あの時の青空倶楽部 第一話
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(先輩、いつ見ても綺麗だな〜)
グラウンドを華麗に駆け抜けるその姿に私の視線は釘付けになる。
今は国語の授業中。
教壇では、炎叢先生が教科書を読んでいる。
生徒はというと子守唄を聞かされてるかのようにお休み中。
いいのかね〜こんな授業で。
そういう私もずっと校庭を見てるんだけどね。
校庭では先輩が1500メートル走の真っ最中。
(あんなに綺麗でスポーツも出来て、世の中って不公平だよね)
はぁ〜とため息をひとつ。
そう、先輩はとっても素敵な人。
対して私はというと、
『鈍くさい』
『かわいくない』
『馬鹿』
もうだめだめである(とほほ・・・)
(あ〜あ、先輩のようになりたいな〜)
とまあ、いつもの様に無駄な妄想をしながら眠くなる授業を何とか乗り切るのであった。

「ここまででわからないことは?ここは今度の試験に出すから覚えておくように」
炎叢先生のワンポイントが飛び出した。やった!起きててよかった〜♪
他の先生と違って、言った部分は必ず出してくれるためこれを聞き逃すと5点を失う。
まあ、後から誰かに聞けば良いとも言うんだけどね(苦笑)
無事に今日の授業すべてが終わり、まってました!と私は部室に向かう。
そうそう、言い忘れてたけど私はクラブに入っています。
その名も、
『あの時の青空』
はい、今そのクラブは何をする所なんだい?と思った貴方!!
貴方の感性は正しい!!
私も最初聞いたときはさっぱりだったから。
一応説明すると、

『大人になってから、空を見た時に学生時代にみんなで楽しく過ごした時間を思い出そう!』

というのがこのクラブの趣旨だそうです。
よくわからない!
って私も実際は思ってるけど、不思議な魅力があるらしく現在部員は15名
それなりに活気のあるクラブです。
(実際のところは先輩目当てで入った人も大勢いるんだろうな〜)
そういう私も先輩目当てではあるんだけどね。
そんな事を考えていると部室の前に到着〜。
「こんにちわ〜」
「すーちゃん、こんにちわ今日も早いわね」
この挨拶を返してくれた方がみんなの憧れのロンディネラ先輩。
面倒見・・・は良いのかな〜放任主義っぽいけど(^^;
でも、なぜか皆に頼られる素敵な先輩です。
「?私の顔に何かついてる?そんなにじっと見られても私は変わらないよ〜」
説明のためついつい凝視してしまった。
って、私は誰に説明してるんだろう。
「先輩、相変わらず飲んでるんですね。一応学校ですよ?ここ」
「中身はジュースよジュース。お酒じゃないから良いの」
ほんとかどうかは怪しいところです。
まあ、いつものことなので私もあまり気にしません。
「ねえねえ、すーちゃん。シェティみなかった?部長会があるんで相談したいんだ」
「ここにくるまでには見ませんでしたけど、そろそろ来るんじゃ・・・」
「ごっめ〜ん遅くなった〜><」
と、私が言い終わる前に登場のシェティス先輩。
副部長にしてわが部のアイドル!
いや!我が高のアイドルといっても過言ではない!!
崇拝者は数知れず。ファンクラブまであるという。
そのお姿はまさに神と見まごうほど神々しく
何者をもひれ伏させるであろう・・・
「すちかさん、嘘と誇大妄想はやめておきましょうね」
「え?や、やだな〜・・・なんでわかったんです?」
「すーちゃん、顔に出るからわかりやすい。」
ぬぬぬ・・・そうだったのか〜><
え?どの辺りが嘘かって?それは皆さんのご想像にお任せしますよ♪
「さてさて、シェティも来たし部長会議にいってくるね。すーちゃん留守番よろしく〜」
「はい、いってらっしゃい」
一人になった所で部屋の掃除でもしましょうか。
あ、ポットも洗ってお湯を沸かして〜
お茶の用意〜っと紅茶紅茶・・・あちゃ〜切れちゃってるや。
ん〜、コーヒーでいっか。



