時空の覇者 第二部 第二話 動乱の時代

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「なあ、アクア国まで後どれくらいかかるんだ?」
志朗は高木に聞いていた。
「そうですね、このペースなら明日にでも到着すると思いますよ」
高木はそう答えてくれた。
魔術学校をでてから、一週間がたっていた。
その間、魔物にこそ襲われなかったが、夜盗が多くなかなか思うように進めないでいたのだった、
「そう言えば、志朗様は魔法剣が使えるはずですよね?」
高木が質問してきた。
そう、志朗は魔法剣が使えるはずだった。
だが、五年もの間使う事が無かったのでいまいちコツがわからなくなっていた。
「う〜ん、使えるのは使えるんだけど、どうも出力の調整が上手く行かないんだ。
えっと、高木くんだっけ?なんかコツ知らないかい?
」 「そうですね〜。私自身魔法剣は使えないんでよく分らないんですけど気の持ちようなのでは?
 それから私の事はたっきーと呼んで下さいといつも言ってると思うんですけど」
高木と呼ばれるのがよっぽどいやなのかいつもたっきーと呼んでくれといっていた。
そんな会話をしていると、森の方から悲鳴が聞こえてきた。
「悲鳴だ!たっきー行くぞ!」
志朗は荷物から剣を取り出すと森の中に駆け込んでいった。
高木も後に続いて森に駆け込んでいった。
「だっだれか〜!」
一人の少女が数人の男から逃げ回っていた
「へっへっへ。無駄だぜ。もう観念しろ」
どうやら、夜盗に追われているようであった。
「しかし、森で女を追いかけるとは・・・・ワンパターンですね。兄貴」
「やかましい!夜盗の仕事は昔から定番なんだよ」
「じゃあ、定番道理勇者にやられるんすかね」
夜盗がそんな会話を交わしながら少女を追っていると二人の男が彼らの前に現れていた
「お約束どおりの展開だな」
志朗はそう言って、夜盗を切り捨てていた。
「やっやっぱり・・・・勇者にやられるのね」
夜盗の最後の台詞がそれだった。
「いや〜さすが志朗様。お見事です」
後方で拍手をしながら高木は志朗を誉めていた。
「あのな〜少しは手伝えよ」
「いえいえ、私は少女を助ける方にまわりましたから。何事も役割というものが大事です♪」
志朗は高木の答えにあきれてしまった。
「あっあの、助けてくださりありがとうございました」
少女は高木の後ろから志朗に声をかけていた。
「いや、それより怪我はなかったかい?」
「はい、大丈夫です。あの、志朗様とおっしゃいましたがもしかして六英雄の一人の志朗様ですか?」
「へ?六英雄?多分違うと思うけど・・・・」
志朗がそう答えようとした時、高木が割って入って来て説明をした。
「志朗様、六英雄というのは闇軍団を滅ぼした伝説の英雄の事です。つまり貴方の事ですよ」
「ええ〜!英雄とか呼ばれてんの?本当に?へえ〜すごいもんだ」
志朗はまるで人事のように感じていた。
「あっあの、やっぱりあの志朗様なのですね?お願いです私の村を助けて下さい」
少女の話によると、彼女の村は二日前に夜盗の一団に襲われてしまったというのだ。
村の自警団では歯が立たず村は夜盗に占領されてしまったのだった。
「お願いします。村を助けて下さい」
志朗は考え込んでいた。
一刻も早くアクア国に行き、萌の手がかりを探したいと思っていたのだった。
だが、見捨てても行けないのが志朗の良い所であった。
しばらく迷っていたのだが高木の「とりあえず行ってみましょうか?」という一言で村に行ってみる事にしたのだった
「じゃあ、とにかく村に行ってみよう。え〜っとそう言えばまだ名乗ってなかったね
 俺は志朗、こっちは高木って言うんだよろしくね」
「高木です。たっきーと気楽に呼んで下さい」
