時空の覇者 外伝 第三話 悲しき剣士

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「お前は剣士の国、フレイ国の王子なんだぞ!」
父の声がだいの脳裏によみがえっていた。
(父さん・・・・・・)
だいは、昔の事を思い出していた。
ここの所、よく昔の夢を見るな〜と考えていた。
(フレイ国もここからだと1日の距離だもんな・・・・行ってみるか)
「だい様どうかなされたのですか?」
隣で眠っていた桃が目を覚また。
「いや、何でもないんだ。なあ、明日はフレイ国に行かないか?ここからなら近いんだ」
「え?フレイ国?でも、あそこは今は何も無いはずでは?」
そう、フレイ国は先の安藤正樹の反乱の時に真っ先に滅ぼされた国なのであった。
今では、廃虚とかしており、夜盗などの巣窟になっているのであった。
「遠くからでも、良いんだ。君に俺の故郷を見せたいんだ」
だいの言葉が嬉しかったのか桃は嬉しそうに頷いていた。
「さてと、そうと決まれば明日は早い。そろそろ寝るとしますか」
だいは、そう言うと眠りについたのだった。
桃もさっきのように眠ったのだった。

次の日、だいと桃はフレイ国を目指して旅を続けていた。
旅は予想以上に順調で、お昼ちょっと過ぎにはフレイ国についていた。
「ここが俺の生まれ故郷のフレイ国さ。あそこの大きな廃虚が王城だった所さ」
高台のうえから元は城があったであろう場所を見下ろしながらだいはそう説明してくれた。
確かに城は無残にも廃虚になっていた。
これでは、夜盗が住み着いてもおかしくはないと桃は考えていた。
「あれじゃ、夜盗も住み着くよな・・・・」
今まさに桃が考えている通りの事をだいが言ったので桃はびっくりした。
だが、次の瞬間には桃は笑い出していた。
「だい様。では、どうやって夜盗を追い出しますか?」
えっ?という表情をしただいが桃の方を向いた。
「だって、この国を復興させたいのでしょう?でしたらまずは夜盗をどうにかしませんと」
「そっそうだな。あの夜盗を何とかしないとな」
だいはすこし裏返った声でそう答えた。
実はだいの目的はこの国から夜盗を追い出す事だったのだった。
国の復興はブルーや、らまに任せるつもりだったのであった。
(そうだよな、俺がやらなければならないんだよな)
だいは、今迄考えてきた作戦を桃に伝えた。
内容はいたって単純、だいが突っ込んでいって親玉を倒すというものであった。
「それでは、私がおとりになりましょう。その隙にだい様が切り込んで下さい」
そう言い終わると桃はだいの反対を押しきって夜盗の前に躍り出ていた。
「おいおい、若い娘が一人でこんな所にきちゃ行けないな〜へっへっへ」
夜盗の一人が桃をすばやく見つけていた。
「きゃ〜……誰か助けて〜……」
桃は大声を上げながら逃げ出した。
「へっへっへ、今夜はついてるぜ〜♪」
その声を聞きつけた夜盗達は桃を追いかけていった。
(よし!この隙に)
だいは王の間に向かって走り出した。
そこに親玉がいるとは決まってはいなかったがだいには確信があった。
そして、だいの予想通り親玉らしき男は玉座に座っていた。
「何者だ!」
親玉がだいに向かって叫んできた。
「俺はこの国に縁のあるものだ。おとなしくここから立ち去るのなら見逃してやるぞ」
「けっ!たった一人で何を言ってやがる。野郎共!こいつを叩きのめせ!」
親玉がそう叫んだが出てきたのは、わずか三人だった。
「どうした?三人しか来ないぞ。それで俺と戦うというのか。愚かな・・・・・」
三人の部下は一斉にだいに切りかかってきた。だが、次の瞬間には全員切り倒されていた。
「いっ一瞬で三人を・・・・きっ貴様一体何者だ!」
「俺の名はだい。さて、残るはお前だけだがどうする?まだやるか?」
「だっだいだと!まっまさか、あの伝説の六英雄の一人の?」
親玉は震え上がってしまい、すぐに降参したのだった。
一方夜盗達から必死に逃げ回っていた桃ではあったが夜盗の人海戦術の前にはかなうべくも無かった
「へっへっへ、今夜はついてるね〜。さてと、かしらに引き渡す前にちょっと・・・・・へっへっへ」
(もうだめなのね)
桃は覚悟した。だが、桃に襲い掛かろうとした夜盗は何者かに切り付けられて倒れていた。
謎の剣士は次々と桃の周りにいた夜盗を切り倒していった。
しばらくすると、全ての夜盗がたった一人の謎の剣士に倒されてしまっていたのだった。
剣士は桃の近くまで来ると不意に兜をとった。
「あっ!貴方は」
「ったく。相変わらず無茶するお姫さんやな〜。うちがいなかったらどうするつもりだったんや?」
そこにいたのは、なんとトリック国の第一王女のどらだった。
密かに、旅を続けていたどらは偶然にフレイ国に立ち寄っていたのだという事だった。
「いや〜、偶然ってあるものなんやな〜。」
どらが笑いながらそう言った。
実はどらは二人の後をこっそりとつけてきていたのだった。
もちろんだいは気づいていたが、桃は知るよしも無かったのであった。
「ありがとうございますどら様。本当に助かりました」
桃がどらに礼を言った所でだいが駆けつけてきた。
「桃〜!大丈夫かい?」
「ええ、どら様のおかげで助かりましたわ」
だいは桃の隣に立っていた人物に気づいた。
「どら様。ありがとうございました。」
「助けるのはこれが最後やで。これからはあんさんが守ってやらないかんよ。ほな、うちはもう行くわ。
 二人とも元気でな。まっ、復興したら遊びに来るんで気い入れてがんばりや」
そう言うとどらはにこにこしながら消えて行った。

