時空の覇者 外伝? 雪の降る日に

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その日も朝から雪が降っていた。
ベットから降りて窓の外を見ると一面雪に覆われていた。
学校休もうかな〜等と考えながらも、自然と制服に着替えている自分に苦笑いをしつつ
朝ご飯を食べるために台所に向かった。
「おはよう。お兄ちゃん朝ご飯出来てるよ」
元気な妹が先に朝ご飯を食べていた。
「おまえ、相変わらず早いな〜」
兄の言葉を無視して妹はご飯を食べていた。
兄の方はフォックス大陸の英雄志朗であった。
その英雄も妹の真理子には勝てないのであった。
なぜなら、食事を作ってくれる人がいなくなってしまうからであった。
志朗たちの両親は共に世界的に有名な考古学者であったため、常に世界中を飛び回っているのであった。
「そう言えば、昨日お兄ちゃんに電話があったよ。確か青木って言う人から」
「そっか、じゃ今日聞いてみるよ」
「ご馳走様、じゃ私は先に行くね。戸締まりよろしくね」
真理子は、さっさと片づけると学校に行ってしまった。
「やれやれ、相変わらず早いな〜」
しばらくして、家のチャイムが鳴った。
「は〜い、ちょっと待ってください」
玄関のドアを開けると萌が迎えに来てくれていた。
「おはよう志朗君。早くしないと遅刻するわよ」
ドアの前に立っている人物も志朗と同じフォックス大陸を救った英雄の一人であった。
「ああ。今行くよ。もうちょっと待っててくれ」
志朗は食器を片づけて戻ってきた。
「お待たせ、さあ行こう」
そのまま、出て行こうとした志朗を萌が止めた。
「志朗君、鍵をしなくて良いの?」
萌に言われて思い出したように鍵をかけた。
「すまん、忘れてたよ。」
そんな会話を交わしながら二人は学校に向かっていた。
「お〜い。志朗〜待ってくれよ。」
志朗たちを追って走ってきたのは青木と、朝岡の二人だった。
青木と朝岡、二人ともフォックス大陸の住人である。
向こうでの名前がブルーとアサだったのでこちらでは青木と朝岡と名乗っているのであった。
「もう〜ブルーったら早いんだから〜。私より志朗が良いのね・・・・」
「えっ?いっいえ、私はそんなつもりじゃ・・・」
しどろもどろになっているブルーに萌が助け船を出した。
「アサ、いじめるのはその辺にしたら?二人が仲が良いのはみんな知ってるんだしね♪」
萌に言われると、今度は二人そろって真っ赤になってしまった。
(結構萌もいじめるよな〜)
などと考えていた志朗に萌が鋭く気づいていた。
「何か言いたそうな顔してるわよ志朗君」
ぎくっっとした志朗は、慌てて首を横に振っていた。

「そう言えば昨日電話くれたんだって?」
志朗は真理子に言われていた事をなんとなく思い出していた。
「ああ・・・・実は。」
ブルーが小声で話そうとした時、萌とアサが聞き耳を立てているのをブルーは見逃さなかった。
「なっ何でもないんだ、気にしないでくれ」
少々どもりぎみにブルーは答えてきた。
(何かあるな。)
志朗はそう感じていた。
「おい、放課後屋上にいるから」
志朗はそっとブルーにそう言っていた。
もちろんアサと萌には聞かれないようにであった。
さて、時は放課後、志朗は約束どおり萌の監視の目を振り切って屋上に来ていた。
しばらくすると、ブルーが健二と一緒に屋上に上がってきた。
「あれ?ブルー隣にいるのは誰だ?」
志朗が聞くと、ブルーは紹介してくれた。
「ああ。こいつは高田健二っていうやつで最近知り合ったんだ」
健二は志朗たちの隣のクラスの生徒で、最近香織という女性と付合いはじめた人物である。
ブルーとは、街のコンビニで知り合ったらしい。
「それは、良いけど一体どんな用事なんだ?」
志朗が急かすとブルーも健二も黙り込んでしまった。
(一体何なんだ?)
5分くらいその状態が続いたが、ようやくブルーが話しはじめた。
「・・・なあ、もうすぐ3月14日だよな」
志朗はブルーの言葉で全てを理解した。
つまり、ホワイトデーの相談だったのだろう。
「そうだな、もうすぐだな。」
志朗は今迄何も考えていなかったのであった。
「で、おまえは何をやるのかな〜と聞きたかった訳なんだ」
ブルーがそう聞いてきた時、志朗は答えを返す事が出来なかった。
「いや、俺もすっかり忘れてた。何を渡せば良いのかな〜?」
実は、志朗は今迄ホワイトデーに縁のない人物だったのであった。
「じゃ、三人で見に行こうぜ」
健二の提案はすんなりと受け入れられ、そのまま三人で街に出て行ったのであった。

