開がけっこう楽しみ〜♪ では、時空のトークタイムに行きましょう♪

作者「今日は前回倒れてしまったたっきーさんをお迎えしたかったのですがまだ倒れてますね(^^;」
辺りを見渡すと、いろんな方が倒れていた。その中にたっきーを発見した作者
作者「という訳で今回は瑠璃さんに来ていただきました〜♪」
瑠璃「こんにちは梨りんさん♪」
作者「はいこんにちは♪。ええ〜瑠璃さんは森の村からの登場でしたね♪」
瑠璃「はい♪皆さんとっても良い人ばかりでとても楽しいですよ♪」
作者「そうですか♪では、不満とかはないんですか?」
瑠璃「そうですね〜私は回復が専門のはずなんですが最近は攻撃系の魔術を使ってるみたいなのがちょっと不満ですね」
作者「(ぎくっ)そっそういえば瑠璃さんは神官でしたね。(いかん忘れてた)」
瑠璃「ええ♪多分梨りんさんも忘れていた設定だと思いますけどね」
作者「でっでは次の質問を・・・え〜っと、何も無いですけど次回作でも参加したいですか?」
瑠璃「そうですね。機会があればぜひ参加させて下さい♪」
作者「わかりました。ではそろそろお時間なようなので今回はこの辺で〜♪」
作者・瑠璃「さようなら〜♪」
ナレーション「今回は誰も倒れなかった・・良かった良かった♪」
作者「甘いは〜!」
ばきっ!どかっ!ごすっ!
作者「ナレーションは気を失ってしまった」
作者「はぁ、はぁ、とっというわけで次回からは瑠璃がナレーションをしま〜す♪」
瑠璃「未熟者ですが頑張りますね♪」
瑠璃(ナレーション)「では、次回をお楽しみに〜♪」
作者「うんうん。やっぱりナレーションは女の子にやってもらった方が良いね♪」

次回予告
ついに、闇魔術師マサキは倒れ、敵の幹部はにゃんこだけになった
さらに、ガイスト共和国の使者がアクア国に向かっていると言う事なのでクラはおおいに喜んでいた。
果たして、ガイスト共和国の使者は和平を結ぶ事が出来るのだろうか?
そして、にゃんこのみになった闇軍団の次の行動とは一体何なのだろうか? 次回 時空の覇者 第二部 第九話 ささの能力
君は時空の旅に出る。
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