扉の向こうの世界 第一話
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こんばんわ、お久しぶり。
え?昨日もあった?
ふふふ、だとすればそれは私じゃないですね。
私の世界では私は貴方と会うのは3年ぶりですよ。
懐かしいですね。貴方と出会ったのがつい昨日のようですよ。
そう、あれはとある学園で歴史科の教師を葬った後、貴方と私は出会っているのです。
覚えが無い?それはそうでしょう、これはあくまでも私の世界の話。
聞きたいですか?
良いでしょう。私も少し退屈していたところです。
でわ、異世界への扉を少しだけ開けてあげましょう。
いってらっしゃい。

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『扉の向こうの世界1』 −危機から始まる物語−

闇を切り裂く一発の弾丸。
迫りくる恐怖の弾丸を避け続けることはや10発。
これまで良く回避できたものだと正直自分をほめてやりたいくらいだ。
それほど、この狙撃は正確で精密でそして強烈だった。
狙撃時の一瞬の殺気を捕まえ損ねたら確実に殺られる。
一瞬たりとも気が抜けない。
そんな状況が長く続けば確実にこちらが不利だ。
ならば、体力があるうちに勝負をつけるしかない。
「ちぃ、しかたねえ。一か八か・・・やってやるぜ!うぉぉぉ!!!」
静から動への急激な変化。
これなら少しは揺さぶりをかけられるはず!
問題は俺自身も相手の気配を察知しにくくなると言う点だが。
先ほど吼えたように。これは俺にとっての賭けだ。
そして、俺はこういった賭けにいつも勝ってきた。
そう、いつもな!
それを証明するように、視界の右隅にわずかな動きを察知!
「そこか!」
俺は迷うことなくその場に銃弾を叩き込む。
手ごたえはまったく無いが、気にせずに走る。
・・・だが、それが見えた時俺は愕然とした。
いない・・・動いたと思ったのは狙撃主のであろうコートだけ。
やられた。
と思った時には俺の右足を一発の弾丸が貫いていた。
「ぐ・・・」
「ふふ、惜しかったわね。ほんとうに、惜しかったわよ」
右腕をだらんとさせた女が一人物陰からゆっくりと現れそういってきた。
「私の狙撃をかわし続け、その上私に一発当てるなんて。貴方いい腕してるわね」
「へ、そっちこそ良い腕だぜ」
まったくの無駄撃ちじゃなかったのだけが唯一の救いかな。
なんて事を俺は考えていた。
「このまま殺すのは惜しいわね。どう?私と組まない?」
「それは魅力的な提案だな、だが俺も一応プロなんでね」
「そう、それじゃ仕方ないわね。さようなら」
彼女の指が引き金を引く。
その動作が俺にはゆっくりと見えていた。
これで、俺も終わりか・・・
そう思った時、俺たちの後ろの壁が勢い良く爆破された。
「甲斐よ〜、生きてるか?心優しき達磨さん事グランズが助けに来てやったぞ〜」
組織からの援軍か!
しかし、よりによって奴とは。
案の定、大げさに登場したでかい的に向かって彼女はすばやく反応し、数発の銃弾を叩き込む。
だが、俺は知っている。奴に銃弾は、
「ふははははは!無駄無駄無駄無駄〜。この筋肉の前ではハンドガン程度の銃弾など効かん!」
そうなんだよな〜、弾くんだよ奴は。
ありえねえよな〜まったく。
「・・・貴方のお友達?」
「友達と言うか・・・まあ知合いの達磨兼、牛だ」
「も”〜〜そういう事いうか?せっかく助けに来てやったのに。このまま帰るぞ?」
「ああ、帰れ帰れ!」
「ふふふ、面白いわね貴方たち。私も混ざりたくなっちゃうじゃない」
ん?これはもしやチャンスでは?
これだけの力量を持った相手にまた狙われたんじゃ洒落にならん・・・
うまくすれば、俺も生き残れるし、すげ〜戦力をGETできる?
これは・・・上手くやるしかねえ!
「ぬ?なら君も混ざるかい?心優しい達磨はいつでも歓迎だ」
だ・・・達磨なんてナイスな奴なんだ。すげ〜ナチュラルだぜ。
「今、まさに貴方のお友達を殺そうとしてた私よ?」
「別に?そいつは殺しても死なんからほっといてOK。むしろ殺してもOK!
君のようなかわいい子が仲間になるなら、そいつも本望だろうよ」
「・・・ちょっとまて牛!」
「うるさい、第一仲間にするならむさい男より美女に限るだろうが!」
「それは俺も同意だが、実際自分に対して言われると釈然としねえんだよ」
「も”〜〜、我侭だな〜、わかったよ。そいつに死なれちゃ困るから殺さないであげてほしいな〜(棒読み)これでいいか?」
「こ・・・の、てめえ覚えてろよ!いつかステーキにして喰ってやる!!!」
「ふふ、あはははは。良いわ貴方たち。面白い。そうね、ぜひ私も仲間に混ぜてもらいたいわ」
思いっきり破顔しての大笑い。
さっきまで殺し合いをしていた相手に見せるものではないな。
油断を誘う・・・必要はないか。彼女ほどの力があれば俺たちを殺すことなどわけはない。
しかし、
「良いのか?そんな簡単に決めて」
「別に?私は私の好きなようにやるだけよ。最近つまらない仕事しか来て無くて面白くなかったしね。
それに、殺す気無くなっちゃったし。そうなると、任務失敗でしょ?雇い主に言い訳するのも面倒なのよ」
っと、ウィンク付で笑顔を向けられて俺は不覚にもどきっとしてしまった。
(なんだよ・・・かわいいじゃねえか・・・)
慌てて横を向いてしまった俺を見て、彼女はまたしても大笑いだ。
なんか、牛にまで笑われてるぞ・・・ちっ!今日は厄日だ。
「さて、この筋肉をじっくりと見てもらうためにまずは本部に移動しようか」
「・・・それは良いんだが、何してんだ牛?」
無意味にポージングを決め込んでいる。
う〜む・・・
暑苦しい奴だ・・
しかし、彼女は興味津々で牛の筋肉を見てる。
自分の銃弾を弾き返した筋肉に興味があるようだ。
「はっはっは、さあ!俺を見てくれ〜!見まくってくれ〜!!」
・・・変態だ・・・変態がいる・・・
「おい、そこの変態牛。そろそろ移動したいんだが肩貸してくれねえか?」
「ん?おお!甲斐君、大怪我してるじゃないか!!大丈夫甲斐?なんてな〜」
「・・・やっぱ、自力で歩くから良いわ」
「あら、無理しちゃだめよ?結構良い所ぶち抜いたつもりよ?私」
ち、確かに自力で動くにはちと厳しい。
「まあ、すぐそこに箒を用意してあるからさっさと乗りたまえ。それと」
変態牛が彼女の方を向いて、
「自己紹介がまだだったね。俺はグランズ、心優しい達磨、グランズさ。よろしくな」
「ユニークなお名前ね。私は鳳ノ花よ」
そして、二人の視線が俺にくる。
やれやれ、今更の自己紹介ってのも茶番だが、
「甲斐那だ。甲斐と呼んでくれ」
「よろしくね、甲斐にグランズ。ふふ、楽しい毎日になりそうだわ」
差し出された手を握り俺は立ち上がる。
後に俺の相棒として勇名をはせることになる鳳ノ花との出会いであった。

