とても大きな分岐点

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皆さんお久しぶりですね
さて、前回のゆかりさんと徹君のその後はどうだったんでしょうかね〜?
私としては、あのまま上手くいっているのではないかと思いますがね。
まあ、それは色々な可能性がありますからね。
さてと、今回の話にいく前に一つ質問があったので答えておきましょう
私は本編に登場する志朗と同一人物ですよ
ふっふっふ。
今回はどんな方が迷って来るのでしょうかね〜
では、本編でお会いしましょう
ふっふっふっふっふっふ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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「ふっ、はは、俺って奴はどこで間違えたのか?」
一人の男がベンチに座りながらそうつぶやいていた。
男の名は、田中健太という。
(まいった、あそこで負けるとは・・・・)
健太は今月の給料をかけた大勝負で見事に負けてしまっていたのだった。
手元に残っているのは空になった給料袋だけであった。
逆さにして降ってみても何も出てこない空の袋を腹いせに丸めて投げ捨た。
「はぁ〜・・・・・・明日からどうしよう・・・・・・」
健太は悩んでいたがいくら悩んでも給料は帰っては来ないのだった。
あれこれ悩んでいるうちに健太はベンチのうえで眠ってしまったのだった。
(う〜ん・・・・・あれ?こっここは?)
ふと気がつくとなんとなく懐かしい光景が目の前に広がっていた。
(こっここは?昔よくいった公園に似ているような?でもあの公園は確か去年無くなったはず?)
健太が周りを見回すと一人の老人がこちらに向かって歩いていた。
「隣に座ってもよろしいですかな?」
「え?えっええ、どうぞ」
「ほっほっほ、すみませんね〜」
老人が隣に腰を下ろすのと同じに今迄の景色が一瞬の内に消えてしまった。
そして、かわりに不思議な空間が現れたのだった。
「こっこれは一体?それにここはどこなんだ?」
健太が驚いていると隣に座っていたはずの老人がいつのまにか自分の目の前に立っていたのだった
「・・・・・今回は登場が早いの〜。作者の奴もネタが無くなってきたという事かの」
何の事だかさっぱり分らない健太は思案顔になって困っていた。
「ほっほ、こちらの事じゃ気にせんでよろしい」
いまいち納得していない健太ではあったがとりあえず不思議な体験をしているという事だけは認識できていた
健太はもう一度辺りをぐるりと見回した。
(やっぱり知らない空間だな)
「それはそうじゃろう。お前さんがここにきたのははじめてじゃからな」
健太はどきっ!とした。
(なんで俺の考えが分ったんだ?考えてる事がわかるのか?)
「まあ、この空間では隠し事は出来んという事じゃ。
 さてと、自己紹介とこの空間の説明をしてやろうかの〜」
そう言うと老人はどこから出したのかわからないが椅子に腰掛けた。
「わしの名は志朗。この時空の狭間の案内人をしておるものじゃよ。
 この空間はあらゆる次元につながっておる。
 そう、この空間を通してならばどんな選択もやり直せるという事じゃよ
 お前さんにもあるじゃろう?あの時ああしていればと思った事が。それが実現できるのじゃよ」
志朗は簡単に、そして、要点だけを説明した。
その説明に納得したのか健太はしきりに頷いていた。
「・・・・・つまり、自分に良いように選択できるという訳だな?」
「必ずしも、そうなるとは限らんがまあそのようなものじゃな。ただしルールがあっての。
 未来はみれないし体験する事も不可能じゃ。だからその選択によってどうなるかは知る事ができんのじゃよ」
健太はまたしばらく考え込んだ。
(未来が体験出来ない?という事はその選択によってどうなるかは賭けって事か?よし!)
考えがまとまったらしく健太の表情には強い意志が漂っていた。
「昔、初めて競馬をやった時俺は大勝したんだ。それからというもの
 金があれば競馬につぎ込むという生活を送ってきた。
 俺はそんな生活からは抜け出したいんだ。だから、あの時負けていれば今のようにはまりはしなかったと思う。」
健太はそう言った。
志朗は少し驚いたような表情を見せた。
「ほっほっほ、ここにきて損をしたいと願った男は御主がはじめてじゃよ。
 面白い男じゃ。では、その選択で良いのだな?」
志朗の問いかけに無言で健太は頷いた。
志朗の手が静かに上がると、一枚のドアが現れた。
「さあ、このドアをくぐるがよい。そうすればおぬしが望んだ世界に行けるであろう
 代償にわしに関する記憶とこの空間の記憶を頂くぞ。」
「わかった。ありがとう志朗」
健太は志朗に礼を言ってドアをくぐっていった。
「ほっほっほ、人とはなんと不思議な生き物なんじゃろうの〜・・・・」
世界が光った時そこには一人の青年が立っていた。
「ふふふ、前回のゆかりという女といい、今度の男といい、面白い」
闇に覆われていた世界に光が射したと思ったらまた暗闇に覆われてしまった。
「ほっほっほ、では、次の者が来るまでまた待つとするかの」
老人の姿に戻った志朗はまたしても闇の中に消えていった。

「う〜ん・・・・・」
朝の光に目を覚ました健太は公園のベンチのうえにいた。
「あれ?そっか・・・俺昨日ここで寝ちゃったんだったな。さてと、帰るか」
健太は家に向かった。
「ただいま〜」
玄関を入ってリビングにいくと会社の同期の美沙が眠っていた。
(あれ?なんで彼女がここにいるんだ?)
健太が戸惑っていると美沙が目を覚ました。
「あら?あなたお帰りなさい。今日はどこで寝てたの?」
美沙は笑いながらそう聞いてきた。
(あなた?あれれ?あっそうか俺結婚してたんだった)
「いや〜今日は公園のベンチで寝ちゃってたよ。参ったね明日は早く帰ってくるからね」
健太は笑顔でそう答えていた。
「はい、はい、期待しないで待ってますよ」
美沙も笑顔でそう答えてきたのだった。
ふと空を見上げると、すばらしい青空が広がっていた。
「今日も良い天気だな〜。きっと熱くなるぞ」

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