時空の覇者 第二部 第三話 それぞれの戦い

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マイルの率いる軍団がアクア国を出発して早、三日がたっていた。
「・・・・・マイルからの報告は?」
ブルーは毎日のように大臣達に質問していた。
「はい、現在我が軍はウィン国まで後一日と言った場所を行軍中です。
 明日にはウィン国の首都に到着する事でしょう」
「そうか、ウィン国はまだ落ちてはいないのだな?」
「はい、らま女王も後1週間は持つとおっしゃっておりました」
だいたいの戦況を把握してブルーは少し安心した。
(自分が戦場に行けないのがこれほどもどかしいとはな)
5年前の自分はみずから先頭に立って敵と戦っていた。
それゆえに、戦場に行けない事が歯がゆくて仕方が無かったのであった。
なれない執務に追われてブルーは疲労が溜まっていた。
「陛下。少しお休みになってはどうですか?後は私が引きうけますわ」
アサがそう言ってくれたのでブルーは少し休みを取る事にした。
「ブルー陛下。少しお話があるんじゃが」
廊下に出たブルーを呼び止めたのはクラだった。
「これは、クラ様。ここではなんですから私の部屋で」
そういうと、ブルーは自分の部屋にクラを誘った。
「それで、お話と言うのは?」
ブルーにうながされクラは話はじめた。
「前線に向かったマイルの軍。今夜気を付けたほうが良い。こちらの進軍は敵にもわかっている事だろう。
 恐らく夜襲をかけてくるはずじゃ。特に目的地に近づいた今夜じゃ。用心するに超した事はない」
クラの指摘はもっともだと思った。
目的地に明日には到着する。敵もそれには気づいているはずだった。
そこで、先手を打って数を減らしにくるはず!
ブルーは慌てて大臣を呼び出しその事を伝えた。
「クラ様。ありがとうございます。私はまったく気づきませんでした」
「いや、それよりもこの国の守りを少し固めた方が良い。この国は外敵には強いが、
 一旦中に入られると他の国よりもろすぎる。
 そこで城の周りにある空掘りに水を入れると言う案を持ってきたのじゃがどうかな?」
クラの作戦を聞いた時ブル−は一つの考えをまとめていた。
「クラ様。隠居をやめて現役復帰するつもりはありませんか?」
その言葉を待ってましたとばかりにクラは微笑んだ・
「ははは。さすがはわしが後継ぎにと認めた男。よく気づいたな。
 そう、まさに今日の話とはその事よ。わしに軍師をやらせてくれないかと頼みに来たのじゃよ」
こうして、クラは隠居をやめ再び戦場に戻ってきたのだった。
「ブルー様。すばらしい方を軍師になされましたな。
 クラ様はお若い頃、幻の軍師と噂されていたほどのお方だったのですよ」
大臣の話を聞いてブルーは疑問を感じていた。
「なぜ幻なのだ?」
「クラ様が指揮をなさったのはたったの一度だけだからです。
 その戦いでクラ様はわずか50人で10万の敵兵を退却させたと聞いております」
ブルーは絶句した。
どうやったら50人で10万の敵を撃破できるのだ?
しかし、ブルーはクラが敵でない事に感謝していた。

一方、ウィン国に向かったマイルはブルーから夜襲に気を付けるようにという伝言を受け取っていた。
「夜襲?ふ〜む・・・・確かにその可能性はあるな・・・・よし」
マイルは軍を二手に分けた。
一隊を本陣に残し、もう一隊を森の中に隠したのであった。
・・・・日が落ちて辺りが暗くなった時、クラの考えどおり敵が夜襲を仕掛けてきた。
「いけ−!奴等は疲れて眠っているはずだ−!この機を逃すな〜!」
先頭に立っている男がそう叫びながら本陣に火を放った。
本陣の部隊も応戦していたが、退却を始めた。
「敵は逃げたぞ!追え〜!」
敵はどんどんと追いかけてきた。
その時、隠してあったマイルの部隊が敵の側面に突っ込んできた。
それに呼応するかのように退却していた部隊も反転して、攻撃に参加してきた。
すっかり、指揮が乱れてしまった敵は散り散りに逃げていった。
「よし。深追いはするな。今夜はもう来ないだろうな。はっはっは」
マイル軍は少々の損害は受けたが大勝利を収めていた。
この事を国王に伝えるように命令してからマイルは眠りについたのだった。