その頃、萌とアサは志朗たちを探していた。
「まったく、ブルーはどこに行ったのよ!せっかく一緒に・・・・」
「一緒に何?」
萌がしっかりと突っ込むとアサはすぐに真っ赤になっていった。
(ふふふ♪からかいがいがあるわね〜)
などと萌が考えていた。
その時、アサ達に声をかけてきた女性がいた。
「あの、朝岡さん。青木さんならさっき健二君と志朗さんと三人で帰ってましたけど」
声をかけてきたのは香織だった。
実は香織も健二を探していたのだった。
「そうなんだ、教えてくれてありがとね」
萌がお礼を言った。
「いえ、私も健二君探していたんで」
アサはがっかりしていた。
「ねえ、香織さんだったわよね?一緒に帰らない?」
萌が誘うと香織は頷いた。
萌は香織が健二と付合っていると言う噂を聞いて知っていたのであった。
帰り道では、萌が一人勝ちしていた。
香織もアサと同じくすぐに顔に出るタイプだったのである。
(う〜ん♪二人もいると面白いわね♪でも最近私のキャラが変わったような・・・・)
そんな事を考えていた萌だった。

街に来ていた三人はとりあえずコンビニに入っていた。
雑誌等で情報を集めてから行動しようと考えたのであった。
「色々あるんだな〜・・・・」
健二が考えながらつぶやいた一言に三人とも納得していた。
値が張るもの。予約が欲しいもの。時間的に難しいもの
数え上げたらきりがなかった。
「どうする?これじゃいつまでたっても決まらないぜ」
ブルーの意見に全員が賛成していた。
「三人で金出し合ってパーティーでもやるか?」
志朗のちょっとした考えに皆が注目した。
「なっなんだよ?どうしたんだ?」
「志朗。今なんていった?」
ブルーがもう一度言ってくれと頼んでいた。
「えっ?いや、個人でやると面倒だと思ったから三人で合同でやるかって思ったんだけど」
「なっるほど〜三人でやれば面白いかもな」
健二もその案に賛成のようだった。
かくして、三人でパーティーを開く事に決定したのだった。

そして次の日、今日は3月14日であった。
萌はいつもと同じように迎えに来てくれた。
だが、志朗の様子がいつもと違うのを萌は見逃さなかった。
「・・・・どうかしたの?いつもと様子が違うわよ?」
萌が心配そうに志朗を見つめていた。
(相変わらず鋭いな〜)
自分のちょっとした変化に気づいてくれる萌を志朗は好きだった。
今日の事を話すなら今しかないと志朗は考えていた。
「・・・なあ萌、今日の夕方暇か?」
「えっと・・・ええ、空いてるわよ」
「じゃあ、夕方開けといてくれよ。迎えに行くから」
それだけ言うと志朗は走って学校に行ってしまった。
「ふふふ♪夕方が楽しみね♪」
萌は嬉しそうに学校に向かっていた。

話は少し戻るが、ブルーの方はなかなか言い出せなかった。
いつも、同じアパートにいるので話す機会は沢山あったのだが、言い出せなかったのであった。
(もし断られたらどうしよう)
そんな思いばかりが頭の中を駆け巡っていたのであった。
「ねえ、ブルー。明日3月14日よね」
アサが聞いてきた。
「はっはい!そうですね」
少し裏返った声でブルーは答えていた。
「・・・・・ねえ、なんで誘ってくれないの?私の事嫌い?」
アサが我慢しきれなくなったようにブルーに問い詰めていた。
「いっいえ。決してそんな事は・・・ただ、断られるんじゃないかと思って・・・・」
ブルーがそう答えると、アサは少しあきれたような表情になった。
「あっあの、明日の夕方から皆でパーティーをしようと計画していたんですよ
 それで、あっあの、良かったら私と一緒に、その・・・・」
ブルーがしどろもどろになりながらそう言うと、アサは嬉しそうに頷いていた。

さて、残るは健二君だけなのだがこちらはスムーズにいった。
なぜなら、香織はアサに聞いていて、何があるのかを知っていたのからであった。
そのおかげで、健二は少し不満気であったが香織になだめられてようやく納得した。
「なんか、俺だけ話が短いような気が・・・・」
健二は感じた事を素直に言っていた。
『しょうがないよ。君たちは専用の短編があったんだからね』
「?ねえ、健二君誰に言ってるの?それにさっきの声は誰?」
健二は香織の質問をあえて無視した。
パーティーが始まるまであと一時間という所だろうか。
志朗は萌の家の前で固まっていた。
萌の家に来たのは実に5年ぶりなのだった。
そのせいか緊張してしまい動けなくなっていたのだった。
萌がたまたま窓の外を見なければ今も固まったままだったであろう。
「もう〜。なに緊張してるのよ〜」
「うっ。いや〜なんか緊張しちゃってね。今迄こんな事なかったから」
志朗は緊張しっぱなしでパーティーの会場である健二の部屋に向かったのであった。
萌はどこに行くのか知らされていないので楽しみだった。
(どこに連れてってくれるんだろう♪)
色々、深く考えすぎて一人で真っ赤になっていた。
志朗たちが部屋につくと、他のメンバーは既にそろっていた。
「志朗君?ここなの」
萌が聞くと志朗は頷いていた。
なぜかがっかりしている萌の様子をアサと香織は見逃さなかった。
「萌〜。何を期待してたのかな?」
日頃、からかわれ続けていたアサ達は反撃に出てきた。
「えっ?べっ別に何でもないわ」
普段のアサよりも真っ赤になって萌が否定した。
「あら?萌さん顔が真っ赤ですよ♪」
香織もここぞとばかりに萌に反撃してきた。
無言のまま萌は目の前においてあったビールを飲んでいた。
「おいおい。まだ乾杯もしてないのに・・・ってみんな飲んでるね〜・・・まいっか〜♪」
挨拶をしようと立っていた健二だったが座り込んで皆と一緒にのみ始めた。