「私は瑠璃と申します。簡単な治療魔術なら使えますので怪我の時は言って下さい」
こうして、志朗はモ瑠璃の案内で村に向かっていった。

その頃、アクア国ではブルーの国王就任パーティーとアサとの結婚記念パーティーが開かれていた。
パーティー会場では、たくさんの人が楽しそうに過ごしていた。
アサも幸せそうにブルーの隣に座っていた。
だが、ブルーは嫌な予感がしてならなかった。
(いつも、こういう時に限って何かが起る)
タマはパーティーを楽しんでいたがだいはタマの護衛に徹していた。
だいもブルーと同様に嫌な予感がしていたのだった。
そして、ブルーとだいの予感は的中した。
突然、会場に真ん中に一人の騎士が現れたのだった。
「六英雄の面子が勢揃いとは、ふっふっふ手間が省けたな」
謎の騎士の姿を見た時ブルー、だい、タマ、アサの四人は言葉を失った。
そう、その騎士の姿は闇騎士と名乗っていた時のだいと同じだったのである。
「貴様!何者だ」
だいが叫んでいた。
「我が名は魔剣士サリス、六英雄の命をいただきに来た」
サリスはそう言った後ブルーに向かって走り出していた。 とっさにブルーは魔術を使っていたがサリスは楽々とかわしていた。
しかし、その一瞬のスキにだいが切込んでいた。
サリスはだいの攻撃を剣で防いでいた。
「さすがは、元闇騎士。すばらしい剣技ですね」
サリスは笑みを浮かべていた。
だいはすばやく次の攻撃を繰り出していたがサリスは難なくさばいていた。
「ふっふっふ。私とここまで戦えるとは面白い」
今迄とは一転してサリスは距離を取り魔術の詠唱に入っていた。
「な!ばかな魔術が使えるのか」
タマが驚きの声を上げていた。
実際に戦っていただいも同じく驚いていた。
「ふっ。お遊びが少し長引いたようだ」
途中で魔術の詠唱を中断したサリスは次の瞬間には消えていた。
そして、消えた場所からサリスの声が聞こえてきた。
「六英雄の命、しばらく預けておくぞ」
サリスが消えた後、辺りはしばらく静寂が支配していた。
その静寂を破ったのは国境を守っていたはず一人の兵士だった。
その兵士は傷だらけであった。
「・・・・国王に急ぎお伝えいたします。国境付近にてガイスト共和国が戦闘を仕掛けてきました。
 これに呼応するかのように各地で戦闘が始まりました」
兵士の報告を聞いてブルーは愕然となった。
嫌な予感がすべて的中してしまったのだった。
(この混乱の中、今迄戦争が無かった方が不思議か・・・しかし、急に各国が動くとは。なにかあるな)
ブルーはそう考えていた。
「ウィン国は無事なの?」
アサが報告に来た兵士にたずねると兵士は暗い顔になった。
「ウィン国の状況は・・・・詳しくは、つかんでいませんが首都防衛線のみが生きている模様
 落城は時間の問題かと思われます」
その報告を聞いてアサは落胆していた。
フレイ国が亡き今、ウィン国がアクア国の唯一の同盟国なのであった。
そのウィン国が、またしても滅亡しようとしていたのであった。
「陛下、もう一度志朗様をこちらの世界へお呼びいたしましょうか?」
アサの提案にタマとだいは賛成したがブルーは反対した。
「それだけはだめだ。志朗たちには前回の事や、向こうでの生活などで世話になりっぱなしだ
 それに、自分の世界の事は自分達で何とかしなくては」
ブルーの発言に一同が静まり返っていた。
「うん?俺なんか変な事言ったか」
「・・・・なあ、ブルー。向こうでの生活って一体何の事だ?」
タマがブルーに質問していた。
タマの言動に大臣がむっとしていたが、ブルーがタマ達に敬語は使わないでくれと言っていたんで、
タマはあえて敬語を使おうとはしなかった。
「いっいや、何でもないんだ気にしないでくれ」
しどろもどろになるブルーを見て、アサは笑っていた。
(そっか〜、もう五年になるんだ・・・・萌ちゃん元気かな?)