その頃、瑠璃に案内されて森の中の村に到着していた志朗たちは注意深く村の中を探っていた。
「やけに静かだな。なあ瑠璃。夜盗達はどこに・・・・」
志朗の質問が終わる前に、周りをたいまつの火が囲んでいた。
「へっへっへ、ようこそ夜盗の村へ。勇者様」
志朗たちはいつのまにか夜盗に囲まれていた。
その数は50人はいた。
「しっ志朗様。どうしましょう?」
たっきーがおろおろしながら志朗に話し掛けてきた。
「やるしかないのか・・・・」
志朗は剣を抜き夜盗めがけて走り出そうとした。
その時、瑠璃が志朗に切りかかってきた。
突然の事で志朗は反応が遅れてしまい、志朗は構えていた剣を落してしまった。
「ごめんなさい、志朗様。私・・・・」
瑠璃は泣きそうな声でそれだけをつぶやくと、村の中に逃げるように走っていった。
「へっへっへ、勇者様もこうなってはおしまいだな」
夜盗のリーダーらしき男が志朗にそう言っていた。
夜盗が志朗を縛り上げた時、サリスがその村に現れた。
「ほぅ、六英雄の一人を捕らえたのか。貴様らも少しは使えるのだな」
サリスの言葉が気に障ったらしく夜盗達は黙り込んでいた。
「へへへ、サリス様。約束の金を頂きたいんですがね」
リーダーがサリスに近寄っていった。
「わかっている。明日には届させよう」
サリスは志朗のそばに来て剣を抜いた。
「さて、お初にお目にかかるな。私は魔剣士サリス。では、自己紹介も済ましたのでお前には死んでもらう」
サリスは剣を振りかぶり志朗に向かって振り下ろそうとした。
(だめー!)
「だっ誰だ?」
サリスの動きは止まっていた。
(志朗君を殺しちゃだめー!)
「くっ、気分が悪い。今日の所は見逃してやる」
その台詞を言い終わる前にサリスは消えていた。
「あの鎧、闇騎士と同じ物だった。今度は誰が操られているんだ。まっまさか!」
志朗は考えをまとめようとしていた。
「あの〜志朗様。私の存在覚えてます?」
たっきーが志朗に話し掛けたが志朗は考えに集中していて聞いてくれなかった。
「・・・・だれも私に気づいてくれないのね(涙)」
たっきーは志朗の縄を解きに来たのだが気づいてもらえずその場で泣いていた。
「もしかして、いや間違いない!あの声、あれは萌だ」
志朗は、萌が生きていてくれた喜びと、敵になってしまった悲しみを同時に感じていた。
「萌・・・・・必ず俺が助けてやるからな・・・・うん?たっきー何やってんだ?」
志朗の一言でたっきーは更に涙を流す事になるのだった。

「くっ、何だったんださっきの不快感は」
居城に戻ったサリスは先ほどの不快感が何なのかを考えていた。
(それに、誰かの声が聞こえたようだった)
その声とは、萌の声だったのだがサリスにはわかるはずも無かった。
「どうしたサリスよ。六英雄を殺してくるという任務を忘れたのか!」
暗闇から鋭い声が響いてきた。
「カーズ様!申し訳ございません。今しばらくお待ち下さい」
カーズと呼ばれたものはしばらく考えていたのだろう、返事がくるまでしばらく間があった。
一瞬のまではあったがサリスにとってはとてつもなく長い間に感じられた。
「・・・良かろう、六英雄抹殺はお前の任務だ。好きにやるが良い」
「はっ、ありがとうございます」
そういうとサリスは消えていた。
「ふ〜む、まだ自我が残っておるのかも知れんな。マサキはおるか!」
先ほどサリスがいた所にマサキは現れた。
「お呼びでございますか。カーズ様」
「サリスを見張れ!もし、不振な動きをしたら私に報告するのだ」
「かしこまりました」
マサキもサリスと同様に闇の中に消えて行った。
「私の思い過ごしであれば良いがな・・・」
闇の中カーズの笑い声が不気味に響いていた。

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あとがき
・・・・・・・
う〜ん、今回の話しはよくわかんないな〜(^^;
ま、いっか〜♪。おっとあとがきの時間だ
(ちょっと身だしなみを整えている)
コホン。え〜皆さん、『時空の覇者 第二部 第三話 それぞれの戦い』いかがでしたでしょうか?
ほんとはこの話しは書かない予定でした。
さて、今回新キャラが一人出てますのでご紹介をいたします。
闇の指導者・・・・・・カーズ
え〜っとチャットで知り合った人です。
参加希望があったので、速やかに登場してもらいました。
皆さんも知っている方だと思いますよ。♪
私のリンクの中にある読書の時間の管理者です。
ぜひ、そちらにも立ち寄ってくださいね♪
とまあ、こんな所ですかね?
今回、ウィン国の状況がちょっとだけ明らかになりましたが、詳しい事は次回に説明する予定です
さて、今回の作品で敵に味方してしまった瑠璃さん。
今後はどうなるんでしょうか?ちょっと作者も困ってます(T-T)
さて、ネタも無くなってきたんでゲストを紹介しましょう♪

志郎「どうも〜。この作品で主人公やってます志郎です」
作者「どうもです〜。(主人公にしては影が薄いんだよね)」
志郎「・・・・なにか言いたそうですね」
作者「いえいえ。何でもないですよ。さて、今後どうなってしまうんでしょうね〜」
志郎「実は瑠璃が・・・」
作者「わ〜!ネタばらすな〜!」
志郎「今後の話しを聞いてきたのはお前だろう!」
作者(こいつをいつまでも置いておくとまずい!)
作者「でっでは次回をお楽しみに〜」
志郎「まてっ!もう終わりなのか・・・・」
作者「では、また来週♪」
志郎「来週・・・・なわけないだろうに」
ばきっ!
ナレーション「志郎は意識を失った」
作者「またね〜♪」

質問、意見、感想などは随時受け付けております。
そんな訳で、メールで文句を言うなり、実際に作者の文句を言うなり(笑)すきにして下さい。
沢山の、メール待ってます♪(出来ればメールで下さいね♪)
では、次回の作品でお会いしましょう。
ばいば〜い♪

次回予告
ついに現れた敵の首領カーズ
そして謎に包まれた新生闇軍団の脅威
はたして、ウィン国への救援に向かったマイルは無事にらま女王を助ける事が出来るのか?
そして、志郎は魔剣士になってしまった萌を無事に助け出せるのか?
次回 時空の覇者 第二部 第三話 試練の時
君は時空の旅に出る。
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