※注意
お酒は二十歳になってから飲みましょうね♪

パーティーが始まって1時間が経過していた。
最初からとばしていた飲んでいた萌は早くもふらふらになっていた。
「お〜い!志朗〜。お前の彼女が倒れそうだぞ〜」
健二に言われて志朗は萌の隣に来た。
「おい、萌。大丈夫か?」
「だいじょうぶよ〜♪ぜんぜん平気〜♪・・・」
まったく大丈夫に見えなかった。
志朗は萌を連れて先に帰ると言い出した。
他の四人もその方が良いと言ったので志朗は萌を連れて家に帰る事にした。
「う〜ん、志朗君。気持ち悪いよ〜」
「そんなに飲むからだ。大丈夫か?」
志朗の言葉に萌は首を横に振っていた。
その時、空から白いものが降ってきた。
「寒いと思ったら雪が降ってきたのか。」
その雪は、だんだん勢いを増していった。
一時間も降れば、薄らと地面が白くなる事は容易に予想できた。
「ホワイトデーに雪か・・・・なかなかしゃれてるな」
「そうね、きれいよね・・・」
少し回復したらしく、萌がそう言ってきた。
少しの間、雪を見つめていた志朗だったがいきなり萌の方を向いた。
萌はびっくりしたが、志朗の次の行動を待っていた。
「萌、・・・・・・・・・俺今迄ホワイトデーって何かをしたことないんだ。
 だから、こんな物しかプレゼントできないけど受け取ってくれるかな?」
そう言って志朗は小さな包みを差し出した。
「これを私に?ねえ開けて良い」
ああ。と一言だけ志朗が言うと、萌は包みを開けていた。
中には、きれいなイヤリングが入っていた。
「・・・・そんなに高いものじゃないけど気にってくれたかな」
萌は満面の笑みを浮かべながら志朗に飛びついていた。
「ありがとう志朗君。私一生大切にするね」
二人の未来を祝福するように雪が静かに降っていた。
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あとがき
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はっ!またしても固まってしまっていたようだ。
しかも、またしても気づいたらあとがきというパターンではないか。(トホホ)
では、書き終わっての感想を一言!
くっくせ〜・・・・・私には恋愛物はやはり書けないという事だろうか。
いや、そんな事はない!お決まりのパターンだとかそんな話は絶対ねえよ!とか言われても私は書くぞ!
・・・・ちょっと落ち着きましょう。コホン

ええ〜皆さんお久しぶりです。
『時空の覇者 外伝2 雪の降る日に』いかがでしたでしょうか?
作者としては、もうちょっと他のキャラの話も盛り込んでちょっと長めに書きたかったですね
なぜそうしなかったかというと、ずばり!
別の機会に外伝の外伝という形で作ろうかな〜なんて考えたからでした。
ただ、今これを書いてる段階ではその気はまったく無くなってしまいました(笑)
しかし、改めて読むとかなり展開が無理矢理だね(T-T)
いきなり志朗君の妹は登場するは(しかもちょい役)
両親は考古学者だし(おや?どっかで聞いたような)
最後に雪が降ってきたのも無理矢理だし・・・・(タイトルに合わせるために無理矢理入れたような設定だ)
まあ、その辺は五流小説家の能力の限界だと思って下さい。
今後の展開としては、妹の真理子ちゃんの初恋♪なんて物もやってみたいですね
あと、『時空の覇者 第二部』
なんてのも考えてます。
まだ、構想の段階なのでほんとに作るかどうかは不明です。
(作る場合はまたアンケート取りますね)
さて、皆さん気づいているかもしれませんが彼らは高校生です
そんな訳で、法律上はお酒は飲めません。
(守っているやつ探す方が難しい世の中ですがね(笑))
お酒は二十歳になってから飲みましょうね♪
梨りんと約束だ♪

良いな〜・・・私も学生の時にこんな恋愛がしてみたかった(T-T)
学生の皆さん、今が一番楽しい時です。
せっかく楽しい時を過ごしているのだから無駄にしないで下さいね。
そして、社会人の皆さん。
色々辛い事もありますが、私の小説を読んでちょっとでも元気になっていただければ
作者はとても嬉しいです。
私も社会人になりましたが結構辛いです。(T-T)
(でも、小説書いてるゆとりがあるだけまだましかな?)
皆さん、お互いがんばりましょうね♪
では、皆さんまた次の作品で、または以前に作った作品でお会いしましょう♪
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