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あとがき
作者 :祝!異世界編開始〜♪
すちか:ちょっとまった〜!
作者 :どうかしました?
すちか:私の出番は?それに何?この世界!銃とか出てきたと思ったら箒?
作者 :おおぅ・・・細かいところに良くお気づきで
すちか:色々ごちゃごちゃじゃないのよ
作者 :ですね〜。まあ思いつきでぽんぽん書いてたらこうなったんで(苦笑)
すちか:軽く世界観の説明とかした方がいいんじゃない?
作者 :そうですね、では簡単にご説明を(まあ、設定資料を読んでもらうでも良いんですがね〜(^^;)
 世界観:
 ちょっと現代設定が入ったマビノギの世界って事になってます。
 なので、銃器も出回っております。弓系のスキルが全て銃にも該当していると言う設定ですね。
 ほんとはまったくマビノギ関係ない世界でもいけたんですが、一応関連ですし♪
 なので、最初は箒じゃなくてヘリって事になってました(苦笑)
 マビノギですので、狙撃とかにはマグナムショット!を使用してるということで一つよろしく。
 次に現在までの登場人物の簡単な紹介です。
 
 甲斐那(通称、甲斐):
 今回の話の主人公。現在、図書館にて入手したブラッククロニクルを本部に移送中。
 とある組織のトップエージェントにして、この世界では数少ない特殊スキルの使い手。
 近接格闘戦が得意。ただ、他の分野は苦手と言うだけで、十分世界レベルの実力はある。
 最近は趣味で始めた鍛冶にはまっており、ちょっとしたアクセサリーなんかを作っている。
 
 鳳ノ花(通称、ゴルゴ鳳ノ花):
 裏の世界では知らぬものはいない凄腕のスナイパー、実力は世界最強。
 彼女に狙われて生き延びたものはいない。
 組織に所属せず依頼を受ければ昨日の依頼主でも狙撃するクールな女性ではあるが、
 実際に彼女を知る者はころころと変わる表情を見るたび、別人では?と疑問に思うと言う。
 
 グランズ(通称、達磨、もしくは牛):
 甲斐那と同じ組織に所属する心優しきジャイアント。
 常に同じ場所にどっしりと腰を落ち着けているため、達磨の異名をGETした。
 彼の鍛え抜かれた筋肉は銃弾をやすやすと弾き、その豪快な技は一個中隊を余裕で壊滅させる威力がある。
 面白そうな話に目が無く、ちょっとでも面白い!と感じれば必ず飛び込んでくる。

作者 :と言ったところですかね〜
すちか:とある組織って、ミリシャちゃんの影の諜報部じゃないの?
作者 :青空倶楽部を読んだ方には周知の事実ですね〜
すちか:しかし、グランズさんまで出てくるとは・・・
作者 :いや〜、あのキャラは絶対にどっかで使える!と前々から思ってたんですよ〜
すちか:銃弾を弾く筋肉って・・・
作者 :爆裂ハ○ターのとある方を思い出しますな〜
すちか:俺を見てくれ〜!のあの方ね
作者 :ですです。まさにあれです
すちか:所でこのシリーズは続けるの?
作者 :続けようと思えば続けられますね〜
すちか:青空倶楽部は?
作者 :そっちは現在構想を練っている所です。
すちか:手広くやりすぎてまとまりきらなくなりそうね
作者 :まあ、その辺は気長にお待ちくださいって事で〜(^^;
すちか:こんな頼りない作者ではありますが、皆様、どうぞ広いお心でお付き合いくださいませ。
作者 :よろしくお願いいたします。m(_ _)m(深々)