だいは、桃をつれて王の間に戻ってきた。
そこには先ほどの夜盗の親玉が二人を待っていた。
「まだいたのか?今度は容赦しないぞ」
「まっまってくだせえ。もう悪い事はしませんよ」
だいが剣を抜こうとした時慌てて親玉が両手を地面に突けてそう言った。
「だい様にお願いがございます。どうかあっしらを子分にして下さい」
いきなり、そんな事を言われてだいが困っていると隣で桃が嬉しそうににこにこしていた。
「良いではありませんか。この方々にも復興の手伝いをしてもらいましょう」
こうして、夜盗の一団約300人はだいの配下になったのだった。
「さて、これからが大変だな。お金も沢山必要だろうしな。」
「ええ、でも、貴方ならきっと大丈夫ですよ」
「そうだな・・・・・きっと何とかなるさ。君もいる事だしな」
そんな和やかな会話を交わしている所に夜盗の親玉ゴルドーが飛び込んできた。
「かっ頭〜。大変でさ〜!ものすごい量の援助物資がっ、ぐべ・・・・・」
「貴様は何度言ったらわかる!頭と呼ぶなといってるだろう!」
「すっすみませんだい様。そっそれ所じゃないんですよ!アクア国のブルー様から大量の援助物資がきたんですよ!」
報告に驚いただいは桃をつれて現場に向かった。
だいはすぐに物資の護衛をしていたマイル将軍の姿を見つけていた。
「マイル将軍!これは一体?」
呼びかけられたマイルは礼儀正しく挨拶をしてきた。
「これは、だい様。これらの品々は我が国の国王ブルー様よりの贈り物にございます。
 国の復興のたしにしていただければ幸いですとの事です。それと手紙を預かっております。どうぞ」
「そっそうですか。ブルー様にはくれぐれもよろしくお伝え下さい」
「はい。では、我々はこれにて失礼いたします。国の復興、大変でしょうががんばって下さい」
そう言ってマイル将軍の部隊は引き返していった。
「だい様。なぜブルー様はこんなに早く援助物資を送られたのでしょうか?」
(そうだ、俺達がこの国に来るとは言ってなかったはずだしな〜・・・・)
だいは、手紙を受け取っていた事を思い出し、中を見てみた。
「・・・・・ふっ。はっはっはっは。なるほど、そういう事か」
「どうかなさいましたか?」
桃が不思議そうにだいを見ているとだいはもっていた手紙を見せてきた。
桃はその手紙を受け取り中身を読んだ。
「・・・・・・なるほど、道理で早かった訳ですわね」
なんと、マイル将軍の部隊はだい達がこの地に到着する前にきていたのだった。
そして、だい達がきたらこれを渡すように手配していたのだった。
「さすがは、ブルー様だ。大陸をまとめたお方のする事には驚かされるばかりだな。おや?二枚目があるぞ?」
だいが二枚目をとりだした。
手紙の内容はこう書いてあった。
『子供が出来たら教えてくれ絶対見に行くからね〜♪絶対教えてね〜♪』
この手紙を読んだ時、だいと桃が黙り込んでしまったのは言うまでもなかった。

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あとがき

よっしゃ〜!なんとか書けたぞ〜。いや〜久しぶりだったんで内容覚えてなかったよ(笑)
では、今回も元気にあとがきいってみよう♪
(ちょっと身だしなみを整えている)
え〜皆さん、時空の覇者 外伝 第三話 悲しき剣士いかがでしたでしょうか?
しかし、いったいどこが悲しき剣士なんだろうね〜(^^;
今回は本編ではあまり出番の無かっただいさんのお話です(だい様ごめんなさい〜(T-T))
年代的にはカーズとの決戦が終わってからという設定です。
ちなみに今回出てきた夜盗の親玉のゴルドーは、とあるゲームに出てきた山賊の親玉から頂きました(笑)
さて、今回から時空シリーズは外伝に突入しましたが俺(私)も外伝の話が欲しいぞ〜!という参加者の皆様!
ちょっとした設定なんかも付けてぜひぜひご連絡下さい。♪
しかし、結構このシリーズ長いね〜・・・・・(^^;
多分途中で読まなくなった方も多数いらっしゃると思います(笑)。
作者としては今後も外伝として色々書いていきたい作品の一つなのでこりずにまた書いていこうと思います
では、作者の近況報告でも・・・・・・
ええ〜・・・・最近ちょこっと忙しくて昔のようには新作が作れなくなってしまいました(T-T)
ちょっと悔しいですね。ですが、暇な時は一生懸命書いてます(笑)
それと、ネタがだんだんと無くなり最近の話はすべてパターンで面白くない!という感想を作者が持ってしまいました(笑)
これでは、五流作家から脱出は出来ませんね(T-T)
そんな訳で(どういう訳だ?)ネタを募集してます♪
思い付きでも良いのでなんかネタ下さい(T-T)
作者は真面目にお願いしてます(笑)
では、みなさま次回の時空シリーズでお会いしましょう♪
(あとがきってみんな読んでくれてるのかな〜・・・・)
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