と、そんな事をしていたら時間はあっという間に過ぎていくのであった。
今日は他の部員が誰も来ない珍しい日みたい。
途中顧問のニルシェ先生は来たけどコーヒー飲んだら帰っちゃった。
先生曰く、
「教師と生徒が二人きりってのはまずいだろ?いろいろとな」
とのこと。
まあ、まずいわね〜たしかに(苦笑)
あの先生は手が早いことで有名だし。
幸い私はターゲットに入ってないようなので安心です。
まあ、入るほどの容姿してないしね(苦笑)



「ただいま〜。すーちゃん留守番ご苦労様」
「おかえりなさい。あれ?シェティ先輩は?」
戻ってきたのはロンディネラ先輩一人だけ?
「ああ、シェティには先に帰ってもらったわ。私は部室にかばん取りに来たのとすーちゃんを迎えにね」
なるほど、確かにあと30分で下校時間だし、今日は何も出来そうにないもんね。
用意したコーヒーは無駄だったか・・・
あ、ニルシェ先生が飲んだから無駄ってわけでもないか。
それにしても、わざわざ声かけに来てくれるなんて・・・
ちょっぴり、いや!かなりうれしいな〜。
「ほら、ほら、帰るよ〜」
先輩はすでにかばんをGETして帰る用意万全みたい。
私も急いで用意する。
「お、お待たせしました」
「よし!じゃ、かぎ閉めて帰ろう」
部室の鍵を閉め、先輩と一緒に下校する。
一緒!一緒〜><
い、いま気づいたけど・・・一緒に歩いてるよ私〜!!
あ、改めて状況を見直したらドッキドキじゃないですか〜
や、やば・・・緊張してきた。
「・・・ぇ、ねぇ、すーちゃんってば」
「ひゃい!な、なんでございましょう!!」
うわ〜、変な声で答えちゃったよ〜
「アイス食べて帰ろうかっていったんだけど。聞いてた?」
アイス?なぜにアイス??アイスは冷たくておいしい。
そして私はバニラが好きだ!あ、バナナとヨーグルトも好き。
いやいや、まてまて混乱するな私。
「は、はい!アイス!はい!いきます。アイス大好きばんざ〜い!!」
・・・もうだめ・・・私死にそう。
あ〜、先輩が困った顔してる〜><
穴があったら入りたい。
「えっと、じゃあいこっか」

アイスはとってもおいしかった。
・・・と思う・・・
味なんて覚えてな〜い><
アイスを食べて、一緒に本屋さんに行って、なんて幸せな放課後なんだろう。
ああ、先輩。素敵過ぎます〜><
町を歩いてても振り返る男が多い多い。
もちろん目当ては先輩で、私は引き立て役なんだけどね(^^;

「じゃ、すーちゃん、また明日ね」
先輩の家は向こう。私はこっち。
楽しい時間も終わりを迎えるとさびしいものだな〜。
でも、明日になればまた大好きな先輩に会えるし我慢しよう。
と私がさびしさをかもし出していると右頬に暖かくてやわらかいものが。
ちゅっ
「元気で過ごせるおまじないだよ。じゃ、またねすーちゃん」
笑顔でさっていく先輩。
呆然と立ち尽くす私。
10分後・・・
「えええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
私の驚きの声が辺りに響き渡るのであった。

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あとがき
とまあ、そんなわけで炎叢さんご希望のろん姉×sutika物を書いてみました。
・・・なに?これw
そして、誰?これw
文才はないな〜私・・・でも書くのは好きなんで(><)
え〜、内容の説明に行きましょう。
年代は現代。舞台はその辺の高校って所です。
名前がカタカナなので、ファンタジー世界の高校って事でも可。
マリア様が見てるの関係にちょっと近いかもしれませんね。
例によって感想はいつでも募集中。
てか、観想ください><
あと、設定に不満だ〜!
って方の抗議受け付けておりません。
潔くあきらめてください♪
でわ、また〜。