アサの脳裏に地球での生活の事が浮かんでいた。
わずか一年の間しか向こうにはいなかったがアサの中では何十年もいたような、そんな感じのする場所だった
アサにとってはとても大切な記憶だった。
だから、この世界に戻ってきた時ブルーと相談してこの事は二人だけの秘密にしようと決めていたのだった
アサが地球での事を思い出していた時、ブルーはタマによるしつこい追求をかわせないでいた。
「だから・・・何でもないんだってば」
「いや、何かを隠している。正直にはけ!」
意見が堂々巡りになっていた。
その、場を治めたのは意外な人物であった。
「レンスタ・・・ではなく、タマ様もうその辺で」
だいがタマを止めたのであった。
ようやく、解放されたブルーは一息ついた後、部隊の出撃命令を出していた。
「魔術師団 第三軍と第四軍をウィン国に向けて出撃させる。指揮は、私が取る!」
国王自らの出撃など今迄前例が無かった。
その為、大臣達がこぞって反対した。
「なりません、陛下はまだ即位したばかり、むやみに国を離れると民が混乱いたします」
「では、マイルを指揮につかせよう。それで良いかな?」
大臣達はそれで納得した。
「では、マイルを総大将にして、直ちにウィン国の救助に向かえ。時は一刻を争う。急がせよ!」
ブルーの命令が直ちに軍に行き渡った。
さすがに、先の戦乱をくぐり向けた精鋭部隊であった。
その行動派俊敏で、命令が来てからわずか半日で出撃していった。
あとは、この部隊が届くまでウィン国が持ってくれる事を祈る事しか出来なかった。
「戦乱の時代か、こんな時に国王をやらなくては行けないとはな」
言葉とは裏腹にブルーは戦乱の世を一刻も早く治めねばと感じていた。
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あとがき
・・・・・・・
う〜ん、なんか話が違う方面に流れていってるような・・・・まっまあいっか(^^;
おっと、あとがきが始まっていた。
(ちょっと身だしなみを整えている)
コホン。え〜皆さん、『時空の覇者 第二部 第二話 動乱の時代』いかがでしたでしょうか?
今回の話から、フォックス大陸統一の話に流れていく予定です。
ブルー君はフォックス大陸の覇王になれるのでしょうか?後ご期待ですね♪
さて、今回新キャラが二人出てますのでご紹介をいたします。
村の娘役・・・・・・瑠璃
え〜っとチャットで知り合った人です。
この間、参加希望があったので、速やかに登場してもらいました。
某アニメのキャラとは無関係です(笑)
軍団の総大将役・・・・・マイル
え〜。このキャラはチャットの知り合いからではなく、距離の単位から頂きました(笑)。
すまん〜!思い付かなかったんだ〜!参加希望者ももういないんだ〜!
と言う訳で皆さん。せっせと宣伝して参加希望者を増やしましょう(笑)(冗談ですよ〜!)
とまあ、こんな所ですかね?
ちなみにアクア国には魔術師団が6部隊。剣士団が3部隊と親衛隊の合計10部隊が存在しています。
まっ裏話なんだけど、この他にも特殊部隊なんかも登場させようと思ってます。(第13独立部隊とか(笑)
注意!知っている人は笑えますが知らない方は忘れて下さい)
ちなみに精鋭部隊は魔術師団の第一軍です。(当然ですね)
それから、志朗君ですが、しばらくはたっきーと瑠璃の三人で行動してます。
ブルー君達と合流するのはいつになるのでしょうかね?
それと、瑠璃さんですがクラスは一応神官です。
そんな訳で回復魔術はお手の物です♪
この設定はタマさんに使おうと思っていたんですが結局使わなかったんでこっちで使用します♪
タマさんごめんね〜。瑠璃さんがんばれ〜♪ しかし、毎回結構ネタだしが大変だよ〜(T-T)
しかも、最近ペース早いしね♪(笑)
質問、意見、感想などは随時受け付けております。
そんな訳で、メールで文句を言うなり、実際に作者の文句を言うなり(笑)すきにして下さい。
沢山の、メール待ってます♪(出来ればメールで下さいね♪)
では、次回の作品でお会いしましょう。
ばいば〜い♪

次回予告
魔術師団の指揮を取りウィン国へと向かったマイル。
彼らがそこで見たものは?
そして、志朗が瑠璃に案内された村では一体何が?
さらに、敵の正体は一体?
次回 時空の覇者 第二部 第三話 それぞれの戦い
君は時空の旅に出る。
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